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2022年10月26日 (水)

退職金を元手に運用開始ってあり?なし?

東証マネ部さん。

はじめに

記事には、「定年を迎える60歳から預貯金を取り崩してしまうのは早い」「退職金の運用も考えられる」「おすすめは退職金の半分を預貯金や個人向け国債といった安全資産、半分を投資に回す方法」と説いています。

私ならどう答えるか?いくつかポイントだけ書いてみます。

その1 まず、自分がどれだけのリスクを取れる人なのか知る。

「これこれの利率で運用したいから商品を選ぶ」ではなく「これこれのリスクが取れるから適切な量の商品を買う」です。「半分を安全資産、半分をリスク資産」にしておけば無難だとか、王道だというのは間違っています。取れるリスクは人によって違うのです。

  • これまで投資して来なかった人のリスク許容度はゼロなので、投資するべきではない。

ここが検討の出発点です。これまで投資して来た人は、自分でわかるはずなので省略。老後に自分の出口戦略がわかる人になることが、長期投資の出口戦略の要諦です。

ちなみに「半分を安全資産、半分をリスク資産」は私のカウチポテトポートフォリオと同じなんだよなー。くれぐれも考えなしでマネしないように。

その2 退職金を銀行に置きっぱなしにしない。

退職金の運用を銀行に相談してはいけません。割高の商品を紹介されるのは間違いありません。だってそういう商売なんですから。逆に売ってこなかったらそれはそれでその銀行員が心配です。

記事には「金融機関に相談する場合は、ある程度お金の知識を身につけたうえで行った方がいい」と書いてありますが、おそらくある程度お金の知識を身に付けると銀行に相談する必要がない事がわかるようになるでしょう。というか、わかるようになるまで勉強して下さい。

同じような理由で、紐付きの(証券会社などとの利害関係で生計を立てている)ファイナンシャルアドバイザーにも相談しない方が良いでしょう。

その3 個人向け国債の利点を理解する。

個人向け国債の利点は、次の二つです。

  • ペイオフの心配がない。
  • 金利上昇局面に強い。

前者がけっこう重要です。退職金を銀行に置きっぱなしにしないための方法論になります。

その4 「リスク資産は全世界株式だけで十分だ」という考え方を理解する。

投資にはいろんなやり方があります。しかし、まずは、ほったらかし投資を理解すべきです。下記の本を読んでも理解できなかったら、投資はあきらめて、ひたすらキャッシュを守りましょう。

記事には「一気に大きく増やすことを目指すのではなく、老後のために安定的に増やす方法を考えること」と書かれていますが、今の日本には安定的にお金を増やす方法はありません。もしあるとしたら、日本の金利が正常になった時の定期預金くらいではないでしょうか。当ブログが標榜する長期投資には20年30年の時間がかかります。定年退職を迎えた方が今から始めるのはいささか厳しいのです。

以上、退職金の運用について聞かれたら、私ならどう答えるか、その観点でした。

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コメント

私も20年かけて体に沁み込んだポートフォリオがありますので、例え退職金が入っても、その時のポートフォリオの比率どおりに按分するだけと思っております。退職というセレモニーを迎えても円グラフの構成比率は何ら変わらずに、円グラフ全体の面積が増す、くらいのイメージでおります。1日で作業終了です笑。

投稿: higurashitan | 2022年10月26日 (水) 07時17分

higurashitan  様
コメントありがとうございます。
higurashitan さんのように、これまでの投資の延長上にあるのが理想ですね。

投稿: NightWalker | 2022年10月26日 (水) 09時36分

その3 個人向け国債の利点理解する?

