インデックスファンドの総経費率が白日の下にさらされる時代になるけど、総経費率に含まれない費用もある件。
日経、投信観測所。QUICK資産運用研究所 高瀬浩さんの記事。良記事です!
はじめに
こういう良記事が、有料会員のみになっていないところも好感が持てます。
”ファンドの「総経費率」に対する注目度が高まりつつある。総経費率とは実際の運用でかかったコストのことで、運用管理費用である「信託報酬」と「その他費用」の大きく2つに区分される。
来年の春から、運用報告書を作成・交付しているすべてのファンドの目論見書に、直近発行の運用報告書に記載された総経費率が明記される。”
この20年くらい、投信ブロガーや一部の投信購入者が自ら運用報告書をちまちま調べ、時に「隠れコスト」と揶揄してきた「その他費用」を含む総コスト(総経費率)が、いよいよ白日の下にさらされる時が近付いています。いやー、溜飲が下がりますね〜。
が、しかし、記事では、もうひとつ重大な事実を淡々と指摘しています。それは、「総経費率に含まれない費用もある」ことです。
・・・なんだよ、「総」って書いといて、全部じゃないのかよっ。記事ではいくつかの注意点を指摘しています。
- 組み入れ銘柄の売買時に発生する売買委託手数料などは含まない。(ファンド運用上、売買手数料を切り分けられないケースがある)
- 総経費率は同じファンドでも運用時期により変わりうる性格の数値
- 総経費率を比較する際には「注記」に注意。
最後のはすごいです。
”投資先ファンドの費用が目論見書記載の実質信託報酬には含まれているのに対し、総経費率には含まずに追加費用として注記しているケースが散見される。”
何ですかそれ、失意体前屈です。こういう記載方法は投信協会が取り締まって欲しい。
パフォーマンス比較しないと優劣がわからない時代
さてさて、当ブログでは、数年前、全世界株式インデックスファンドの比較シリーズを始めたときから、コスト比較ではなくパフォーマンス比較に主眼を置くようになりました。
信託報酬率が極限まで下がった今、コスト以外の要因=実運用の影響(よく見えないコストもその一部)が相対的に大きくなってしまったのです。しかし、実際にこの視点で異なるファンドを比較するのは現実的ではありません。
- そもそも、運用報告書を読み解くのは大変。
- というか、運用報告の期間がファンドごとにまちまちであるため、正しく比較できない
かくして、コスト比較ではなくパフォーマンス比較を私は重視することにしたのでした。
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