平成バブルの頃の日経平均と今のそれを見比べてみる
最近よく見かけるパワーワードのひとつが、「バブル崩壊後、最高値」。
はじめに
手始めに、今の日経平均32000円って、バブル期と何が違うのか? 同程度の株価水準だった頃のバブル前後と今をちょっと見比べてみます。観点はリターン。
項目 | 2023/6 |
バブル崩壊前 | バブル最高値 | バブル崩壊後 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
1989/2 | 1989/12 | 1990/6 | |||
始値 | 31,927.38 | 31,360.68 | 37,132.68 | 32,891.12 | - |
高値 | 32,304.04 | 32,452.49 | 38,915.87 | 33,192.50 | |
安値 | 31,898.75 | 31,360.68 | 37,132.68 | 31,124.19 | |
終値 | 32,265.17 | 31,985.60 | 38,915.87 | 31,940.24 | |
1年 | 22.25% | 26.71% | 29.04% | -3.06% | 10.72% |
5年 | 7.66% | 26.10% | 27.52% | 19.84% | 7.81% |
10年 | 8.96% | 18.07% | 19.47% | 16.61% | 7.04% |
15年 | 5.99% | 13.99% | 16.74% | 13.90% | 6.24% |
20年 | 6.54% | 15.61% | 15.05% | 14.48% | 6.18% |
25年 | 2.89% | 13.82% | 14.87% | 14.59% | 6.01% |
30年 | 1.68% | 13.47% | 13.49% | 11.92% | 6.08% |
パーセンテージは、すべて年次換算のリターンです。”平均”はm日経平均が1950年に始まってから今日に至るまでの単純平均。
- バブルの頃は、5年以上の年換算リターンが、平均よりもはるかに大きい。
- 特に5年のリターンは平均の3倍以上あり、急速に増大したことがわかる。
- 今は、年次を除いて、まあ平均並み。
などが見て取れます。同じ日経平均32000円くらいと言っても、ちょっと違うんですね。
リバランス発動条件のスイートスポット
現在の日本株価がそれほどすごいものではない、と言うご意見はいろいろあります。たとえば、
- 今のPER、PBRは異常値ではない。
バブルの頃は、PER60倍超とあり得ない水準だった。 - 今の株価をドルベースで見ると、実は、直近の最高値を上回ってない。
(EWJの直近5年の推移↓)
などですが、私のスタイルだと、上記のような分析は判断条件に入ってないんですよね。意思決定として関心があるのは、
リバランスするかしないか、それが問題だ。
これすなわち、カウチポテトポートフォリオの崩れっぷりであり、リスク資産比率の変化です。これは、直近のリターンが大きく影響します。
で、みる限り、今は、何が何でもリバランスしたくなるような水準ではありませんでした。
今回、バブル期のリターン見るにつけても、年次でちまちまリバランスするのではなく、なんぼなんでも行き過ぎだろう、というあたりに、リバランス発動条件のスイートスポットがあるのかな? この設定はむずかししく、私は安全サイドに倒してます。GPIFもやっているリバランスのレンジにある程度幅を持たせるやり方って言うのは、やはり効果的、そして奥が深いんだなと、あらためて思う今日この頃であります。
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