つみたてNISAがシンNISAになっても投資を始めてない人の疑問に対する答えはさして変わらない。
ZAi ONLINE、深野 康彦さんの記事。
はじめに
つみたてNISAをまだ始めてない人たちの疑問を8つほど上げています。8つの質問があり、それぞれに深い考察があるのですが、ここでは、私が最も共感したお答えの部分を短ーく書き抜いてみます。太字のところです。疑問によっては、( )内に、筆者注記として、私としての補足を書いときました。
- 疑問① 損をするのが怖くて投資を始められません。「つみたてNISA」で絶対に損をしない投資はできますか?
- 「時間を味方につけて、運用成績がプラスになるまで積立投資を続ければいい
- 「時間を味方につけて、運用成績がプラスになるまで積立投資を続ければいい
- 疑問② 「つみたてNISA」を始める金融機関で迷っています。口座を作る金融機関はどこがベストでしょうか?
- 「手数料や使い勝手はどこで口座を開いてもそれほど差はないので、取扱商品で考えればいい」(筆者注記:深野さんは明言してないが、将来の取扱商品も含めて考えるなら、コストも安く、ついでに預かり資産残高の大きいネット証券がいいに決まってる)
- 疑問③ どの投資信託を買えばいいのかわからないので「つみたてNISA」を始められません!
- 「世界の株式に分散投資するインデックス型投資信託」を選ぶのが最もいい」(筆者注記:つまりオルカン買えと言っているw)
- 疑問④ 相場が高値圏のときに「つみたてNISA」を始めると不利では!? どうせなら株価が下がったときを狙って始めたいのですが……
- 「相場がいつ下がるのかは誰にもわかりません」「市場の動向を見て「始め時」を考える必要はない」(筆者注記:長期投資の旅は長い。積み立てていれば、そのうちイヤでも買い場に出会う)
- 疑問⑤ 「つみたてNISA」より「iDeCo」のほうが節税メリットは大きいと聞きましたが、「つみたてNISA」を選ぶ意味はあるのですか?
- 「iDeCoはあくまで老後資金作りを目的とした制度」「節税効果だけに目を奪われるのではなく、まずは資金運用の目的を明確に」
- 疑問⑥ 現在すでに「iDeCo」を利用中です。「iDeCo」の掛金を減額して「つみたてNISA」も始めたほうがいいでしょうか?
- 「疑問⑤と考え方は同じ」
- 疑問⑦ 従来の「NISA」を現在すでに利用中です。「つみたてNISA」に移行したほうがいいですか?
- 「現在すでに「NISA」で投資しているのであればまずはその利用を続け、「NISA」が終了してから「つみたてNISA」を始めるという形でもいい」
- 疑問⑧ 貯金ゼロですが、「つみたてNISA」をやってみたい!毎月1000円など、少額で練習がてら始めてもよいでしょうか?
- 「絶対にダメ」「すべての投資は、現預金をしっかり確保した状態で始めることが重要」(筆者注記:いわゆる生活防衛資金の確保ですね)
シンNISAになっても答えはさして変わらない。
上記の中で、特に大事なのが⑧。
- 今の自分はどれくらいリスクを取れる人なのか?
これを正しく診断できれば、来たるべきマーケットのクラッシュにも耐えることができ、資産運用の成功率はググンとアップするに違いません。私は、走りながら考えるを推奨してますが、その前提が「投資開始時点での無リスク資産」、つまり貯金。貯金がゼロだと、つみたて始めたとたんにいきなりリスク資産比率100%になってしまいます。
この記事は、かれこれ5年前、2018年10月16日公開の記事ですが、シンNISAになってもこれらの疑問に対する基本的な答えは変わりません。ポイントは、成長投資枠の使い方かな。つみたて投資枠と同じ商品を同じように積み立てれば、考え方は同じになります。
違うのは、疑問⑦の表現くらい? ⑦の疑問はさしずめ「従来の「NISA」を現在すでに利用中です。「新NISA」に移行したほうがいいですか?」となります。で答えは、現行NISAはシンNISAとの併用が可能なので、基本はそのままでオーケーです。
冒頭記事の疑問は、永遠のテーマですね。
コメント
いつも参考にさせていただいております。
有り体に言って時価総額加重平均で広く分散され、超低コストのオールカントリーに時期を考えずに投資すれば良いのは納得なのですが、(一括かドルコストかは桃栗3年柿8年ポートフォリオは10年で腹は決まりました。)
しかしどうしても現在の円安が心配になってしまい定期定額の投資に踏み切れません。
為替もランダムウォークなのは分かるのですがアンカリング効果なのか過去の水準を見ると怖くなってしまいます。
どのような心持ちで投資を始め続けていけば良いのでしょうか?
お時間の許す時にアドバイスいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
投稿: kit | 2023年10月25日 (水) 09時24分
>kit 様
コメントありがとうございます。
>過去の水準を見ると怖く
これは相場ですよね。相場ではなく自分自身をチェックするというのが私の考えです。
(1)自分が取っているリスクが自分が決めた水準より高くなっていないか?
(2)取れるリスクを高く見積もりすぎていないか?
リスク資産比率で定量的にチェックするというのがポイントと愚考いたします。
投稿: NightWalker | 2023年10月25日 (水) 11時21分
個人的には⑧だけは違う意見です。
今貯金が無い人は将来も貯金は貯まらないので1000円でも良いから今すぐ始めるべきと思います。
投稿: 花とおじさん | 2023年10月25日 (水) 18時41分
私も⑧については違う意見です。
投資をやれば節約意識が高まりやすいので、1000円でいいので投資は始めた方が良いと思います。
そもそも貯金は1000円では全く足りないので、1000円くらい投資に回しても貯金の大勢に影響はないでしょう。
あと、投資はやってみて勉強するところもあるので、貯金が貯まってからの投資では勉強時間のロスがもったいないとも思います。
一般的なアドバイスはNightWalkerさんが仰るとおり、投資は生活防衛資金を貯めてからなんでしょうけど。
投稿: AKI | 2023年10月25日 (水) 21時26分
>花とおじさん様 AKI様
コメントありがとうございます。
貯金ゼロの理由ですよね。
収支がプラマイゼロの人は、まずそこの改善から。
これから一念発起、収支を改善しようという人が、たとえば月1000円投資、月1000円貯金、というのであれば私も賛成します。
投稿: NightWalker | 2023年10月25日 (水) 21時40分
NightWalker様
ご著書からは多くのことを学ばせていただきました。
今回のご回答も著書の内容と重なる部分があったように記憶しています。
リスクの取り過ぎ、怖がり過ぎどちらも良くないですよね。
考え過ぎずにはじめの一歩を踏み出し、行動(投資)しながら改善していきたいと思います。
ありがとうございました。
投稿: kit | 2023年10月30日 (月) 00時00分
>kit様
参考になれば幸いです。
>著書の内容と重なる部分
同じことばっかり言い続けてます(笑)。
投稿: NightWalker | 2023年10月30日 (月) 02時52分