信託報酬率が年0.05775%のインデックスファンド、「Tracers 全世界株式」が4月26日設定!
すでに各所で話題になってます。代表して?ウェルスアドバイザーさんの記事。
はじめに
”日興アセットマネジメントは信託報酬率が年0.05775%(税込み)のインデックスファンド「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」を新規設定する。4月10日に有価証券届出書が提出・情報開示され明らかになった。設定日は4月26日で、当初の販売会社はSBI証券になっている。”
シンNISA決戦前夜と言うことなのか、にわかにインデックスファンドのコスト競争が盛り上がっています。
先日の比較をいきなり塗り替えました。
資産クラス | Tracers | たわら ノーロード | eMAXIS Slim | |
---|---|---|---|---|
信託報酬率 | 実質的な信託報酬率※1 | |||
全世界株式 | 0.05775% | 0.1133% | 0.1133% | 0.11325% |
※1 2023年3月29日現在の純資産総額に応じた実質的な信託報酬率
いきなり国内の現トップランナーの半分のコストで登場。世界のトップランナーVTの経費率0.07%すら下回ります。
Tracersシリーズって、ひと味違う戦略的なファンドが並んでいます。どういう経緯で本ファンドが設定されたのか。興味の湧くところですね。
その1 実質コストを見る必要がありそう。
本ニュースが流れるや、界隈は大騒ぎ。そんな中、やはり誰しも思うのが「コストが安すぎる。上手い話には気をつけろ」です。他社が信託報酬率に含めているコスト(ライセンスフィー※など)をその他コストに押し出しているのではないか?という話も聞こえます。
※過去に東証さんでのイベントでお話を伺った際には、MSCIは、数ベーシス(1ベーシスは、0.01%)のフィーをパッシブファンドからもらっているという話でした(アクティブファンドはもらってない)。この影響はけっこう大きい。
運用報告書が出て来るまで実力のほどはわかりません。ひさびさに実質コストチェックの出番・・・になるのか? まずは、パフォーマンスを比較すれば、この辺り、あぶり出されるだろうと思ってます。
その2 オルカンはどうするのか?
上記のような懸念も含めて、三菱UFJ国際投信さんがどう判断するかが、注目。
三菱UFJ国際投信さんが信託報酬率をこのスペックに下げれば、当然その分の収益は激減します。一方、他社は純資産総額が小さいので、多少ド派手に信託報酬率を下げても、絶対額としての収益インパクトは小さいわけです。業界最低コスト宣言を逆手に取った攻撃にもなっちゃうんですよねー。かといって、完全スルーすると「業界最低コスト水準って何よ、うそつきー」という話になるわけで。
いや、日興さんがそんなことを考えているわけではないとは思うんですけどね(笑)。
いずれにしても、限界までコストが下がったインデックスファンドは、スペックよりも運用結果が重要。毎月やってる、全世界株式インデックスファンドのパフォーマンス比較がちょっと楽しみになってきました。
<追記>
こんな報道が、、、。
まさかの完全スルー? 運用しているからこそ知り得る情報(たとえば具体的なライセンスフィーのレート)で負けてないと判断できているのか、Tracersにパフォーマンスで負けたら、それから考えるってことなのか。
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コメント
少なくとも同じ土俵に乗っていないものの優劣を現時点でどこう言うことはできませんね。個人的には、意図的にしろそうでないにしろ信託報酬が安く見えるようにしているというのは気に入りませんが。
投稿: 葉月 | 2023年4月12日 (水) 08時26分
>葉月様
コメントありがとうございます。
>同じ土俵に乗っていないものの優劣を現時点でどこう言うことはできません
はい。まずはお手並み拝見です。年次リターンがわかるようになれば、一発でわかります。
>信託報酬が安く見えるようにしている
久々に実質コストのチェックをしたくなるファンドが登場しました。ブロガーにネタ提供してくれたんだろうか、と思うような仕様ですw
投稿: NightWalker | 2023年4月12日 (水) 09時26分