いよいよ正念場 NISA拡充2024 〜当ブログはもちろん本案を応援します。
資産所得倍増分科会(第3回)が11/25日開催され、配付資料が開示されています。もちろん興味は、NISAの拡充についての記述があるこちらの資料↓
- 資料1:資産所得倍増プラン(案)
まずは、本資料をざっくり整理してみます。
資産所得倍増プラン(案)の目標
今後5年間で、
- NISA 総口座数(一般・つみたて)を現在の 1,700 万から 3,400 万へと倍増。
- NISA 買付額を現在の 28 兆円から 56 兆円へと倍増させる。
そして「これらの目標の達成を通じて、中間層を中心とする層の安定的な資産形成を実現し、長期的には資産運用収入そのものの倍増も見据えた政策対応を図る」という作戦です。そのための方向性が以下。
7本の柱 〜プランの方向性
- 第一の柱: NISA の抜本的拡充や恒久化
- 第二の柱: iDeCo 制度の改革
- 第三の柱:消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創設
- 第四の柱:雇用者に対する資産形成の強化
- 第五の柱:安定的な資産形成の重要性を浸透させていくための金融経済教育の充実
- 第六の柱:世界に開かれた国際金融センターの実現
- 第七の柱:顧客本位の業務運営の確保
これらの柱を分類してみるに、
(1)資産を作る仕組みをしっかり作る(1と2)
(2)できた仕組みをがっつり使う(3と4と5)
(3)必要な経済的な基盤をきっちり整備(4と6と7)
ってことになるでしょうか。三拍子揃っています。当ブログ的な興味は、やはり、第一の柱の部分。中身を見てみますと、、
NISA拡充案の方向性に失速なし!
①NISA 制度を恒久化する。
②NISA の非課税保有期間の無期限化
適切な生涯の上限枠を設けることを前提として、非課税となる期間について無期限とする。
③一般 NISA・つみたて NISA の投資上限額の増加
④2024年施行の新 NISA 制度(「2階建て制度」)を見直し、拡充する。
⑤NISA の手続きの簡素化
ちょっと前に先行きを懸念する情報が流れてましたが(NISAの抜本的改革に暗雲?)、今のところNISA拡充案の方向性に失速なし!
最初の金融庁要望と比べてもほぼ遜色がないどころか、一歩踏み込んで、「2階建て制度」の見直しまで盛り込まれています。これ大きいですよねー。見当たらないのは、つみたてNISAの対象年齢引き下げ(ゼロ歳からにしてジュニアNISAの代替とする提案)くらいかしら。
今は、この方向性の具体化を願って、応援するときだ
「これは所詮、案だ。過剰な期待はすべきではない。冷静に見守れば良い」とお考えの方は多いと思います。ただ私としては、いち投信ブロガーとして、今は、素直に応援したい。制度が決まってから熱くなってもねー。冷静になるのは案が決まってからで十分です。
「どうせ○○なんだろう、期待してもムダ」とか「まだ決まってないから冷静に」とか、あるわけですが、決まる前の今が肝心。今、騒がんでどうすると。ブロガーとしてこの程度の熱量は持っていたい。声が届くかどうかは別にしてw
— NightWalker (@nwalkerz) November 25, 2022
今の日本の国民の資産形成、株式投資に対する意識や知識はめっちゃ低い。仏作って魂入れず。制度は立派になったけど使ってくれない、ということにならないよう、今回のプランには、金融教育の強化や教育や助言の担い手に対する施策も盛り込まれています。実効性を疑問視する方もいらっしゃいますが、多少の失敗は覚悟の上、前に進もうとしている方々を、これまた素直に応援したい、と言うのが私の気持ちであります。
制度は国民の成長をちょっとだけ先取りして進化していけばいい
また、今回のNISA拡充案に不満がある方もいらっしゃるでしょう。たとえば、「適切な生涯の上限枠」。でも、今の日本の国民レベルを考えるとこれがなかったら、そもそも案が通らないのでは? なにしろ未だに「株式投資は悪、金持ち優遇、うす汚い」とい考える方がいらっしゃいますからね。そう言った考え方の駆逐も今回の資産所得倍増プランには込められていると考えています。
なので、今回の大きな拡充が成立したら、その次に考えればいいのではないでしょうか。投資人口が増えた暁には、変化した国民の声が更なる制度改革の背中を押してくれるはずです。制度は国民の成長をちょっとだけ先取りして進化していけばいいのです。
あとは、
年間投資枠、生涯投資枠がいくらになるのよっ?
