オールカントリーは永久不滅な解なのか?
トウシル、山崎元さん。
はじめに
「ヤマザキの分離定理」がどういったものなのかについては(ちなみに本記事は、2017年2月21日に初回公開)、記事を読んでいただくとして、私としてのポイントを抽出すると、
- どんな立場であっても持つべきリスク資産のポートフォリオは一緒で「リスク当たりの期待リターンが最も良い組み合わせ」である。
- これを全資産の中で無リスク資産と組み合わせることで、立場の違いによるリスクをコントロールすれば良い。
となります。
では、「リスク当たりの期待リターンが最も良い組み合わせ」=「リスク資産の最適な組み合わせ」 は、なんなのよ?というところで議論が分かれます。先生のこの記事では、外国株式:日本株式=6:4。いまどきのインデックス投資家としては、もちろんオールカントリーです。
- もしも市場が効率的(すべての証券の価格が入手可能なすべての情報を反映している状態)であるならば、「リスク当たりの期待リターンが最も良い組み合わせ」とは「市場ポートフォリオ」だ!
という例の理論にすがってみたい。
まずいのは、結果論でしかわからない「最も効率的なポートフォリオ」を追い求め(状況を見ながら、米国株式を増やしたり減らしたりというのはまさにそれです)、予想をはずし続ける、あるいは長期的には下回る、と言う結果です。この手法で長期的にプラスになる人は、ごく稀です。だったら、じっと、市場ポートフォリオを持ち続けましょう、と。
オールカントリーは永久不滅な解なのか?
これが、オールカントリーが私の究極解になっている理由ですが、これって、永久不滅にそうなの?というとそうではありません。たとえば、
(1)MSCI ACWIで市場をカバーしきれなくなる事態
たとえば、プライベートエクイティ(未公開株式)の存在感が増し、プロしかアクセスできない市場が大きくなってしまうようなケース。
(2)世界の資本主義がうまく機能しなくなる事態
何らかの理由で、株式市場が極端に非効率的になってしまった場合です。(1)と似てますが、非上場の国有企業だらけになってしまうとか。極端なのは、ヒャッハーな世界です。
こういったケースでは、アウトです。
とは言え、これを恐れていては何も始まりません。最悪なのは、リスクを取らないリスクの罠にはまることです。リスクなくしてリターンなし。これは、お金の話だけではなく、人生の選択も同じですよね。
コメント
全世界の時価総額比株式という概念はイメージですけどあと100年あるいはそれ以上は大丈夫ではないでしょうか?ただその間にモルスタがコケてしまう事はあるかもしれません。そうしたら混乱するでしょうけど、まあ何とかなるだろうと思ってます。
投稿: ワッショイ | 2023年8月10日 (木) 03時47分
>ワッショイ様
コメントありがとうございます。
>まあ何とかなるだろう
そう思います。全人類がお金に困らなくなるまでは続くかなと。
投稿: NightWalker | 2023年8月11日 (金) 13時40分