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2024年4月22日 (月)

厚労省、年金改革へ5案検証 2024


日経さん。今年は、5年に一度の財政検証の年だったんですね。

はじめに

検証項目は以下の5つ。

(1)厚生年金の対象拡大
(2)基礎年金の納付期間 40年→45年
(3)基礎年金の給付抑制を早期停止
(4)在職老齢年金の見直し
(5)保険料の基準額の上限あげ

大きく言えば、一億総厚生年金。将来的には完全な自営業の人を除き、厚生年金にできるだけ長くたくさん加入していただき、厚生年金のパイを拡大することで、年金体力を強化していきたい、ということなんでしょうか。

(2)の問題を批判する言論も散見されますが、この話、昔からあったんですよね。手元にある権丈先生の「ちょっと気になる社会保障 増補版(2016年)」のp200〜204あたりに平成26年(2014年)財政検証のオプションのひとつに、「保険料拠出期間と受給開始年齢の選択制」という表記がありました。「選択制」であって「全員一律」ではないのですね。

いずれにせよカゲでこそこそ悪だくみをしているわけではなく、けっこうオープン。これらの改革は遅れれば遅れるほど若い世代に悪影響があります。早く議論を進めるべきでそういう意味では概ね前を向いた話と私は受け止めています。

雑談

ただ、不満がふたつあります。

ひとつは、改革するならするで早く具体的な制度と時期を決めてくれないと、個々人は具体的なアクションプランに落とし込めないじゃないかと言う点。たとえば、給付期間が選択制になったとしたら、60−65歳未納世代(私です)はリカバーできるのか?とか。

今の時点でできる対策は、消費を減らしてでも老後資金を多めに積んでおくという(お金の運用はするにせよ)国内経済にとってはある意味ネガティブな行動。とっとと決めていただき「Die With Zero」で社会貢献できるようにして欲しいよねと思います。

もうひとつは、根本的な問題。

現在の年金制度は、賦課方式。つまり「仕送りの社会システム化」です。これ自体には私は不満はありませんし、戦争からの歴史を考えるとこれしかない選択だったようにも感じます。

問題は、仕送りは子供がそれなりにいなければ成立しないという点。これからも逆ピラミッド型の人口構造が続くようでは100年経っても厳しい。

この構造問題は、年金制度とは関係ない別の社会課題で年金制度はその被害者とみなす考え方もありますが、私は年金制度自体にも少子化の責任があるのではないかと考えてます。

現在の年金制度は、子どもを作らなくても現役時代に仕送りをした人はリタイア後に仕送りを貰えるというありがたい制度です。誰もが子宝に恵まれるわけではありませんからね。しかし、このことが制度本来の福祉的な意図に反した作用(少子化)を起こす一要因となってはいないでしょうか。私も生まれ変わって今の制度のままだったら、結婚はしないような気がするなあ(^^;)。

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