シニア世代にやさしい税制改正は、もうムリっぽそうなので腹をくくる事にしました。
日経 人生100年こわくない・資産活用で笑おう 野尻哲史さん。
はじめに
記事の論点は、8月末の例の2023年度の税制改正要望って、
- 資産形成層向けの施策に片寄りすぎじゃね
- 資産活用世代の現金化抑制策も必要じゃね
と言う内容となっております。「例の」って何って方はこちら↓
税制改正要望、①NISAの抜本的拡充②金融所得課税の一体化③資産形成促進支援④資産の世代間移転の円滑化⑤マイナポータルを利用した投資環境の整備を仕分けしてみると、
資産形成層 | 資産活用層 |
①NISAの抜本的拡充 ②金融所得課税の一体化 ③資産形成促進支援 ⑤マイナポータルを利用した投資環境の整備 |
④資産の世代間移転の円滑化 |
④資産の世代間移転の円滑化も受け取り側は、資産形成層向け。「資産形成世代ばっかりずるい」「シニア世代としては面白くない」「というか、Die With Zeroじゃ。全部現金化して使い果たしてやるー」。「資産所得倍増」のためには、そうならないような施策も必要なんじゃないのと。
私見ですが、国の考え方の根底にあるのは、
- 今のシニア世代は恵まれているから優遇の必要なし(すでに優遇)。
- あえて今投資をしていないリスク許容度も金融リテラシーも低いシニア世代にリスクをとらせる施策はやりづらい(やりたい人はほっといてもやる)
- むしろ、その財源を現役世代の資産形成に集中投下して税制効果を高める。
- 「資産所得倍増」は、今の現役世代がシニアになった時に、あるいはその過程で実現すれば良い。
といったところでしょうか。資産形成世代は、現状のシニア世代に比べ、より自助を重んずる、重んじなければ成り立たない社会への転換を示唆されているのです。
シニア世代にやさしい税制改正は、もうムリっぽそうなので腹をくくる事にしました。
結局、「できた制度をシニア世代なりにどう活用するか」しかありません。現状要望されていた話としては、
- NISAの総枠、単年度あたりのNISA購入枠の拡大幅がどの程度か。
- スイッチング制度はどうなるか。
- 旧NISA→新統合型NISAへのパスはどうなるか。
このあたりの結果を待って、資産活用世代としてどう利用するか。
個人的にやって欲しいなと思う事は、新しくできる統合型NISA口座に特定口座に保有している資産を一発移管できるパスができないだろうかと言うこと。特定口座の資産を売って新統合NISAで買うのはいや。かといって新統合NISAを余らせるのもいやという二律背反に陥りたくないかな。
これも制度が定まってから考えたいと思います。
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