円安が大チャンスだと思える人と思えない人
東洋経済ONLINE 山崎元さん。
「貧乏エリート」は円安が大チャンスだと思えない
サブタイトルは、財務省・学者・メディアの歪んだ「円高好き」。山崎節全開の興味深い記事となっております。
"筆者は、現在のような経済状況にあって、日銀の利上げによる円高を望んだり、財政再建を旗印に増税を企てたり、こうした「緊縮政策」の提灯を持ったりする、官僚、学者、マスコミなどの人々を「貧乏エリート」と呼ぶことにしている。
爽快感を覚える一文。
官僚、学者、マスコミの緊縮好きの人々は、円高で不況になったり、利上げで資産価格が下がったりしても、自分の収入は殆ど変わらない。加えて、雇用が安定した人々だ。彼らの価値観の根底には、自らの「相対的な社会的地位」(経済力と社会に対する影響力、ステイタスなどの総合評価)を高く保ちたいとする欲望があるように思われる"
山崎さんは、自分は安全地帯にいて、上から目線で講釈をたれるインテリ層に義憤を感じていらっしゃいます。
思うに、「円高の方がいい人」「物価高は困る=デフレの方がいい人」の代表的な層は、「投資していない年金生活者」あるいは、そう言った方々を支持層とする政治家かもしれません。とするなら、焼け石に水となりかねない物価高対策になぜか必死な理由もうかがい知れます。
円安が大チャンスだと思える人と思えない人
山崎さんの記事で興味を持ったのは、「アメリカが円安を許している理由」と言う論点。山崎さんの仮説では、「アメリカは日本経済へのテコ入れの必要性を感じているのではないか」とのこと。たしかに、そう言う変化はあるかもしれません。以下は私の感覚ですけど、
- 冷戦期:日本が西側の「世界の工場」となり日本は経済大国に。
→日本はすっかりいい気に→円高他で、日本潰される。 - 冷戦終了後「世界の工場」役は中国になって、中国は経済大国に。
→中国もすっかりいい気に(イマココ) - 分断の時代、日本再び?だったら円安もいいじゃないか。
みたいな?
円安が大チャンスだと思える人と思えない人。両方います。
じゃ、長期投資家としての私はどうかというと、円安円高は、あくまで両方向あるリスク。為替に期待リターンを持たない。どっちに転んでもいいというスタンス(を目指してます)。
海外旅行に執着のない私として円安イヤだなあと直接的に思うのは、最近物欲が芽生えてしまった、新型Macbook Airの価格くらいですかね(笑)。
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コメント
余生をドル投資で楽しく生きる
為替の将来は解りませんが、日本が成長しそうも無い事は想像出来ます。年金生活者(日本円)はこれから厳しい時代が続く事でしょう。70歳目前にしてドル投資継続して来て良かったと思っています。今も、これからも、ずうっと定額ドル投資を続けます。「債券」+「株式」ETFを運用して楽しく暮らします。オークにとって「円安」はチャンスか?ピンチか?問われればチャンスになるでしょう。あの世に行く時は、ドル投資は娘達に引き継ぎます。
投稿: オークX32 | 2022年6月 8日 (水) 10時38分
>オークX32 様
コメントありがとうございます。
>年金生活者(日本円)はこれから厳しい時代が続く
海外投資をしていない年金生活者が今後厳しくなるのは必定だと思います。
とは言え、衰退は急激には進まないでしょうから、今アラウンド80歳以上の方は逃げ切れます。オークさんもほぼ逃げ切れる世代だとは思いますが、海外投資もしていて磐石ですね。私の世代、アラウンド60以下は、ほぼ完全にアウトです。
海外株式投資の必然性は、バブル崩壊後、少なくとも2000年頃にはわかってた話なんですけど、なんでやらない人が多かったんだろうなあ。
投稿: NightWalker | 2022年6月 8日 (水) 11時17分