投資信託の資金流入が10年前とは様変わりしていた件
日経 マネーのまなび、QUICK資産運用研究所 清家武さんの記事。
投資信託の資金流入が10年前とは様変わりしていた件
記事では、2022年1~6月の投資信託の資金流入額を10年前と比較しています。結果を表にまとめたのが以下。
- | 2012 | 2022 |
毎月分配型 | 9本 | 2本 |
アクティブ投信 | 1本 | 4本 |
インデックス投信 | 0本 | 4本 |
10年前はインデックファンドは0本。今は、以下のファンドがランクイン。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
- SBI・V・S&P500インデックスファンド
- 楽天・全米株式インデックスファンド
記事の最後は、こう締めくくられています。
”アクティブ型は運用会社のメインの商品。信託報酬が一定以上あるアクティブファンドの残高が増えないと運用会社や販売金融機関の収益は上がらない。”
なんとも、売り手サイドの悔しさがにじみ出ている一文w
今後もインデックス投信への資金流入が増えることを期待
でも、しょうがないですよね。個人投資家は、ついに気付いちゃったんですから。
- 資産形成が目的でお金を増やすには株式の長期投資(バイアンドホールド)が適切。
- 長期投資は、コストの低いインデックス投信で世界に分散することが適切。
たった2つ。思えば、長期投資を謳うファンドですら、この2つができていない(特に後者)というジレンマが、当ブログを作るモチベーションの1つにありましたっけ。
もちろん、長期の資産形成以外の目的で投資をする場合には、インデックス投信以外の解も十分ありうるでしょう。上記ランキングは、アクティブが見放されたと言うより、資産形成のために株式投資を利用する人が増えた、という意味なのかもしれませんね。
本ランキング、10年後、どうなっているか、ちょっと楽しみです。
個人的には、日本の資産形成はまだ道半ば。国民の危機意識、マネーリテラシーが更に高まり、資産形成マネーが投信市場を席巻しているのではないか? ITスキルも高くなるであろう10年後の高齢者はそう簡単にだませないのではないか? その結果、インデックス投信がランキングの上位を独占しているのではないか? 期待を込めてそう予想したいと思います。
三菱UFJ国際投信の代田さんが数年前に「日本のバンガードを目指す」とおっしゃっていた意味を噛みしめちゃいます。運用会社が生き残るための戦略は、日本でも同じと。一方、他社、目先の利益にとらわれ踏み込まなかった、踏み込みが甘かった会社の末路やいかに。
余談
そういえば、10年前から日本株投信はランキングに入ってません。ランキング外で日銀がETFをドバドバ買ってますから、本当の一位は、TOPIX連動ETFなのかも。日本企業の収益力が大きく増大して日本株が上がり、日銀の保有しているETFを外国人がまんまと買っているというのが、個人的に溜飲が下がる未来予想図ではあります。
コメント
インデックスファンドばかりが売れる現状には危機感を覚えます。
三菱UFJ国際投信の直近の営業収益(売上高)は約830億円
仮にすべてのファンドが手数料が低廉なインデックスファンドに置き換わった場合、預かり資産が100兆円あったとしても、得られる営業収益は年間100億円ほど。(信託報酬0.1%で計算)
とてもじゃないけどやっていけないのではないかと。
投稿: AKI | 2022年7月28日 (木) 22時53分
すいません。計算を間違えました。
運用資産100兆円で得られる営業収益は年間1000億円でした。
会社を成長させるためにはこの規模を目指さないといけないんですね。
投稿: AKI | 2022年7月28日 (木) 22時58分
>AKI 様
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
>この規模を目指さないといけない
その通りだと思います。運用会社も、資本主義社会の一員ですから、他の産業と同じく世界と競争するしかないと考えます。
投稿: NightWalker | 2022年7月29日 (金) 00時55分