厚生年金は生涯年収で変わる
東証マネ部、ファイナンシャルプランナー 舟本美子さん。(提供元:Mocha(モカ))
はじめに
記事には、「現役のときの平均年収が300万円、500万円、700万円というモデルケースで、老齢年金額がいくら変わるのか、およその金額でシミュレーション」した結果が出ています。
<シミュレーションの共通の条件>
- 大卒(22歳)で入社
- 60歳の定年まで勤務
- 国民年金の加入期間は40年(480ヶ月)
- 厚生年金の加入期間は38年(456ヶ月)
※2003年3月まで19年、2003年4月以降19年加入したものとして計算。賞与はないと仮定
記事にはなかったのですが、繰り下げたらどのくらい増えるかも追記してみた表がこちら↓
年収300万円 | 年収500万円 | 年収700万円 | |
---|---|---|---|
老齢基礎年金 | 78万円 | 78万円 | 78万円 |
老齢厚生年金 | 74.7万円 | 117.8万円 | 169.6万円 |
老齢年金合計 | 152.7万円 | 195.8万円 | 247.6万円 |
老齢年金合計 (70歳まで繰り下げ) |
216.8万円 | 278.0万円 | 351.6万円 |
繰り下げると、ワンランク上の年金生活を実現できることがわかるのではないでしょうか。その分、社会保険料が増えるのには注意ですけれど。
雑談
つまりは、「稼げ」ということであります。生涯年収がカギ。厚生年金は、長く働けば働いただけ増えるという極めてリーズナブルなシステムです。したがって、早期リタイアするときには特に入念にチェックしておくべき事柄になります。
ある程度の年齢まで行っているかたでしたら、こういった目安としての数値より、素直に「ねんきんネット」でシミュレーションした方が良いでしょう。年金は「自分がすべて」ですからね。ねんきんネットは、私が7年前、早期リタイアを決断するときにも大いに役立ちました。今、ちょっと見てみたら、けっこうサイトが改良されていますね。
私が、社会人一年生の時に知っておけば良かった、もっと危機意識を持っておけば良かったと思うのが、まさにこの年金の仕組み。
たとえば、ここに、過去の年金保険料が出ています。
今にして思うと、私が学生時代だった昭和50年代後半、かなり安いです。初任給が今の半分強くらいだったことを差っ引いても安い。
やはり、正しい金融リテラシーが重要です。当時、収めない方がおトクみたいにみんな思ってましたからね。私も親も。結局、数十年経って、任意加入でリカバリせざるを得なくなったわけです。
「正しい知識」をどこで勉強するのか。今も昔も難しい課題であります。
コメント
私の両親は自営だったので国民年金の対象で、制度開始時から加入していました。
保険料の変遷表を見ると、父が150円、母が100円だったようですが、
「その100円を納めるのが大変だったんよ」と店の廃業後、母から聞いたことがあります。
苦しい中から保険料を払い続けて、結局3年前に亡くなるまで、母は満額の国民年金を30年近く受給しました。
昭和36年のスタート時に国がどんなPRをしたのか見当もつきませんが、昔の人間なので、お国の決めたことには従う、という気持ちだったのかも知れません。
両親とも晩年は施設に入っていましたが、年金で大体賄えたので、結果的には生活を切り詰めても愚直に保険料を払い続けて正解だったのでしょうね。
一方自分はといえば、学生時代の任意加入期間に加入してなかったので、基礎年金は満額になりません。トホホ…
投稿: ひさご | 2022年6月18日 (土) 12時32分
>ひさごさん
貴重なお話ありがとうございます!
ひさごさんの御両親、えらい! 私の母は満額になってませんでした。「入らなくてもいいと聞いていたので入らなかった」みたいなことを言っていましたが、当時の事情はわかりません。
ひさごさんが60歳以降任意加入をなさらなかったのは、なぜでしょうか。資金が足りなかった、必要性を感じなかった、制度を知らなかった。ちょっと気になります。厚生年金を継続し60歳以降も働き続けていれば自動的に埋まりますし。
投稿: NightWalker | 2022年6月18日 (土) 16時22分
コメントありがとうございます。
私が60歳以降に任意加入しなかった理由は、「制度を知らなかった」であります。
全くもってオソマツなお話。
62歳の手前ぐらいまで働いておりまして、その後任意加入の制度を知った時には、加入できる期間がほとんど残っていませんでした。
学生時代の未加入期間は33ヶ月ありましたので、リタイア前に制度を知っていれば、それなりに準備しただろうと思います。
>正しい金融リテラシーが重要です。
とのご指摘が身に沁みます。
投稿: ひさご | 2022年6月19日 (日) 16時40分
>ひさご様
コメントありがとうございました。そうでしたか。年金機構が60歳になった時に案内出せばいいのにって思うんですけど、出さないところを見ると積極的にオススメしたくないんでしょうかね。やれやれ。
投稿: NightWalker | 2022年6月19日 (日) 16時52分
はじめまして。
投資の考え方に共感を覚え、以前よりブログ拝見しております。
Night Walkerさんと同年代かつ55歳で早期リタイアした主婦です。
現在は夫の扶養に入っています。
教えていただきたいことがありコメントさせていただきます。
すでに過去記事にありましたら申し訳ございません。
学生時代の2年間分、国民年金の未納期間があるため、任意加入を考えています。
一括で支払いも可能だそうなのでさっさと済ませようかなと考えていたのですが、Night Walkerさんはどのような形で任意加入をされましたか?
また、付加年金も追加されましたか?
年金の仕組みは分かりにくくてどうするのがベストか悩むところです。
教えていただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: Tulipa | 2022年7月10日 (日) 13時20分
>Tulipa 様
コメント&リクエストありがとうございます。
任意加入と付加年金の話は、他の話のついでにしていることが多かったので、「任意加入と付加年金」と言うタイトルで記事を一本書きますね!
投稿: NightWalker | 2022年7月10日 (日) 19時52分
早速のご返信ありがとうございます。
記事、楽しみにしております!
投稿: Tulipa | 2022年7月10日 (日) 19時59分