アクティブファンドをどう売るか
マネーポストWEBさん。ひふみ投信・藤野さんへのインタビュー記事です。
はじめに
- オルカンは、米国、ことにマグニフィセント・セブンの占める割合が多い。
- トランプ大統領は「これまでの結果を見る限り“トンチンカンな大統領”と言わざるを得ない。」
- これまではマグ7にしてやられたが、大型株が振るわなくなれば、指数に縛られず中小型株まで幅広く分散しているアクティブ型の良さが出てくる場面がある
- 『アクティブ投資』にも目を向けてほしい
アクティブファンド「ひふみ」シリーズを運用する会社の社長として極めて正しいお話であります。
ただ、藤野さんは、インデックス投資を全面否定しているわけではありません。記事の冒頭、
”「まず新NISAはぜひとも活用すべき制度です。すでにオルカンなどに投資している人は海外に分散投資する重要なプロセスを歩んでいるところなので『解約しないでね』と伝えたい。”
とおっしゃっていますし、最後はこうまとめています。
”インデックス投資をベースにしつつ、余剰資金の範囲内でアクティブ投資に振り向けておくと、よりリスクを分散させることにつながるのではないでしょうか”
「(これまた賛否はあるものの)サテライト型の投資をしてみませんか」「あくまでもインデックスファンドが基本です」ともおっしゃっているわけで誤解ありませんよう。
雑感 〜アクティブファンドをどう売るか
さてさて、例によってつらつらと雑感。
1点目。これは藤野さんの発言ではないですが、記事の中でオルカンを「“ほったらかしでも安全”とされた人気商品」と表現している点。もし、安全をリスクという意味で使っているのなら、間違ってます。オルカンは、標準偏差20〜30%という大きなリスクを持った商品です。もちろん多くのアクティブ投資はそれに銘柄選択リスクが加わるわけです。記事のタイトル「より安全な投資」には疑問符が付きます。
ここを誤解して、長期投資の旅に出るのはまずいです。
2点目。米国株式は、数社の大型株のウェイトが大きすぎるしトランプ大統領の政策にも不安がある、書いてないけどAI米国ひとり勝ちシナリオにも懸念がある、だから米国株は下がる確率が高いというロジック。・・・となるかどうかは、わかりません。こういった既に文字化しているシナリオは、既に株価に織り込まれている可能性が高い。ましてや、世界一効率的(情報が瞬時に株価に反映される)とされる米国市場ならなおさらのことです。
何度も書いてますけど、オルカンというのは、市場そのものに過ぎません。そういう意味において常に偏っていないファンドです。そこに、勝つアクティブ投資家もいれば負けるアクティブ投資家もいる。そして誰が勝つかを当てるのはとても難しい。
アクティブファンドを保有する満足感をどう与えるか、すなわち、どう売るか。個人的に思うには投資へのロマンなのかなと。ちなみに私はロマンは別なところに求めているので、このまま生涯、いちインデックス投資家で行く所存です。
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