老後の資産活用でも分配型投信を使うべきではない3つの理由
日経、人生100年こわくない、野尻哲史さん。
はじめに
超要約すると、
(1)どうせ老後の取り崩しはタコ足分配なんだから、分配型投信を使っても良い。
(2)毎月分配型は新NISAでは使えないが、隔月型なら使える。
(3)ただし、分配型投信は定額取り崩しで非効率的な運用になる。定率になるように調整しながら取り崩すべし。
う、うわーー、なんだこりゃ。このシリーズのコメント欄常連の竹川さん、田村さんに突っ込んで欲しいわ。というか、コメントがないことが、すべてを語っているのかしら(^^;)。
老後の資産活用でも分配型投信を使うべきではない3つの理由
私は、老後の資産運用といえど毎月ではないにせよ分配型投信を使うべきではないと考えています。その理由を3つほどあげておきます。
その1 こんなオペレーションめんどくさい
記事を読んでいただくとわかるのですが、定額、定率の説明文、ひとこと「長い」。というか、めんどくさい。酸いも甘いもかみ分けた大人世代であれば、長く理屈っぽい説明にはまやかしがあると感じる方もいらっしゃるでしょう。
定率取り崩しするなら、オルカンだけを保有し、年末の評価額×率(たとえば4%)の金額だけ年初に取り崩す。以上終了。これでも難しく感じる人も多いはずですが、そういった人々の心に甘く忍び寄るのが、分配型投信などの高齢者向けと称する商品であると言えましょう。
その2 分配型投信は往々にしてコスト高
私が毎月分配型を問題視していたのは、タコ足分配よりむしろ高コストです。毎月分配されるという高齢者にとっては一見気持ちのいい効果の裏で「ちゅうちゅう利益を吸い取るの図」が脳内に浮かびます。最近では、たとえば円奏会。債券比率がやたら多くリスクが低いので高齢者にも売れる、でも、リスクが低い分、期待リターンは小さい。それどころか、債券は現在マイナスリターンとも言える状況。とどめに、期待リターンが低い割にコストが高い。詰んでます。
その3 成長投資枠はつみたて投資枠と同じ商品を使うべきである。
新NISAは、利益が出たら節税成功=勝ちの勝負。長期投資の法則から慮るに、60代、特にその前半の場合は、できうる限り早く生涯投資枠を使いたいところ。年360万の拠出枠をフルに使うべく、つみたて投資枠と成長投資枠の併用は必須です。
一方で高齢者の資産運用の最重要ポイントが、シンプル化。自身の介護リスクを考慮し、運用の引き継ぎを考えても、単純なのが一番。
そもそも、成長投資枠でしか変えないファンドに投資するに値するものがないというのもありますが、枠の利用+シンプル化の観点だけでも、成長投資枠はつみたて投資枠と同じ商品を使うべきでしょう。オルカン+個人向け債券で充分というのが、私の解です。
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以上、60代になっても分配型投資信託をうまく使わなくていい件。でした。
いやー、それにしてもびっくり。忖度とは何か、図らずも考えさせられる今日この頃でした。
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