特定口座の証券を新NISAに移し替えるか否か?重要なパラメータは2つ。
すばらしい制度になった新しいNISA。文句なく全力で使え!と言いたいところですが、悩ましいのがすでに保有している特定口座のファンドをどうするか?
これを考える上で重要なパラメータが二つ
その1 新NISAに預け替え後の利益率
新しいNISAに預け替えたあと、利益がプラスになれば、預け替えた方がおトクです。
利益が出ている特定口座の証券をいったん売ると譲渡益税分目減りし、損をした気分になります。しかし、その資産を現金化して使うのであればいずれ支払う運命にある税金です。今払うか、将来払うか。預け替え後、その資産が値上がりすれば、その分は非課税になるので今払った方がおトクになります。
その2 将来の税率
現在の譲渡益課税率は、20%※。
これが将来、例えば30%になるかもしれません。これは増税。
一方、それとセットで、譲渡益課税が総合課税化されると、その時の所得で税率が変わります。この場合は、人によっては減税になります。例えば、金融所得を合わせた所得が3,299,000円までのゾーンであれば、税率10%から97,500円を控除した額※になります。
※実際はこれに+復興特別所得税が加算されます。
税金が高くなれば、新NISAに預け替えたときのおトク度が高い。税金が安いうちにとっとと売ってしまおうと。しかし、逆に総合課税となって税率20%以下になる所得層になれば、特定口座のまま将来取り崩した方がおトク。
雑談
明日はどっちだ? うーん、悩ましい。
資産形成前半戦の若い方であれば、なんの悩みもありません。普通に新NISAを使えばいいだけです。しかし、ある程度の特定口座の資産を持つベテラン層はどうすべきなのか?
今のところの私の考察は以下の通りです。
- まだ20〜30年くらいの運用を見込める50代くらいまでの人は、もし、新規資金で枠を埋め尽くせないなら、特定口座の証券を新NISAの口座に預け替えた方がよさそう。長期投資は時間の関数。なるべく早いほうが良い。
- 残りの投資期間が短い、60代以上の人は、株が上がるか下がるかのギャンブルの側面が強くなる。特定口座の証券の新NISA預け替えは慎重に行った方が良い。
私は後者なので、
- リバランスでドンとリスク資産を購入するときは当然新NISAを活用。
- 現NISAや利幅の小さい特定口座のファンドも、適時、新NISAへ。
- 利幅の大きい特定口座のファンドのうち、全部取り崩す予定のファンドは、そのまま天寿を全うさせる。
みたいなスローペースの使い方になるのかしら。あるいは腹をくくって特定口座の証券を預け替えるか。
まだ、考察が整理されてません。このテーマは、またアップデートしたいと思います。
コメント
いよいよSTAMシリーズの移し替えになりますかねぇ。
理論的には早くしたほうが良いのでしょうが。
投稿: はーぶ | 2023年1月 9日 (月) 11時05分
>はーぶ 様
コメントありがとうございます。
STAMは取り崩し最優先ファンドだったので、加速する格好でしょうか。
投稿: NightWalker | 2023年1月 9日 (月) 13時33分
いつも楽しく拝見しています。このテーマ、悩ましいですね。私は55歳という微妙な年齢で、65歳までの10年間は働く予定でいます。来年からこれまでのNISAが満期を迎えるので、一旦整理して新NISAに切り替えるかどうか悩んでいます。たわらの先進国なのですが、12月の段階で利益が出ていれば売却して、オルカン(日本除く)に乗り換えようかと思っています。
投稿: 通りすがり | 2023年4月 2日 (日) 10時23分
>通りすがり 様
コメントありがとうございます。
オルカンを買う場合、一般論としては、先進国株式とそれに見合う分の日本株、新興国株もセットで乗り換えるべきってことなんでしょうけど、オルカンの8割以上は先進国株式なので、細かいことは気にしないという考え方もありますね。
投稿: NightWalker | 2023年4月 4日 (火) 00時22分