経済的自立できても早期リタイアをためらう理由を考えてみる。
たぱぞうの米国株投資さん。面白いテーマなのでちょっと便乗させてもらっちゃいます。
億り人になってもFIREを躊躇う人
「30代の内に資産3億円に到達 したけど、早期リタイアに踏み切れない」という相談者。
- 3億円あっても不安、運用でリスクを取るのも不安
- リタイア後にやりたいことが不明瞭
- 職場も改善され、仕事を捨てるのが惜しい。
- サラリーマンという属性を失うことへの恐怖がある。(子供への悪影響など)
しかし、
”一度しかない人生でこのまま意味もなく働くのはもったいないと日々感じている”
どうしたらいいでしょうというご相談です。たぱぞうさんの回答やいかに・・・? それは、ぜひ記事をお読み下さい(^^)。
てなわけで、今回は、「経済的自立早期リタイアをためらう理由」について、私の考えを整理してみようというのがお題です。
その1 経済的自立はできても、自由になれていないから
そもそも3億円程度で満足してはいけないのです(笑)。
言うなれば、”「経済的自立(経済的自由)」は達成したが、「自由」にはなれていなかった”という状態。自分の心が「自由」になれる金額は、そんなものではない、と。
人間の欲望は際限なく襲ってきます。「不安」というのも、実はそれとの戦いではないのか? そんな気も致します。
その2 会社を辞めると、人間としての高位の欲求を失ってしまうから
マズローの欲求5段階説。というのがあります。人間は「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5つの階層を持っていて、下から順番に達成していくことで満足が得られる。会社を辞めると 、このうちの「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」 をいきなり失います。
「リタイアしても何をやって良いかわからない」というのが、ここ。逆に早期リタイアを選ぶ人は、会社を辞めることによって、これらの欲求を失うどころか得られる。あるいは、子育て終了などで、失うものはない、という人に向いた選択でしょう。
人間には、高位の欲求を満たすべく広い意味での「資産」が、お金以外にも必要、という意味でもあります。
個人的に今ハマってる水星の魔女の名セリフ「逃げたらひとつ、進めばふたつ」。
「進めばふたつ」と思えないのであれば、安全サイドの人生を歩む方が、はるかに幸せですし、心が満たされます。3億円は、早期リタイア以外のことに使えばいいのです。
コメント
はじめまして。
Nightwalkerさんのファンで、数年間拝読しています。
この案件、Nightwalkerさんなら「他人に相談する時点で
向いていないからやめておけ」と感じるのではないかな?と
思いつつ読んでいました。
自分の人生なのに「肩を押されたい」「止めてもらいたい」と
相談するのは、自立には早い気がします(苦笑)
投稿: 葉桜 | 2023年5月28日 (日) 07時40分
他人の目で選んだものが欲しくなるのですね。こうしたためらいは、「欲望の世界には明確な階層はなく、欲望に値するものを示してくれるモデルを人々はこっそり精巧に真似る」とするジラールの説明の方がマズローより上手く説明できるような気がします。
投稿: | 2023年5月28日 (日) 09時15分
>葉桜様
コメント&ご購読ありがとうございます。
>「他人に相談する時点で向いていないからやめておけ」
まさにそれです(^^;)。ただ、もう少し寄り添った言い方もあるのかなと研究中。 今回で言うと「3億円は、早期リタイア以外のことに使えばいい」のところのつもりです。
投稿: NightWalker | 2023年5月28日 (日) 10時39分
> ?様
コメントありがとうございます。
「欲望の三角形」、ジラールは存じませんでした。ご教授ありがとうございます。
対象そのものが欲しいというより、人のマネ。良いロールモデル、3億円を早期リタイア以外の目的に使ううらやましい人の存在が必要と言うことなんですね。
投稿: NightWalker | 2023年5月28日 (日) 10時54分