そもそもFIREとはどういう価値観の人向きの選択か?
はじめに
リタイア後、どこに住むか?都会か田舎かトカイナカ(by故・森永卓郎さん)か。ざくっとまとめるとメリットもあるけどデメリットもある…という記事です。
「高齢者の暮らし目線で考える」っていうのは、まさにその通り。記事では比較的健康な高齢者の視点ですけれど、難しいのは要介護になった時。チェックポイントはふたつあって、
(1)介護施設が近くにあるか?
(2)介護する人が近くにいるか?
リタイア後の生活拠点って元気な時の価値観で選んじゃいますけど、そうじゃなくなった時と言うのはちょっと考えておきたい。個人的には(2)が重要と思ってます。
ちなみに早期リタイア後の私は、トカイナカ型ですかね。
そもそもFIREとはどういう価値観の人向きの選択か?
記事には「そもそもFIREはした方がいい?」という話がオマケに付いてます。大口克人氏は、否定派。
”一番カッコよくて体と心の健康(特に認知症予防)にもいいのは、FIREできるだけのお金を作ったのに仕事は普通に続け、職場で同僚と冗談を言い合っているような生き方だと思います。
ということで、FIREの決断は個人の自由ですが、計算違いや孤独になる可能性もあります。私自身は社会と長く関われる方に喜びを感じます。”
FIRE=働いてない=かっこ悪い、社会との関われない、みたいな価値観でしょうか。
ただ、全員、そうだともいえません。労働の中に自由や幸福を感じられない人もいる。FIREは、資本主義社会の仕組みを利用するとその選択を可能にできる方法論があるにはあるってことです。
記事には「人間はお金のためにだけ働くのではない」とありますが、「人間はお金のためにだけ生きるのではない(人はパンのみにて生くるにあらず)」の方が私にはしっくりきます。FIREは「必ずしも生きる=働くではない」という価値観を持つ人向きの選択です。
ちなみに、私、早期リタイアしてからかれこれ10年経ちますが、その間、社会と関わってないという感覚はまるでありませんでしたし、今もありません。マズローの社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求は、会社員生活の終盤に比べてむしろ向上したというのが実感。
私は向いてたようです。
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なお、記事では言及していませんが、論拠であるトリニティスタディの4%ルールは、こうです。
- リタイア後、資産の4%を初年度に引き出し、以後はインフレ調整して同額を取り崩すことで、30年間資産が枯渇しない可能性が高いという指針で、米国の過去データに基づき、株と債券の分散投資を前提に成功率を検証。
学術研究なんですよね。インフレもちゃんと考慮されてます。