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2022年8月 4日 (木)

「安倍晋三氏の10年」の日本株 上昇率は米国株に匹敵

日経田村正之さんの「お金を殖やすツボとドツボ」シリーズをひたすらご紹介するエントリー。第51回のテーマは、こちら。

「安倍晋三氏の10年」の日本株 上昇率は米国株に匹敵

今回は、

”ハナちゃん 日本株はバブル高値の1989年末に比べ30数年たっても7割程度。長期投資が報われなかった

岡根先輩  そうした日本株のイメージが本当に正しいかみてみる”

という非常にわかりやすいテーマ。

で、「安倍氏の10年」で見てみると、ダメダメに思っていた日本株が「好成績だった米国株に匹敵していた」とのことで、グラフが付いてます。「非常に割高だったバブル期の株価の調整を2010年前後に終えていた」という見方もあるようです。記事には、日本株がPERからみた適正な水準になってきているというグラフもあります。是非、ご一読くださいませ。

本記事では、以下のように整理しています。

  • バブル高値からの日本株の長期低迷からくるイメージに引っ張られ、多くの人が「投資は怖い」と思い続けるのはもったいない
  • 投資のキモは分散。世界全体に広く投資をするのはとても大事。
  • その際日本株も重要な資産の一つとして、時価総額比率などに応じて保有し続ければいい

雑談

投資信託ベースで見るとどうなんだろうと言うことで、SMTシリーズの10年パフォーマンスをモーニングスターさんでチェックしてみました。

あれ?米国株の方がいい成績な感じが(^^;)。田村さんの記事は現地通貨ベースですからその差でしょうか。というか、絶対値としてみたとき、年次換算のリターンが10%越えというのはすごすぎるかも。平均回帰の原則から考えると、そっちの方が怖いかな。

コスト等々、いろんな意味でフラットに比較できそうな日本産のインデックスファンドって、まだまだ歴史が浅いと痛感する今日この頃です。

なお、私が、「米国株だけが勝ち続ける」とか「日本株はとにかくダメ」という考え方よりも、「どうなるかわからないから世界分散」という考え方を支持しているのはいうまでもありません。

余談

記事の最後に、

”資産所得倍増プランの具体策はまだ見えない。安倍元首相の「日本を取り戻す」目標を引き継ぐためにも思い切った内容が期待される。”

とあります。

これについてはひとことだけ。日本株の復活は、日本企業の収益力や生産性、ひいては最先端分野における日本の技術力の国際競争力低下の問題であって、資産所得倍増とは切り離して議論すべきだと私は考えます。

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コメント

はいこの手の集計って、時期や通貨などによってかなり変わりますね。ただ日本株ダメダメ論って、あまりに論じやすいので過剰に流布してる気がします( ;∀;)

投稿: たむりん | 2022年8月 4日 (木) 04時57分

>たむりん様
コメントありがとうございます。
>過剰に流布している
そうですよね。日本の悪口を言いたい勢力が一定数いますw
とは言え課題が多いのも事実で、一番大きいのは金利。なんとか底上げしてもらって世界について行っているという部分がどうなるか。
田村さんのおっしゃるように「日本株も重要な資産の一つとして保有し続ける」しかないと思ってます。

投稿: NightWalker | 2022年8月 4日 (木) 09時33分

安倍内閣は2012年12月26日に発足(実質2013年1月)なのに、なぜこの記事のグラフの起点は2012年10月なのでしょう。2012年10月末の日経平均は8988で、12月末は10395、2013年1月末は11138です。この記事の日経インデックスは安倍内閣発足と微妙にずらすことで、15%以上かさ上げされています。こういう悪意ある記者の記事には気を付けないといけないですね。

投稿: うえちゃん | 2022年8月 5日 (金) 22時47分

>うえちゃん 様
コメントありがとうございます。
当時10月くらいから資本主義に敵対するような民主党政権の崩壊が濃厚となっていて市場は好感していた。そんな記憶があります。で、12月の自民復活めがけて株価はどんどん上がっていった。株価というのは未来を事前に織り込んでいくものですし、そういう意味で10月を起点にしているのは納得感もあります。
ただ、おっしゃるように期間によってパフォーマンスは見え方が変わりますよね。
元記事は、日本株ダメ=投資ダメじゃないよ、ということを言いたかったんだとは思います。
個人的には、日本の問題は、MSCI ACWIでの日本株ウェイトが減り続けていること。日本の企業が成長していないこと。そしてそれは国として世界と戦う戦略がないことに起因していると考えます。

投稿: NightWalker | 2022年8月 5日 (金) 23時04分

コメントありがとうございます。日本株ダメと短絡的に決めつけるのはだめ、というのは私自身、日本株に積極的に投資している一人として、その通りと思います。ただ、この記事は「安倍晋三氏の10年」の日本株、という枕詞がついています。日本株一般のことを言っている訳ではなく、安倍政権下での日本株と限定しています。そして記事では日経平均のグラフがS&Pを上回っていることが一つのハイライトになっていますが、12月末を起点にすると下回ってしまいます。そういう点で非常に恣意的な操作を含んだ問題のある記事であるとコメントさせて頂きました。

投稿: うえちゃん | 2022年8月 5日 (金) 23時24分

> うえちゃん様
>日経平均のグラフがS&Pを上回っていること
「いくつかの条件を付ければ、上回っている期間もあった」ということなんでしょうねw

投稿: NightWalker | 2022年8月 5日 (金) 23時35分

あ、すみません、その後みてませんでした。アベノミクス相場が始まったのは12年11月の衆院解散なので、アベノミクス開始後の成績を月次でデータを取る場合、今回のようにその前月末にあたる10月末から始めるのが一般的です
金融機関がアベノミクス開始後の株価について言及する場合も月次ベースでは10月末を起点とすることが多いです。

なので誤解を招かないように本文中に「2012年11月から始まったアベノミクス相場。その後も…考える」と定義しているわけです。それにもかかわらず、実際には書いていない「安倍政権下の10年と書いている」と言われても…。「安倍政権下」と書くなら、退陣後の期間もまた、除かなきゃいけないですしね。

岡根 そうした日本株のイメージが本当に正しいかみてみる。7月初旬に凶弾に倒れた安倍晋三元首相のもと、2012年11月に始まった「アベノミクス相場」。その後も安倍氏が主導した金融緩和や企業統治の改善などは続いているので、この6月までの約10年を「安倍氏の10年」と考える。

この記事は日本株に対する過剰なネガティブイメージとは異なる見方を示したもので、一つの手法としてアベノミクス相場開始前の10月末と比べることが不適切とは思いません。他の手法もあるとは思いますが、それはまた別の方にお任せしたいと思いますw。

投稿: たむりん | 2022年8月14日 (日) 17時51分

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