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2022年9月 2日 (金)

令和5年度 税制改正要望項目公表。金融庁グッジョブ!ついにNISA一本化なるか?

かねてより話題になっていた資産所得倍増計画。その要である「NISA拡充案」がついに金融庁から公表されました。

はじめに

公表直後に、金融庁が個人投資家向けに「NISA拡充案説明会」をオンライン開催し、私も参加しました。相互リンク先であります虫とりアニキが参加募集役です。いつもお疲れさまです。最初に、その虫とりアニキの記事をご紹介しときます。

今回発表されたのは、あくまでも「要望書」です。「要望書提出」後は、「主税局との交渉」→「与党税調での議論」→「税制改正大綱(年末)」→「国会での法案審議」という流れとなります。

決戦は、恒久化に反対するであろう主税局との交渉。主税局側は当然「成果が出るかどうかわからないものを恒久化できるか!」というスタンス。このリスクを取らない考え方が、まさに今の日本が弱くなった原因です。これは、国民自身の問題でもあります。平和慣れしたリスク回避、現状維持指向。できない理由への全力疾走。危うく列強に植民地化されそうだった日本を守り、今の日本の礎を築いた明治の政治家、官僚、民間企業に申し訳ないと思わないのかっ。・・・あ、話がそれた。

ポイントはこの一枚↓に集約され、説明会でもこれをベースに解説や質疑が行われました。

202209022

では、どんな案だったのか、本題です。

ついに NISA一本化となるか!?

今回の要望の軸は、「2024年から予定されているNISA制度改正をチャラにして、新しいNISA一本に統合する」というもの。

 「つみたてNISA」の中に「一般NISA」をビルトインする

という「ハイブリッドNISA」。ビルトインされる「一般NISA」が「成長投資枠」という名称(仮)となってます。この「建て付け」で、

  • 制度の恒久化
  • 非課税保有期間の無期限化(ロールオーバー手続きなし)
  • 年間投資枠の拡大
  • 非課税限度額の拡大(総枠は有限)
  • つみたてNISAを未成年者まで拡大(制度廃止となるジュニアNISAの代替になる)

などなど、肝となるものは、ぶち込むだけぶち込んでます。

非課税限度額は簿価ベースとし、仮に非課税枠を使い切った状態で300万円投資信託を売ったら、その300万円に相当する簿価分が非課税枠として復活する(システム次第だが、たとえば翌年)というもの。

年間投資枠も拡大され、ビルトインされる一般NISA(成長投資枠)との合わせ技で、非課税投資総枠の利用を加速することができるようになるかもしれません。私のような資産形成完了世代にとっては、ありがたい仕組み。

未成年者への拡大も良いですよね。成人したとき、ほかならぬ自分自身が成功体験を持てるかもしれないわけで。

非課税枠利用状況の把握は、政府のどこかの一機関に情報を集約することを考えているとのこと。費用は国が負担。シロートが思いつきそうなことは、当然、いろいろ考えられています。

過去最高に意欲的で強力な案になった。金融庁グッジョブ!

びっくりしたのが、スイッチングまで要望に盛り込まれたこと。リバランスは資産形成の要ですからね。BANされないことを願うばかり。

しかも、2024年からの制度適用を狙うそうです。これも、私のような残りの人生が少ないものにとってはありがたい。個人的には、現在特定口座に持っている有価証券を移管できるパスも制限付きで(たとえば口座開設時、一回だけとか)欲しいけど、ココはむずかしいかなあ。

具体的な金額こそ明示されてはいませんが、過去最高に意欲的で強力な案です。金融庁グッジョブ!

