老後はNISAを使ってはいけない??
ええ〜〜っ?老後はNISAを使ってはいけない??
記事は、最初に「前提①余裕資金で行う」っていうのがあって、これは高齢者に限らず全世代共通でその通り。問題はそのあと。「老後はNISAを使ってはいけない」とあります。
その理由はふたつ
(1)すべては非課税ではない。
(2)譲渡益が課税される可能性がある
これについては、
(1)は、国内の投資信託を買えばよろしい。
(2)は、何言ってんの?レベル(笑) そんなことをするなんて金融庁はひとっ言も言ってない。NISAは、非課税期間無制限、制度恒久化。我が国の政府がそう明言している重みを噛みしめたい。ソース不明の情報をちらつかせてある種の陰謀論を唱えること自体が、私なんぞには何かの陰謀だと思えちゃうんですけどねー。
というわけで、当ブログとしては、
- 老後も適切な範囲での投資はあり。その際にはNISAを使うべし
- ただし、NISAを使うために不必要な投資をするというのは本末転倒
とまとめておきます。
なお、記事には、NISAの問題として「損益通算できないこと」を上げていますが、たしかにこれはその通り。
つまり損益通算をしたくなるような投資手法にはNISAはいまいち向いてないとは言えます(投資経験値低めの高齢投資家には、そもそもそういう投資は向いてるようには思えませんけど)。
NISAは、長期の期待リターンがプラスになるバイアンドホールド向きの制度なのです。
分散すれば良いってもんじゃない
記事では、「資産を分散投資することが大切」を指摘しています。その通りではあるものの、これまた注意が必要です。ひと言で言うと
なんでもかんでも分散すれば良いってもんじゃない
相関関係が”1”ではない資産同士を分散すると計算上は必ずリスクが下がりますから、やっかいなのですが、ここには数字のマジックというかワナがふたつほどあります。
- (分散のワナその1)リスクに見合った期待リターンがない資産に分散していないか?
- (分散のワナその2)過剰な配分で分散していないか?
(1)の例としては、下手すると期待リターンがマイナスかもしれない金利が超低空飛行中の日本債券。為替リスク分シャープレシオが落ちがちな外国債券。あるいは自己成長しない資産とされるコモディティ。
(2)の例としては、REIT。オルカン=MSCI ACWIにはもともと応分のREITが含まれています。それ以上の比率でREITを持つのはいささか戦略的なアプローチとも言えます。
こう考えていくと結果として残るのが、よく分散された株式クラスとしてのオルカン+個人向け国債変動10年 という戦略なのであります。