87代総理大臣(2001年4月)小泉純一郎の時「2011年迄にプライマリーバランスの黒字化を目指す。」と発言した。この時既にいわゆる鰐の口が大きく開き始めていて、歳入の範囲で歳出を賄い切れない事に問題を感じていた事が窺える。それから22年が経過して、鰐の口はどうなったのか?顎が外れた状態になっている。国家予算は「国債」と言うモルヒネが無ければ回せない状態です。財政ファイナンスを行なっている国の「国債」が安全なのか?「利点」を考える前に「安全なのか?」考えるべき。

投稿: オークX32 | 2022年10月26日 (水) 10時27分

> オークX32 様
コメントありがとうございます。
国債が目に見えて安全ではなくなったときは、海外に置こうがどうしようが個人資産もなんらかの被害があると私は考えてます。自分だけ助かろうだなんて人、国は許しませんよw

投稿: NightWalker | 2022年10月26日 (水) 10時36分

ところで、日本国債のリスクは、期待リターン、標準偏差でいくらくらいになると予想されていらっしゃるんでしょうか? 

投稿: NightWalker | 2022年10月26日 (水) 10時47分

期待リターン=投資家が合理的に期待できる予想出来る収益率。
標準偏差=平均からのズレを表す数値

分かりません、是非計算して教えて下さい。

投稿: オークX32 | 2022年10月26日 (水) 23時23分

>オークX32様
たとえば、SMT 国内債券インデックス・オープンをモーニングスターで調べてみますと、
https://www.morningstar.co.jp/FundData/RatingRisk.do?fnc=2008010905

標準偏差(リスク)  10年(年率) 1.88%
つまり、標準偏差20%程度の外国株式に比べるとかなり安全ということです。

期待リターンについては計算は不能。長期的には、1〜2%と見る人が多い一方、この10年では、マイナスリターンと見る人が多い、つまり金利は上昇する(しかない)。

オークさんは、おそらく、この10年20年の国債の予想リターン(年率)がかなり低いとみていらっしゃるのではないかと思い、数値にするとどの程度なのかな、と。

投稿: NightWalker | 2022年10月27日 (木) 00時36分

退職金を貰う前から退職金含めてポートフォリオ組んでれば影響なしですな
毎年どれだけ積み上がってるかは確認できるわけですし

投稿: とおりすがり | 2022年10月27日 (木) 06時56分

>とおりすがり様
コメントありがとうございます。
記事は、退職金デビューはやめといた方が良いんじゃないの、という話となっております。
私が最も合理的だと思うのは、リスク資産は定年までに十分蓄えておき、退職金は、そのままキャッシュないしは個人向け国債で保有し、収入に見合ったリスクにしておくとか年金受給繰り下げの原資にしておく、というものです。

投稿: NightWalker | 2022年10月27日 (木) 09時34分

http://www.world401.com/saiken/kojin_kokusai.html
個人向け国債は絶対に買ってはいけない。

債券は元本に利息を付けて返す。その債券は市場で取引されて常に値動き、金利変動により、活発に取引される。これが本来の姿です。短命に終わった英国トラス政権、就任早々矛盾した政策を掲げた。それを察した「市場がNO」を突きつけた。英国は正常に機能している。

我が日本は、約30年間に渡り、赤字国債を発行し続けて、国の借金を国の借金で返す。尚、その借金を国中央銀行が買い支えている。お金は、適度な流れに沿って流れて価値を見出す。お金が滞留し流れず、留まり続け、利息の付かないお金が更に貯まる。 この膨大な借金は、誰が何時、どの様に返すのか?

期待リターンと標準偏差の中で、収まるとは思えない。

返信は不要です。

投稿: オークX32 | 2022年10月27日 (木) 09時53分

市場に委ねる本来の姿に戻すというのは、私も賛成ですし、資本主義社会では負け組にしかならないような論理を展開する現在の政権があんぽんたんというのにも同意します。

ただし、それでも、国債が一番リスクが低い。繰り返しになりますが、国債が紙くずになる前に国、あるいは市場は行動を起こすはずです。民間に片寄ったバランスシートの是正は、いずれ、増税(たとえばリスク資産課税)とインフレでまかなう事になるでしょう。過激な言い方をすれば、国債が紙くずになる(機能しなくなる)前に個人の資産が紙くずになるという事です。

問題は、せっかくの政府の借金=投資の効果が低下している(投資しないでタナに積んでる)ことでしょうか。少子化の原因のひとつでもあります。

返信は不要ですw

投稿: NightWalker | 2022年10月27日 (木) 10時58分

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