つみたて投資についてありがちな誤解を2つほどあげてみる
はじめに
毎度おなじみ、「日経マネー」が毎年実施している「個人投資家調査」から。
- 「毎月、リスク資産への積み立て投資は行っているか」 Yes 57.7%
- 積み立てをしている」と回答した人の約8割が元本を増やしたのに対し、「していない」と回答した人で元本を増やしたのは7割足らず
- 積み立て投資をしている人全体のうち、68.8%が配当金や運用益が非課税になる「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」を利用している
という結果でした。
つみたて投資、ジワジワ浸透している気がします。というか、つみたてNISA、確定拠出年金全盛の時代に、(投資はしているけど)つみたて投資をやってないという人が、4割いることの方が気になります。どういう人なんだろう。そっちの方が興味があるかも。
つみたて投資は、私もオススメだし、私自身もずっとやってきたことです。ただし、なんで積立投資なのと言う点については、いくつかの誤解もあるように思うので、ちょっと整理してみます。
その1 つみたて投資をするとリスクが減る・・・わけではない
つみたて投資をしたからと言って、保有した証券のリスクが下がるわけではありません。積み立てても一気に買っても、その証券の標準偏差(リスク)は変わりません。
記事の冒頭に「値動きの上下動が激しい相場で高値づかみするリスクを抑えることができる。」ってあるんですけど、この表現は微妙。「高値づかみをする心配を減らすことはできる」くらいでしょうか。「無料の精神安定剤効果」であります。安値で買えるチャンスを失うリスクもフィフティフィフティで存在するので、イーブンですしね。
その2 つみたて投資の方がお金を増やせる・・・わけではない。
上記とも関連しますが、つみたて投資の方がお金を増やせるというわけではありません。つみたて投資が有利な期間もあれば、不利な期間もあります。アンケートは、最近は、つみたて投資に有利な相場だった、ことを意味しているだけかもしれませんので注意が必要です。
山崎元先生によると、「ドルコスト平均法は、損でも得でもない」とのことなのであります。
私がつみたて投資をオススメする理由
それは、「サラリーマンの投資とはそういうもの」だから。
長期投資は、自分自身にとって最適なリスクをできうる限り長い期間取り続けることが、もっとも合理的な投資行動になります。取れるリスクを取らない状態のままにしておくことは、本来は、不合理なのです。とするなら、サラリーマンにできるのは、給料が入ったら冷徹に投資すること。
つみたて投資は、それを実現する上で、最も楽チンな方法なのですね。
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