シニア世代の運用 私の考える鉄則を二つほど
はじめに
リスクを取って運用できるお金を把握することが重要と指摘しています。強く同意。
ただし!
「成長投資枠で何を買うか」以降は要注意。
- 配当利回り4%の高配当株を成長投資枠で1200万円分買う
- 米国の債券ETFを成長投資枠で買う
この辺は、個人的には、無視。
- 資産寿命を延ばすには何に投資するかより、取り崩し方が重要になる
概ね同意ですが、何に投資するかも重要です。シニアも(現役世代も)、よく分散されコストが低い投信を適量買うのが王道です。現役時代にそれができていればそのままシフトなのでそれでオーケーではあります。
- バランス型投信などを買って
これも同じ理由で、微妙に同意できません。
では、シニア世代の運用の鉄則をまさにシニアの私がどう考えているのかが、今回のお題。それは以下の二つです。
その1 リスクはリスク資産の保有量で制御する
高齢者になっても買う商品は同じで、効率よく世界分散ができるオルカンでオーケー。保有量でリスクを調整すればそれで充分です。わざわざ、高齢者向けと称される商品、例えば、債券やその他の成分が含まれているバランスファンドを買う必要はありません。
高齢者向け金融商品なんてない!のです。(ちなみに同じ理由で初心者向け金融商品というのもない)
王道とされる債券の組込みをオススメしないのは、現在は、債券のシャープレシオ(リスクに対するリターン)が低いだろうと考えているからです。日本債券は単純に金利が低いから。外国債券は、為替リスクの分、不利だから。外国金利>国内金利の状況では、為替ヘッジコストが足を引っ張り、為替ヘッジ戦略も取れないのが、現在の状況です。
その2 基本は自分で取り崩す
シニアになったらインカムゲインが重要という助言がこの記事にも出てくるのですが、
(1)分配金が出ないファンドを保有し、自分でn%取り崩す
(2)n%分配するファンドを保有する
投資先、保有コスト、課税条件※が同じであれば、両者は等価です。これを理解した上で、インカムゲインに着眼した投信やETFを活用するならいざ知らず、多くは安易なソリューションとして提案されているのでは?と言う気がすごくします。(2)は、太字にしたところの条件に疑義のあるケース、たとえば、
- 納得のいかない投資先(代表例:現時点での日本債券)がさりげなく混じっていたりする。
- 保有コストの高いファンドが散見される。
などのトラップがあるので要注意なのです。
※課税について:すべてNISA口座内での運用なら非課税になるので自動的に同じ
「どっちがシニアにとってやさしいのか?」 よく考えた上で、行動されることをオススメいたします。
個人的には、「オルカンを適量保有する」「適量を取り崩し続ける(=年齢に応じた適切なリスクを維持する)」。以上終了です。
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以上は、当然ですが私の考え。投資は自己責任。あくまで、ご参考です。
コメント
グロソブ(グローバル・ソブリン・オープン)毎月決算型は分配型投信で有名でした。
グロソブの純資産残高
2008年:約5兆7000億円
2023年:約2800億円
現在の信託報酬は年率1.375%です。(日本国債の利回りより大きい!)
銀行の預金を取り崩したほうがましです。
配当や分配金に注目しすぎるのは危険です。(元本が減っている)
東京電力の株式は、東日本大震災によって株価は暴落し無配当になりました。
投稿: tama | 2023年10月 3日 (火) 02時21分
>tama様
コメントありがとうございます。
>分配金に注目しすぎるのは危険
ですね。取り崩し=元本を減らすこと、ではあるんですけど、意図しない余計なコストや意図しない金額で減らすのは、いささか不合理と考えます。
投稿: NightWalker | 2023年10月 3日 (火) 10時39分
>>高齢者向け金融商品なんてない!のです。(ちなみに同じ理由で初心者向け金融商品というのもない)
名言ですね。
良いフレーズなので、覚えておきます。
投稿: tsurezure | 2023年10月 4日 (水) 08時31分
>tsurezure 様
コメントありがとうございます。金融商品に限らず、「○○用」と銘打たれたモノは要注意かもしれません。
投稿: NightWalker | 2023年10月 4日 (水) 11時04分