新しいNISAでは、一般NISAだけでなく、ついでに、つみたてNISAの対象ファンドも絞るべきだったかも、と今になって思う件。
はじめに
”(つみたてNISAの対象ファンドは、)アクティブファンドなどを含む「指定インデックス投信以外の投資信託」についての条件が厳しく、なかなか採用銘柄の拡充が進んでいない。新しいNISA制度の利用を促進する上で、この「指定インデックス投信以外の投資信託」の拡充が期待される。”
いや、まったく期待してませんから!
と思わず突っ込んでしまったインデックス投資家の私です(笑)。
最近のモーニングスターさん、SBI色が強くなったというか、さらっと毒を混ぜて来ますよね〜。まあ、いいんですけどね。金融機関のアドバイスと同様、読む側がフィルターをかければ良いことです。バイヤーズガイドとしてのモーニングスターさんは、データと朝倉さんのメッセージだけに期待することにします。中立の精神は、イボットソンに期待します。
新しいNISAでは、つみたてNISAの対象ファンドも絞るべきだったかも
新しいNISA、とってもすばらしかったんですけど、いくつか今後の課題もあります。そのひとつが、
つみたてNISAの対象ファンドも絞るべきだったかも
ということ。
一般NISAの後継である「成長投資枠」は、投信の4割程度になると言われています。こっちは厳しくいきましたけど、つみたてNISA対象ファンドもセットでアップデートすべきだったかも。
金融庁さんの2023年2月3日付の最新情報によると、
- 【指定インデックス投資信託:187本】
- 【指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等):26本】
- 【上場株式投資信託(ETF):7本】
合計、220本。個人的な感覚で恐縮ですが、多過ぎです。
冒頭のモーニングスターさんの記事は「指定インデックス投信以外の投資信託」の話ですが、私としては「指定インデックス投資信託」にも大いに不満があります。
たとえば、以下のようなスクリーニングをして欲しい。
- 信託報酬率のスレッショルドを、0.3%税込にする。(ほんとは0.2%と言いたいところだが少しやさしくしましたw)
- 1社1指数1インデックスファンドにする(前から言ってる一物多価対策)
- バランスファンドは外す。(きりがないので、成長投資枠でも良いのでは?)
買っちゃった分は、つみたて投資枠で保有はできるが、売ったら終了もう買えない、としちゃうわけです。
少々乱暴な案ではありますが、ふとそう思う今日この頃でした。
以上、買う人が考えればいい話、と言ってしまえばそれまでのお話でした。
コメント
私は全く正反対の考え方ですねぇ。
・信託報酬は0.5%税抜以下
・1社1指数複数インデックスファンドOK。販売会社が選択できるようにする。
・バランスファンドOK
運用会社、販売会社、投資家の誰もがwin-win-winになれる環境がベストだと思います。
信託報酬は0.2%税込だと、投資家以外はloseになります。
純資産が1000億円あるファンドでも信託報酬0.2%税込だと、年間売上は2億円しかありません。(しかもそのうち0.2億円は消費税)
たったの1.8億円を運用会社、販売会社、信託銀行で分け合うんですから、これでビジネスをするのは無理というものです。
投稿: AKI | 2023年2月 7日 (火) 20時59分
>AKI様
コメントありがとうございます。
儲からないファンドが償還もままならずムリにつみたてNISAワクに残っているより、成長投資枠へ移すパスを作ってあげる方がよいのでは? と思ったということもあります。成長投資枠は割と自由ですし、減るとは言え生涯投資枠は1200万円もあります。
投稿: NightWalker | 2023年2月 7日 (火) 22時53分
投資リテラシー、ネットリテラシーの不足する人が銀行、ゆうちょ、対面証券窓口で粗悪な商品を買わされる。
主に、持てる高齢者層だ。
絶滅危惧種の販売会社や一物多価の投信会社の食い扶持も保証してやってこそ、全体のインフラコストを賄える。
口座管理料無料の中、超ローコストのインデックスだけに限定すれば、システム屋に払うコストも賄えなず撤退組が相次ぎ新制度のインフラを維持できなくなるおそれがある。
Z世代が主流になればSBIなどネット系の勝者総取りの未来しかないにしても、今すぐ絶滅危惧種を絶滅させられない事情が金融庁側にもある。
高齢者など持てるものが粗悪品を買ってインフラコストを負担し、資産の少ない若者がネットでeMAXIS Slimを買うことで世代間の不公平をバランスさせるという考え方もできる。
金融庁はそんな事も考えているんだろう。
投稿: | 2023年2月 7日 (火) 23時08分
>? 様
コメントありがとうございます。
>食い扶持も保証、絶滅危惧種を絶滅させられない事情
護送船団方式という言葉を20年ぶりに思い出しました(笑)。
>高齢者など持てるものが粗悪品を買って
持てるものが与える道筋は、もう少しましな方法であって欲しいです。
投稿: NightWalker | 2023年2月 8日 (水) 00時34分
>儲からないファンドが償還もままならずムリにつみたてNISAワクに残っているより、成長投資枠へ移すパスを作ってあげる方がよいのでは?
これは個人投資家が気にする必要はないでしょう。
経営判断として企業が決めればいい話です。
私は積立をしていたインドネシア株式のインデックスファンドが繰上償還になったという経験もしています。
それよりも私は「成長投資枠」の条件が緩すぎることが問題だと思います。
4割も残るなんて多すぎです。
何より信託報酬の制限をかけていないのが致命的です。
つみたて枠の0.5%とか0.3%とかは誤差の範囲であり、成長枠の1.5%超のファンドをなんとかするべきでしょう。
銀行などの対面窓口は、つみたて枠ではなく成長枠に顧客を誘導するのが目に見えています。
投稿: AKI | 2023年2月 8日 (水) 21時39分
>AKI様
>「成長投資枠」の条件が緩すぎる
たしかに。
実は制度が決まるまでの私のホンネは、「成長投資枠は不要、株式も含めて多少制限を緩めたつみたてNISA対象ファンドに統合する」「その代わりにどんと非課税額を増やして恒久化する」というちょっと過激なものでした。
ただ、成長投資枠がゆるゆる、かつ、それなりにたっぷりあると言う結果になってしまったので、その分つみたて投資枠を厳しくしてもいいんじゃない、と思った次第。
ゆるゆるの成長投資枠がなければ、制度改革そのものが失速していたかもしれず、結果オーライでしょうか。必要ならヘンテコな商品や販売で「何かやらかした」ときに締めればいいんじゃないの、とも思っています。そのうちきっと何かやるに違いない(笑)。
投稿: NightWalker | 2023年2月 9日 (木) 23時56分
>ゆるゆるの成長投資枠がなければ、制度改革そのものが失速していたかもしれず
全てはこれに集約されるんでしょうね。
仰る通りそのうち「何かやらかした」事態が発生して改善されるんでしょうが、被害にあった方の資産が回復するわけではないので、なんだかなぁという気持ちにはなります。
投稿: AKI | 2023年2月11日 (土) 07時59分