毎月分配難民のシニアにもし相談されたらどうするだろうか?と言う話。
新しいNISAで明確になったのは、長期投資、資産形成の観点から「ろくでもない」とされる商品が、対象から除外されることです。
はじめに
その代表選手が、かつて投信業界を席巻した「毎月分配型投信」。「コスト高め」の「タコ足分配」で評判はよろしくない。ですが、「毎月お小遣いが欲しい」かと言って「いちいち計算して解約手続きをしたくない」と言うニーズはわかるんですよね。それが、多少、非合理的であったとしても、です。
そういう方が、新しいNISAでこのニーズを満たすには、どういう方法があるかちょっと考えて見ました。いずれも、商品としてはオールカントリーを想定。
案1 投信の定期売却機能を「定額」で使う
これで、毎月分配型を再現できます。なお、取崩額によっては、タコ足配当がどういうものかもついでに実感してしまうことになります。
案2 投信の定期売却機能を「定率」で使う
これで、高配当ファンドの一丁上がり。世界株式会社から分配金をもらうオーナー気分も味わえます(はずです)。この設定できるのが楽天証券くらいというのが難点。
案3 ETFを使う
この方法は、ネット証券がどうしてもアウトな方の場合にオススメ。ETFなら、どこの証券会社でも扱ってますからね。ただし、2559は、年2回分配。給料と言うよりボーナスをもらうイメージですかね。分配金利回りは、直近で1.63%程度。少なく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが株式本来の実力です。
雑談
今回は、オールカントリーを想定しましたが、生涯投資枠の範囲内の運用規模で良ければ、たとえばバランスファンドでもいいわけです。セゾングローバルバランスファンドは、ちょいとコストがお高いので、たとえば、楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)とか。この場合は、期待リターンに合わせて、オールカントリーの場合の半分くらいの取崩額がいいかもしれません。
「毎月分配型」や「高配当型」って、わざわざ商品にパッケージするまでもなく、いまやサービスで実現できるんですよね。しかも無料。保有コストが高くなけなしの利回りを削ってしまう投信をわざわざ使う必要もないのです。証券会社各社さんにおかれましては、「定額」「定率」「定口」の自動解約機能、3点セットを取りそろえて欲しいです。
新しいNISAを使えば、利益が出ている場合でも非課税です。注意点は、取り崩したそばから、どういうわけか非課税枠を埋めるような行動。わざわざ取り崩さず、その埋めるお金を使えば良かったんじゃないの?ってことなんですが、なんだかやってしまいそうな気がします(^^;)。
以上、毎月分配難民のシニアにもし相談されたらどうするだろうか?と言う話でした。
コメント
毎月分配難民のシニアには債券投資がお勧めではないかと思います。
外貨建ての債券であれば表面利回りは高いですし、円安物価高対策になるのでリスク管理としても使えます。
シニア層に求められるのは資産増加ではなく資産防衛なので、株式投資は必ずしも必要ではありません。
惜しむらくはNISAでは債券が対象外になっていること。
債券は株式よりも遥かにマーケットが大きい、スタンダードな資産運用方法であるにも関わらず、NISAから外しているのはおかしいと思うんですよね。
投稿: AKI | 2023年1月 5日 (木) 00時28分
>AKI様
コメントありがとうございます。
外債不要論の是非うんぬん以前に、債券はNISAからはずれちゃってますからねー。どうしようもないです。
投稿: NightWalker | 2023年1月 5日 (木) 00時36分
AKIさん
>>>惜しむらくはNISAでは債券が対象外になっていること。
債券は株式よりも遥かにマーケットが大きい、スタンダードな資産運用方法であるにも関わらず、NISAから外しているのはおかしいと思うんですよね。
私も常々、何故、つみたてNISAに債券ファンドが入っていないのか、疑問だったので、色々な方に意見を聞いたことがあります。
1.つみたてNISAの金額枠に限りがあるので、期待リターンの低い債券は、特定口座で運用すれば良いのではという運用テクニック論や、
2.そもそも、近年は株と債券の相関係数が高くなり、リスク分散にならないという、分散投資の王道である世界株式60%/世界債券40%のポートフォリオ理論の破綻論、
3.国民に日本国債を買って欲しいという日本政府の思惑論、
4.債券のリターンは為替リスクに見合わないという外債不要論、などに大別されます。
私としては、
1.折角、2024年にNISAの枠が拡大して、さらに年に一度、空き枠の復活という道が開かれたのだから、オルカンの相棒として、リバランスの選択肢として、王道の低コスト世界債券ファンドを入れて欲しい。
2.どのような資産にどのように投資をするのかは個人投資家の自由です。つみたてNISAに、同一の指数に連動するファンドを複数入れる位なら、世界債券という王道の選択肢を排除しないで欲しい、と考えます。
つみたてNISAから債券を除外する理由について、AKIさん、NightWalkerさんは、どのようにお考えですか、また金融庁の方にお会いする機会がありましたら、債券を除外する理由を聞いて頂けませんか。もしかしたら、官僚しか知らない知見があるのかも知れません。以上
投稿: akio | 2023年1月 5日 (木) 04時15分
>債券はNISAからはずれちゃってますからねー。どうしようもないです。
これなんですけど、新NISAは債券を入れて欲しいと思いますね。
つみたて枠はともかく、成長投資枠は幅広い年齢層が使用できるように、対象商品を広げるべきかと。
投稿: AKI | 2023年1月 5日 (木) 09時20分
akioさん
おっしゃるとおりです。
債券や債券ファンドもNISAには入れるべきだと思います。
GPIFは債券に投資をしているのに、個人投資家には認めないというのはおかしな話です。
もともとNISAは「貯蓄から投資へ」の掛け声のもと、株式投資に誘導するために導入した制度なので、債券を入れていないと記憶しています。
さらにつみたてNISAは、NISAでは金融庁の目的であった「若年層によるインデックス積立投資」への誘導が上手くいかなかったので、新たに導入しています。
ここで問題になっているのが、金融庁が特定の投資法を優遇している点です。この批判はずっとありますね。
新NISAでマシにはなりそうですが、まだまだ不十分だと思います。
若年層もいつかは高齢層になるわけですから、高齢層も活用できる制度にしていく必要がありますね。
投稿: AKI | 2023年1月 5日 (木) 09時32分
> AKI様、akio様
ナマの債券は買えませんが、債券ファンドや債券ETFは一般NISAでフツーに買えます。新しいNISAの成長投資枠でも引き継がれるのではないでしょうか。リスク耐性の低いシニア向けというのであれば、分散はマスト。これで十分なのでは?
https://randomwalker.blog.fc2.com/blog-entry-4726.html
>約款上「公社債投資信託」となっていなければ、証券会社で米国債券ETFとして取り扱われている商品(BNDなど)が買える可能性がある
>akio様
個人的な見解ですが、NISAとは、「リスクの高い株式に投資する人を少しでも支援しよう」と言う趣旨であり、債券ファンド、ETFが一般NISAで買えるのはおまけみたいなもんじゃないかと思っております。
投稿: NightWalker | 2023年1月 5日 (木) 10時57分