最近の個人向け国債 変動10年 発行条件の推移 2022−2024/1
今月も個人向け国債の発行時利回りをチェックしてみます。
最近の個人向け国債 変動10年 発行条件の推移 2022−2024/1
金利上昇傾向にあったのですが、ここ2ヶ月は一服。変動10年 第166回債(令和6年1月)の発行条件は、0.40%(税引き前)。
ネット銀行の定期預金金利との比較
金利高めのオリックス銀行さんの直近の金利がこちら↓
ちょっと前まではネット銀行の方が金利高めだったのですが、いまや個人向け国債の方が優位な傾向にあります。現時点では7年ものでは勝っていますが、7年後の金利を考えるとちょっと手を出しにくい期間です。
個人向け国債変動10年の特徴は、
- 半年ごとに適用金利が見直される。金利上昇局面で有利。いったん買ったら10年の満期が来るまでほっとけば済むので楽チン。
- 発行後1年経ったら、中途換金も可能。
- 債券なので、分別管理の対象。ペイオフ対策になる。
- 国家が発行しているので安全性が高い。
といったところ。
言うなれば、キングオブ無リスク資産。
NISAが拡充され投資の裾野が拡がりそうです。そして、投資先の主役は海外に向いています。しかし、海外投資には為替リスクがついて回りますから何らかの緩衝材が必要になってきます。その有力候補のひとつが個人向け国債変動10年です。
個人向け国債変動10年の発行条件のウォッチは今後も続けてみたいと思います。
余談
「海外債券の方が利回りが良い」「日本の財政は破綻している」「個人向け国債なんてダメ」というご意見もあります。この指摘に対する私の論点を整理しておくと、、
- そもそも無リスク資産の活用目的は利回りを稼ぐことではない。
- リスクのある海外債券とリスクの小さい個人向け国債の利回りだけを比べるのはナンセンス。
- 同じ大きさのリスクを取るなら、海外債券より、海外株式+個人向け国債の方が効率がよさそうだ(ご参考エントリー)※
個人向け国債がデフォルトするような事態が起きたときは、「資産の差し押さえ」、そこまでいかなくても「資産課税」。自分は海外資産で運用しているから大丈夫、と言うのは国家権力を舐めすぎです。最悪、お金の心配どころではなくなるでしょう。となると、海外に移住するしかありませんが、移住した国が大丈夫かどうかは定かではありません。
※補足
ざっくり計算して見たところ、「海外債券をちょっとだけ混ぜたポートフォリオ」がシャープレシオが最大になり、計算上のベストな方法は、「海外債券をちょっとだけ混ぜたポートフォリオ」と個人向け国債(無リスク資産)の組合せ。
ただし、
- 「株式100%」と「海外債券をちょっとだけ混ぜたポートフォリオ」のシャープレシオの差は大して大きくない(ほとんど同じ)。
- 海外債券比率が増えるに従って海外債券自体のシャープレシオの低さに引きずられてシャープレシオは低下
- 海外債券のリスクが大きいため(証券自体5%+為替リスク10%くらい)、ポートフォリオのリスクは大して下がらない。
- というか、為替リスクって、リターンもないくせに大きすぎ。
- 特に期待リターンの設定次第で計算の答えは玉虫色に変わる。
リスクを下げるのであれば、あれこれ悩むより、シンプルに「株式100%+個人向け国債(無リスク資産)」の方がいろいろ割がいいという考え方です。