インベスト・イン・キシダ 最大の敵は?
Diamond Online 山崎元さん。
なんとも無駄で有害な「無駄玉介入」
介入した途端の相場崩れ。やらかしちゃったのかしら、と短期の市場動向をあまり気にしない長期投資家としても、なにやら面白くないものを感じる今日この頃でしたが、先生が、言いたいこと全部おっしゃってくれてます。
”何とも無駄で有害なことをしてくれた。9月22日に財務省が実施を決めた円買い・ドル売りの為替介入のことだ。筆者はこの介入を「無駄玉介入」と名付けることに決めた。”
あまりに共感したので、どんどん引用させていただきます。
- アクセルを踏んでいる最中に、同時にブレーキを踏むような愚挙
- 介入を決めた人々が明白に「悪い」
「介入を決めた人々」とは、財務省並びにそっち寄りの政治家。日銀は実行役です。「これで気が済んで「一回限りでやめてくれる」かもしれない」という希望的観測も(^^;)。
思いっきりうなずいてしまったご指摘が、こちら↓
- 経済思考的には幼稚だが、ある種の「正義感」があったに違いない(そこがかえって厄介)
- 日本政府を「カモ」としたい市場参加者が、円安批判を気にしている人たちをけしかけて追加の介入に引きずり込もうとする可能性
またしても「正義の味方病」か。冷戦終結後、マネー戦争で負けっ放しの日本はこんなんで大丈夫なのか。
- 今回の円安に対して米国からは文句が出ていない
- 中国・ロシアに依存しないサプライチェーンの構築が必要な現在、日本にはその一翼を担うことが期待されている(のでは?)
とするなら、我が国の経営者の胆力が試されているのかもしれません。最後にひと言、
そもそも円安を阻止する必要がない
ですよねー。あー、すっきりした(笑)。
円安で困っている庶民の生活。為替レートを丸ごと円高にして解決しようとするのは、考えとしてあまりに「雑」だそうです。リベラル派の先生としては、ここぞとばかりに、再分配政策、例えば、ベーシックインカムの実現を提案されてます。これも丸ごと再配分ですけど、再配分に変な政治的な恣意性が混じらないことがメリット。
インベスト・イン・キシダ 最大の敵は?
しかし、インベスト・イン・キシダ。こんな体たらく感満載で成就するんでしょうか。日本人すらあきれる日本に海外の人は投資してくれるんでしょうか? その最大の敵はなんなのか? 私には、財務省に「インベスト・イン・キシダ」に対する責任感が感じられません。
インベスト・イン・キシダ発言に基づき金融庁が鋭意提案したNISA拡充の結果も待たれるところです。ここでもブレーキ踏んだらA級戦犯確定。財務省解体論を支持するしかない。
・・・・閑話休題。
個人の長期投資家としての課題は、政策云々ではありません。政策がいかにアホであっても、その中で泳ぎ続け生き延び勝ち残ることであります。長期的視野に立って「何もしない」。遠い未来から今を眺めれば、それすらも小さな出来事。これが基本です。ひたすら「自分にとって最適なリスク」を取り続けるのみ。
とは言え、やったふりのジャブ介入程度ならともかく、エネルギー120%の為替介入は「大きな歪み」を生みます。もしも、
- 米国の金利が更に上昇し、ドル高圧力も上昇。
- にもかかわらず為替介入の効果がなぜかあって、なぜか不自然な円高
ということになってしまったら、その時点での米国債は魅力的な存在になります。金利が上がって期待リターンが上がり為替的にもお買い得と言うことになりますからね。というわけで、マクロな金融政策は今後も要監視。
しかし、となったら、外国債券否定派の山崎さんも米国債を推奨されるのでしょうか。お伺いしてみたい気もしますが、要らぬ妄想かもしれません(笑)。
コメント
円売り仕掛けてるヘッジファンドへの牽制は必要
円高介入した資金の利確(出口戦略)として有効
70円台で買ったドルの利確タイミングとして完璧でしょう
投稿: とおりすがり | 2022年9月29日 (木) 03時08分
今回の介入は無駄との意見や、牽制としての意味があったなど色々な意見がありますが、自分が面白いと思った意見は「アメリカ国債を安く買って高く売ることが出来た」というのが面白かったです。
確かに、円高の時に買ったドル(国債)を円安になって売った形になっているので差益が出てるはずです。
それに意味があるかどうかは別として、表面での出来事とは別に、そういう発想、角度でも物事を考えることが出来る人になりたいなと思いました。
投稿: 佐倉望 | 2022年9月29日 (木) 08時59分
慎重な孤独の冒険者でいたい。
>>政策がいかにアホであっても、その中で泳ぎ続け生き延び勝ち残ることであります。長期的視野に立って「何もしない」。遠い未来から今を眺めれば、それすらも小さな出来事。これが基本<<
この考え方が基本になるかも知れませんが、経験を積んで来た「老個人投資家」は少し先を読んで機動的にアセアロを変化させて資産を増やしたい。「何もしない」はつまらない、読みが当たったのか?外れたのか?を確認したい。そして趣味としての「資産運用」楽しみたい。70歳から遠い過去眺めれば、結構良い線行ってると思う今日この頃です。これからも資産を減らさぬよう、慎重に冒険したい。
ちなみに、持っている米国債券ETFは、利益確定などしません。持ち続けて「金の卵」を再投資します。今債券ETFは値下がりしています。お買い得バーゲンセール中です。残念ながら円安状態なのでドルが沢山買えないのがたまに傷。債券安は高配当分配ドルが増えて嬉しい。どうせ売らないのだから、債券安高配分は鶏を増やすチャンス到来。高いけどドルを少しずつ買い、分配ドルと合わせ米国債券ETFを購入継続です。
投稿: オークX32 | 2022年9月29日 (木) 09時21分
みなさまコメントありがとうございます。
> とおりすがり 様
なるほど。日本政府は儲かったと言うことですね。
>佐倉望 様
>表面での出来事とは別に、そういう発想、角度でも物事を考える
おっしゃる通りです。とおりすがりさんのご意見と同じですよね。
>オークX32 様
>円安状態なのでドルが沢山買えないのがたまに傷
悩ましいのは、株式債券、共通のここですよね。
投稿: NightWalker | 2022年9月29日 (木) 10時12分
円高の時は円高困ると言い、円安の時は円安困ると言い、また昨今は必ず誰々のせいだと言い大変ですね。
一般人には円安円高どっちがいいのか、金利がつかないのが悪いのか良いのか、それぞれの状況によりけりだと思います。でも金利上げたら住宅ローンが上がりますよね?
ボヤ〜ッとそんな事を考えていました。
投稿: ミント | 2022年9月29日 (木) 19時15分
>ミント 様
コメントありがとうございます。
>ボヤ〜ッと
長期投資の極意です♪
>金利上げたら住宅ローンが上がります
金利を上げると、リタイア世代はうれしいですが、現役世代は困ると思われます。住宅ローンもですが、そもそも雇用が悪化しますよね。なので、日本としては、米国が怒るまで円安有利のビジネスを徹底的に後押しするしかないと思われます。
投稿: NightWalker | 2022年9月29日 (木) 23時48分