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2022年9月 5日 (月)

NISA拡充で投資しやすくなる人はどんな人か?

東洋経済ONLINE、山崎元さん。

NISA拡充で投資しやすくなる人はどんな人か?

山崎さんからのNISAの使い方、超重要な「4つの原則」は以下の通りです。

(1) 運用益非課税のメリットを生かすために、NISAには期待リターンの高い資産を割り当てるべきだ。期待リターンが低い債券が入った「バランスファンド」はダメ。
(2) NISAでの保有資産を売却するとその分の非課税運用枠が使えなくなるので、事情の変化で売りたくなるようなものはNISAでの投資には不適切だ。個別の株式やテーマ型投信などは不向きなのだ。NISAで使える以上の運用資金を持っていて、個別株やテーマ型投信を買いたくなったら(とくにテーマ型投信は買わなくてもいいのだが)NISAの外で持つほうが適切な場合が多いはずだ。
(3) 大きな分配金が出る商品は長期投資における複利効果を減ずるのでダメ。多分配型の投信は不適切だ。
(4) もちろん手数料が高い商品はダメ。運用管理費用が0.3%を超えるようなものはすべてダメ。

極めて合理的です。

ただ、NISAが拡充されると、ちょっと変わるのかな?と思ったことがあります。仮定は、現在出ているNISAの拡充が全て通った場合です。

その1 NISAでバランスファンドはダメ・・と言い切れなくなるかも

実は今でもそうなのですが、「リスク許容度が低い」「金銭的に余裕がない」というような人、たとえば、生涯かけても、非課税ワクの半分とか3分の1くらいしか使わないというような人の場合(それはそれで残念ですけれど)です。このケースでは、NISA口座の外の低リスク低リターンの資産とリバランスするのはめんどくさいので、バランスファンドを使うという解があります。これ、やっぱり楽チンな解のひとつなんですよね。私自身はこの解を選びませんが、妻はその方向。

もし非課税ワクが大きく増えれば、そういう方々の裾野が広がるかもしれません。

その2 NISAは途中で売っちゃダメ・・でもなくなるかも

売る理由はギャンブル的な理由以外にも、まとまったお金を使いたいから売りたいという健康的なものもあります。「売りたい事情」は、ファンドの投資事情もありますが、それより、個人の事情の方が本来は大きいわけで。

もし、仮に売ってもすぐワクが復活し、非課税額が人生の3大支出に見合う程度にしっかりあるのであれば、途中で売るのはありですよね。老後資金限定ではなく広く使いたいという方の使い勝手が大幅に向上し、これまた裾野が広がるように思います。

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やはり、今回のNISA拡充案はいい。なんとしても実現して欲しい。制度の可用性(Availability 安定して利用することができる)が高まる結果、投資する人の裾野が広がるのかも。投資していない人が投資を始め、NISAを利用していない人が利用する。まさに金融庁が目標とするところです。

「制度の損得なんてあんまり考えなくても使える」方が良いに決まってます。そんなことにオツムを使うヒマがあったら、投資の本質的な部分、たとえば「資産配分」や「リスク許容度」に思考を集中させるべきですよね。

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なお、つみたてNISA制度が拡充しようがしまいが、

 手数料が高い商品はダメ

これだけは永遠不滅の真理であります。個人的に絶対に譲れません(笑)。

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コメント

NISAが拡充されると制度の可用性が高まる点と、山崎氏の4原則への異論について全く同意見です。
(その1バランスファンド)つみたてNISAに債券ファンドがないので、株50債券50のような古典的なアセットを組みたい人は信託報酬の割高なバランスしか選択肢がないですね。今年の税制改正の金融庁の解説でも、今後も債券ファンドを入れるつもりはないらしいので、新しいNISAになればリバランスできる(損益確定しても非課税枠が減らない)のに、信託報酬の安い債券ファンドがなければアセットアロケーションの最適化はむずかしいですね。
(その2売っちゃダメ)NISAが始まった2014年からもう8年目で、自分も資産もその分、年をとったので、保守化(キャシュ比率が年齢に近似化)しています。NISA口座の履歴を調べてびっくりしたのは、約900万の元本の内、残っているのは450万のみで、すでに450万の元本分は利益10%で売却済みだったことです。高齢者と若者の運用スタイルは当然違うので、目配りがよく効いた制度設計になって欲しいですね。

投稿: akio | 2022年9月 7日 (水) 18時04分

>akio 様
コメントありがとうございます。
オールカントリー級に、これぞ、といいきれるローコストバランスファンドが出て来るといいですね。
債券クラスとのリバランス問題については、非課税で売却でき非課税ワクが簿価分復活する、という拡充の活用で折り合いを付けていく方向でしょうか。

投稿: NightWalker | 2022年9月 7日 (水) 18時20分

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