ってことでしょうか。投資は、少子高齢化、衰退の一途を辿るニッポンのラストリゾート。ここでブレーキを踏んでも困るので、ガツーンと行って欲しいですね。
あ、それと「金融経済教育推進機構(仮称)の設置」の中身かな。
コメント
>年間投資枠、生涯投資枠がいくらになるのよっ?
そこですよねぇ?やっぱりw
NISAの口座数を倍にするのに買付額が倍に「しか」ならないんだったら
年間投資額は今まで通りって事ですかね??
どうも、あまり増やすつもりがないな?
ってイメージなんですけど、どうなんでしょうねぇ?
投稿: こばやん3号 | 2022年11月27日 (日) 07時59分
NISAの拡充と金融所得課税の強化がバーターなら賛成しますか。
私は目をつむって、賛成します。
投稿: akio | 2022年11月27日 (日) 10時17分
>こばやん3号様
コメントありがとうございます。
特に生涯投資枠。現在つみたてNISAが800万円ですから、倍増の看板に偽りなしという意味では、最低でも倍の1600万円はないと、ブーイング必至です。
投稿: NightWalker | 2022年11月27日 (日) 10時19分
>aoki様
コメントありがとうございます。
庶民にとって十分な非課税ワクがあるのであれば、金融所得の総合課税化には賛成です。
投稿: NightWalker | 2022年11月27日 (日) 10時30分
>年間投資枠、生涯投資枠
つみたてNISA:年間60万円、生涯なし
一般NISA:年間150万円、生涯3000万円
「併用可能」
(年度ごとの切り替え制度廃止)
非課税枠内での商品スイッチング不可、消費額埋戻し不可
・・・・
個人的な予想です。
英国ISAの年間投資枠300万円に対してNISA200万円程度が相場でしょう。
100万程度じゃ現状維持で倍増にはならない、300万じゃ大盤振る舞いと財務省やら公明党・野党に反発される。
スイッチングやら枠復活やらはシステム開発が間に合わない。
投稿: | 2022年11月27日 (日) 17時03分
>今、騒がんでどうする
いいですねぇ この言葉。名古屋弁を思わせるような響きで、NightWaiker様の気持ちがよく伝わってきます。
おっしゃるように、声を上げるのは今です。
答申が出てしまえば、その内容でもう決まりです。答申どおりの法案が成立することを誰も疑うことなく、役所でも関連業界でも準備が進んでいきます。
1980年代のグリーカード(少額貯蓄等利用者カード)制度問題のような例は極めて稀です。
投稿: トーゴー | 2022年11月27日 (日) 18時16分
>?様
コメント&予想ありがとうございます。
個人的には、つみたてNISAワク>一般NISAワクになるんじゃないかなと予想してます。総枠は、おっしゃる線くらいが落としどころかもしれません。枠復活は、なんとか盛り込んで欲しいところ。
投稿: NightWalker | 2022年11月27日 (日) 18時18分
グリーカード は 「グリーンカード」の誤りでした。
投稿: トーゴー | 2022年11月27日 (日) 18時22分
>トーゴー 様
コメントありがとうございます。
名古屋弁w 今年ももう1ヶ月。騒ぎつつ朗報を待つのみです。
投稿: NightWalker | 2022年11月27日 (日) 18時23分