退職金運用病の原因はどこにある?
Diamond Online 深田晶恵さん。
はじめに
60代以上の方が資産運用に興味を持つきっかけは、退職金や親からの相続などでまとまったお金が手元に入り、
- 預貯金では利息がつかないから「運用」しないともったいないと感じたとき
- 金融機関に「預金だけではインフレに勝てませんよ」と言われ、何となくそうかなと思ったとき
深田さんのご経験では、これらがきっかけで投資や資産運用をはじめる人は、たいてい失敗してお金を大きく減らしてしまうそうです。特に前者を深田さんは「退職金運用病」と呼んでいるそう。
”初めて投資をする人は「自分で商品を選べない。誰かに選んでほしい」と考えて金融機関に相談しますが、売り手に任せると「売れ筋の商品」を勧められることになります。少し勉強したうえで、自分が欲しい商品を売っている金融機関に出向く。このスタンスが大事です。”
ですよねー、と言うお話でした。記事で紹介されていた深田さんのご著書はこちら↓
退職金運用病の原因は、聞く相手を間違えること
深田さん命名の「退職金運用病」。原因は、「まるごしの状態で」「聞くべきではない人(利害関係のある人)に」お金の相談をしてしまったことにあります。
金融機関に聞くのはリスキーですが、友人に聞くのもリスキーです。先日も、友人が、「メタバースって知ってる?」「暗号通貨で儲かった」「実は、定年後の生活、苦しくて」「大きな支えになった。おまえもやったら?」みたいな話をするんですよねー。「まだ暗号通貨には収益を得る余地がある」「ドルコスト平均法で」「今度詳しく…」・・・いやいやいや、いろいろフラグ立ちまくりです(笑)。
ちなみに、退職金の活用については次のように考えています。
(1)定年までにリスク資産をしっかり積み上げる。
(2)退職金は現金※のまま。
(3)自動的に定年後にふさわしいリスク資産比率になる。
つまり退職金は運用しない。
※ 手元流動資金以外は定期預金、ペイオフ対策としての個人向け国債など。
岡本和久さんが以前おっしゃってた考え方です。その後は静かに運用し、静かに取り崩し、静かにお金を使う。
ただこれ、お気付きのように(1)のプロセスに問題があります。いままでリスク資産を積み上げてこなかった人には、できない作戦。そういうこともあって、個人的には、同年代の友人とはお金の話をしないことにしてます。下手するとめんどくさい話になってしまいがち。若い人はもちろん、60歳でも70歳でもたくさんの時間を持っていると感じられる人じゃないと、長期投資って寝言にしか聞こえませんからね(笑)。
それに、お金に困っていない人は、不思議とお金の話をしてこないものです。
コメント
私が相談を受けた場合は、個人向け国債(変動10年)を薦めることにしています。
絶対に安全なものは存在しませんが、銀行預金(預金保険制度で保護される分を除く)よりは安全だと思います。
そもそも金融商品の数が多すぎるのが問題です。
投稿: tama | 2022年4月10日 (日) 06時56分
> tama 様
コメントありがとうございます。
ですね。最も簡単なペイオフ対策。金利上昇局面に強い。国家の信用。と3拍子揃ってます。
投稿: NightWalker | 2022年4月10日 (日) 10時53分
まとまったお金がないとお金を増やす事はできない、と漠然と思う人が多いのかな?そんな所に「運用しませんか?」と、持ちかけてくる…。元々興味はある…。それに相談する人は他にいない…。
バッチリ需要と供給が合った。なんて考えました。
投資したらすぐ増える、と最初は思い描きがちだし。(自分の事)
中々、病気予防は難しいですね。その時、の前から準備しないと。
投稿: tattoo | 2022年4月20日 (水) 15時36分
>tattoo 様
コメントありがとうございます。
>バッチリ需要と供給が
まさに。私の母の場合、
父の遺産が転がり込んだ→増やさないともったいない→銀行の営業マンがグロソブ持ってやってきた→まんまと買う→毎月送られてくる報告書の見方がまるでわからず、いちいち増えたの減ったのと言い出す。
と言うパターンでしたね。自己責任商品を買ってはいけない人の典型。
20年近く前の話です。
投稿: NightWalker | 2022年4月20日 (水) 17時57分