インデックスファンドの残高が海外ばかりになるのはごく自然なことです。
はじめに
記事はタイトルどおり。「インデックスファンドは米国ばっかり」と言う内容。
記事はごちゃごちゃ文字ばかりなので、インデックスファンドの純資産総額ベスト10(2022/9/21付)をピックアップして表にしてみました。
# | ファンド名 | 運用会社 | カテゴリー | 純資産総額(百万円) |
---|---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 三菱UFJ国際 | 国際株式・北米(F) | 1,480,363 |
2 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド 『愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)』 |
楽天 | 国際株式・北米(F) | 685,567 |
3 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 三菱UFJ国際 | 国際株式・グローバル・含む日本(F) | 674,234 |
4 | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 『愛称:SBI・V・S&P500』 |
SBIアセット | 国際株式・北米(F) | 667,477 |
5 | ダイワ J-REITオープン(毎月分配型) | 大和 | 国内REIT | 443,747 |
6 | ニッセイ 外国株式インデックスファンド | ニッセイ | 国際株式・グローバル・除く日本(F) | 419,671 |
7 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 三菱UFJ国際 | 国際株式・グローバル・除く日本(F) | 364,577 |
8 | インデックスファンド225 | 日興 | 国内大型グロース | 224,359 |
9 | たわらノーロード先進国株式 | アセマネOne | 国際株式・グローバル・除く日本(F) | 223,706 |
10 | 日経225ノーロードオープン | アセマネOne | 国内大型グロース | 215,626 |
モーニングスターさんは、
- あまりに1つの資産「米国株式」に資金が集中して投資されている状況は、決して好ましい状況ではない。
- ただし、投信市場全般の残高比率では「国内」が「海外」を上回っている。ので、広く市場全般を見渡せば、何か1点に集中しているともいえない。
と分析しています。いつものごとく、「分散」が大事ですよ〜という結論であります。(ただし、積立投資について「より長く積立を続けるほど、リスクの低減効果が得られる」と言う記述は、いかがなものかと。山崎元先生に叱られますよ〜)
インデックスファンドの残高が海外ばかりになるのはごく自然なことです。
たしかに海外が多いですよね。でも、これって、ごくごく自然な状態というか、仕方がないというか。みなさん合理的に動いている結果だとは思います。
- 米国一極集中でも、米国一国で世界の6割近くをカバー。
- 先進国株式(日本を除く)となると、世界の8割近くをカバー
- 全世界株式(オールカントリー)なら、世界の10割近くをカバー
時価総額分散的に正しい。むしろ、「投信市場全般の残高比率では「国内」が「海外」を上回っている」と言う状況の方が、いびつではないでしょうか。日本の時価総額比率は、わずか5%に過ぎません(それでも世界第2位の市場ではある)。
ただ、それでは困る方々もいらっしゃるようです。たとえば、最近、大学ファンドが外国に投資し過ぎと円安の主犯格扱いされたりしてるみたいですけど、海外に投資しなきゃリターン確保できないし、リスクも低減できないのだから当然なのでは? というか、日本で一番、「米国債」買ってるの誰なのよ(笑)。
あえて、円安の主犯を名指しするなら、この人たちでしょう。
もう一つの観点は、海外のリスク資産に投資するアクティブファンド選びは、日本株のそれよりもはるかに難易度もコストも高そうなこと。海外に投資するならインデックスファンドの方が無難で最適、ということはあるでしょうね。
コメント
高齢者資産運用は「海外債券」の有効利用
オークの場合、米国ETFによるドル投資の他に「確定拠出年金」の投資も大きな割合を占めている。もう積立期は終了して、これからは取り崩すのみだが、並行して資産を育てる事もできる。スイッチングという手続き(リバランス)で機動的に行いアセアロを変更させる事だ。
スイッチングの履歴
2017年12月 取り崩し開始時 国内債券15% 国内株式15% 海外株式15% 海外債券55%
2021年02月 米国株式好調 国内株式15% 海外株式35% 海外債券50%
2022年01月 米国インフレ 海外株式20% 海外債券80%
2023年 ? 米国株式暴落 海外株式40% 海外債券60%
債券と言っても「国内債券」ではない。海外債券を「キャッシュ」の代わりに活用して、市場の畝りを読みながら「安全な資産運用を楽しむ」のだ。投資はあくまでも自己責任。
ちなみに「円安の主犯」は、日本国政府の財政政策と日銀の金融政策だ。金利の無い世界を作り出した事はとても罪深い。
投稿: オークX32 | 2022年9月22日 (木) 10時03分
>オークX32 様
コメントありがとうございます。
資産配分を動的に変更することは、一般論としてはオススメしていません。しかし、静的資産配分が逆にストレスとなり、資産運用を続けられない要因となってしまう場合、ご自身の責任において「楽しむ」ことはひとつの選択肢だとは思っています。
投稿: NightWalker | 2022年9月22日 (木) 10時57分
もう一点だけ付け加えておくと、
(1)金融緩和は正解だった。特に大きかったのはリーマンショックとその後の無策のせいでで失われた現役世代の雇用が、これによって回復したこと。
(2)しかし、せっかく緩めた財布のお金を使っての財政出動をきっちりできなかった。結果、成長戦略にまで行き着かなかった。
つまり、日銀は腹をくくって仕事をしたが、おそらく財務省がブレーキを踏んでしまい、アベノミクスは無念な結果に陥った、と私は感じています。
投稿: NightWalker | 2022年9月22日 (木) 19時06分