金融庁の担当官さんとしては、「何が何でも実現させる気概でがんばる」とのこと。なお、

 資産形成の逆風となる金融課税増税とセットだなんて、金融庁が要望するわけがない

とのことです。

ここまで来たら、ぐちょぐちょ言うのはもうおしまい

もちろん、成長投資枠を作らない完全な一本化も考えられます。しかし、過去のNISA資産の移管をスムーズにするためには、こうせざるを得なかったのかなと。つみたてNISAの対象商品にだけしか投資できないなんてすると、私は良いですけど、怒りまくる人も出そうだし。

軽減税率を止めて代替策としてNISAを考える段階からそういう制度にしておけば良かったのに…という今更論(グチ)も当然あるでしょう。

でも、今の日本=国民には、その程度のスピードでしか考えられないレベルの金融リテラシーしかないのです。年月が経ってそれこそ実績ができてなじんでくれば、智恵と理解が出て来るでしょう。未来の課題です。

ここまで来たら、ぐちょぐちょ言うのはもう止め。当ブログは金融庁要望を全面的に支持します。

みなさん、ここはひとつ、金融庁を応援しませんか? 国民の声は、とても重要です。

NISA本を書いているみなさんは、戦々恐々? 最終的にどうなるかはまだまだわかりませんが、大忙しになりそうですね!

金融庁によるNISA拡充案説明会に参加されたみなさんのブログのご紹介(適時更新)

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コメント

つみたてNISAの改正案はとても良いですね。
恒久化、金額の拡大(12で割り切れる数字で)、スイッチングはぜひ実現して欲しいです。

スイッチングは健全な資産形成には必須の機能です。
この機能がないばかりにインデックス投資が歪められてしまいました。
最近投資を始めた人にはリスク許容度という文字は存在しないでしょう。
投資銘柄をスイッチできないので、非課税だけがクローズアップされてしまい、インフルエンサーが株式100%だけを勧めるようになってしまいました。

投稿: AKI | 2022年9月 2日 (金) 23時47分

>AKI 様
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りです。スイッチング=リバランス機能ですからね。
ちなみに、説明会の話では、12で割り切れる数字になる提案のようです。

いずれにしても、世論が重要です。政治家の顔を思い浮かべるに、このままでは主税局&政治家連合軍に負けるでしょう。
AKIさんも、ぜひネットでたくさん発信してくださいませ。

投稿: NightWalker | 2022年9月 2日 (金) 23時58分

説明会に参加されたんですね。
ちなみに今までのつみたてNISAで積み立ては分はスイッチングの対象になるのかはご存じですか?

資産所得倍増は岸田政権の公約なので、つみたてNISAの改正は通るんじゃないかと思うんですよね。
その代わり通常の税率が25%とか30%になるのかな、と。

ピケティのR(資本収益率)>G(経済成長率)もあるので、一定額の投資優遇枠を用意しつつ高額資産保有者の税率を引き上げるのは理にかなっていると思います。

投稿: AKI | 2022年9月 3日 (土) 11時04分

AKI様
>スイッチングの対象になるのか
要望では、イエスです。

記事にも書きましたが、金融課税については、金融庁は反対の立場。
個人的には、総合課税とセットで、源泉徴収の税率を上げるのは賛成。低所得者は、いままでよりも譲渡益課税が安くなるケースが出て来るわけですし、確定申告者の激増が想定され、申告手続きの簡素化も期待できるでしょうから。

投稿: NightWalker | 2022年9月 3日 (土) 11時18分

既存のつみたてNISAもスイッチングの対象になるのは良かったです。
そうなればバランス型ファンドも増えてくると思うので、投資環境にもプラスになりそうです。

私が財務省の役人であれば、総理も熱心な話だからNISAの改正は受け入れるけど、税収の補填は必要だから税率引き上げは受け入れてね、と言いますが、NISA改正で財務省がどう反応してくるか最大のポイントになりそうです。

投稿: AKI | 2022年9月 4日 (日) 21時04分

>AKI様
>つみたてNISAもスイッチングの対象になる
つみたてNISAや一般NISAの証券は、拡充版NISAに移管できるので、スイッチングできるという理解です。まあ、実現しなければ細かい議論は意味なしではあります(笑)。

投稿: NightWalker | 2022年9月 4日 (日) 22時46分

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