隔月分配型ファンド、新規設定が急増
日経、投信観測所、QUICK資産運用研究所 西本ゆきさん、西田玲子さんによるナイスな記事。
はじめに
タイトル通り、隔月分配型のファンドが増えているそうです。
推定理由は、
”新しいNISAでは毎月分配型が対象からごっそり除外 (中略) 隔月分配型なら「分配頻度が毎月でないこと」という要件を満たし、新しいNISAの対象に (中略) 法令上の規制にはひっかからない。”
なので、「隔月型にシフトしちゃえー、しめしめ」というわけです。
「投資を楽しみたい」ではなく、単に「長期的な資産形成したい」というマジョリティには、
- 低コストで分配のない全世界株式クラスのインデックスファンドを適切な量だけ買って気長にホールド。
- 投資を楽しむ必要はないが、嫌う必要もないと言う距離感。
が正解だと思うんですけど、これだと不都合な人がいるわけです。ひとつは庶民が投資することで儲けたいと考えている人々。もうひとつは日本にお金持ちになって欲しくない人々。やっかいなのは、平気でルールを変えてくる後者の方々ですが、これはまた別のお話。
閑話休題。この問題の背景には、「定期的に分配金を受け取りたい投資家のニーズ」があります。これは、別に悪いことではありません。貯まった資産を使うってそういうことだし、今まさに私はそのフェーズの第1段階にいます。
問題は、そのある意味切実な願いを叶える商品にろくなのがないこと。問題は3つあります。
(1)定額取り崩しは合理的ではない。
(2)コストが高いモノが多い。
(3)余計なモノが混ざっていたり、逆に分散不十分だったりする。
「定期的に分配金を受け取りたい投資家のニーズ」自体は悪いことではない
ということは、この問題をクリアした商品であれば、毎月分配だってよかったわけです。たとえば、
(改良1)定額取り崩しではなく、定率取り崩し
(改良2)コストは、オルカン級
(改良3)全世界に時価総額分散
こんな商品作るガッツのある運用会社はないですよね。それにこんな商品が仮にあっても、取り崩し世代のニーズを完全にカバーできるわけではありません。例えば私は取り崩しを次の4フェーズで考えています。
(フェーズ1) 無リスク資産取り崩し(早期リタイア期)
(フェーズ2) 定率取り崩し(前期高齢者期)
(フェーズ3) 定口取り崩し(後期高齢者期 その1)
(フェーズ4) 無リスク資産取り崩し(後期高齢者期 その2)
この商品が仮にあったとしてもフェーズ2だけでしか使えません。つまり、これは、サービス・レイヤーで実現するべき質の課題なのです。ただ、これもそういうモチベーションを持っている証券会社は少ないようです。儲からないからあたりまえではあります。
コメント
記事を読んで取り崩し型のインデックスファンドはあってもいいと思いました。
定額取り崩しと定率取り崩しの2パターン設定すればいいわけです。
積み立てる時は定額なのに、取り崩すときは定額は駄目、というのは理屈が立たないでしょう。
セゾンのグロバラのようなファンドで、中野さんがこういうのをやれば面白いことになるかもしれません。
投稿: AKI | 2023年10月 8日 (日) 14時20分
>AKI様
コメントありがとうございます。
>取り崩し型のインデックスファンドはあってもいい
カンチュンドさんの最近の記事をご参考まで。
https://toshin-clinic.com/blog/20230930-20682/
中野さんはどうなんでしょ。今後の活動を見守りたいと思います。
投稿: NightWalker | 2023年10月 8日 (日) 15時06分