年金繰下げについてのあれこれ
DIAMOND online、大江英樹さん。
年金受給の繰り下げ時の注意点と繰り上げのデメリットまとめ
年金受給の勘所が短くまとまっている良記事です。
<繰り下げ時の注意点>
- 厚生年金を繰り下げ中は加給年金等を受け取れない。
基礎年金だけ繰り下げるのもひとつの手。 - 繰り下げて増えた受給額から社会保険料が差し引かれるのをお忘れなく。
- 繰り下げても、遺族厚生年金は増えない。
遺族年金計算のベースは繰り下げても65歳受給時の額のまま。 - 繰り下げ中に「増額のない年金をさかのぼって受給」することもできる。
<繰り上げの注意点>
- 減額された支給額が生涯続く
- 障害年金が受給できなくなる
- 国民年金の任意加入ができなくなる
- 65歳未満で配偶者が死んだ場合、65歳までは老齢基礎年金と遺族年金のどちらかしかもらえない。
最後のはまったく意識してませんでした。勉強になります。
年金をもらいすぎないようにする、という注意点
年金の繰り下げ受給は、いいことが多いように思います。
- 何歳まで生きようが一生もらえる(ザ・長生き保険)
- フローが増えれば、結果、介護方法の選択肢も増える。
- マクロ経済スライドによる実質的な年金受給減額の対策にもなる。
個人的には、繰り下げ制度は、最後の話が大きいのかなと思ってます。ほんとは、「一律、70歳受給にしたいんだけど、政治的に実現ムリ。しょーがないから国民に選んでもらおっと」、「受給と納付がバランス取れるようにジワジワ調整していくんで各自考えてねー」みたいな。まあ、しょーがないですよね。
私も活用しようと思っている、そんな年金の繰り下げ受給ですが、ひとつだけ忘れないでおきたいことがあります。
それは、年金をもらいすぎないようにすると言うことです。2つの観点があります。
- 所得に連動するコストの観点(医療や介護等々の自己負担割合など)
- Die To Zero の観点
65歳になって妻の分含めて、受給額がいよいよ明確になったら考えたいと思ってます。制度(自己負担割合の条件など)が変わる可能性は否定できません。
コメント
自分の頭で考える
①日本の財政をしっかりと把握する。
②年金の「賦課方式」を考えてみる。
③自分の「資産運用」をしっかりと確立する。
オークは年金が受給出来る年齢が来たら、迷わず受給開始しました。
現在も勤務していますので、大きく減額されています。しかし厚生年金保険料は払い続けています。勤務を辞めてからの受給額が楽しみです。
受給を受けた年金は、余裕資金と合わせて「ドル投資」に振り向けています。
BND VCLT VYM VDEに 5対1対3対1比率で投じています。インフレ傾向が強いので、今はVTIPを買い付け暴落に備えています。
本文にあった、「年金なんて、いつ破綻するか分からないのだから、貰えるものは早く貰った方が良い」派を実践しています。2012年11から累計で約1200万円になりました。
投稿: オークX32 | 2021年11月29日 (月) 08時59分
>オークX32 様
コメントありがとうございます。
ワークロンガーを実践し生活はまかない、年金をもらって運用し、自己責任で繰り下げて年金繰り下げに相当する分(あるいはそれ以上)増やすという考え方ですね。長生きするのに備えるなら60歳からの投資分も長期投資。
投稿: NightWalker | 2021年11月29日 (月) 09時17分
色んな考え方がありますし、どれが正解とは言えませんが、私も定年と共に迷わず年金を受給し始めました。
一つは今までの会社生活とは違うことをはじめたかったこと。今になって思いますが、70代になると体の衰えもあり、いままで出来たことがしんどくなってきます。年金の受給開始延長の議論には金額の話だけで、そういうことはあまり書かれないような気がしますけど。。
あと、会社勤めをやめてしまった場合、満額支給になるまえの年金だけでは足りず 日常の生活費からして 毎年ある程度は資産から取り崩しするだろうから、段々と資産が減ることは覚悟してました。でも、現役時代にコツコツと投資信託を増やしていたおかげで、毎年取り崩しているにもかかわらず、10年経過した今でも殆ど資産総額が減らずにすんでます。ありがたいことです。
投稿: やました | 2021年11月29日 (月) 23時46分
>やました 様
コメントありがとうございます。
>定年と共に迷わず年金を受給
この判断の差を推しはかる観点は、ふたつあると思ってます。
1)世代
若い世代ほど、長生きの確率は上がる一方で、所得代替率の低下が見込まれている。リカバーするには繰り下げしかない。
2)職種
一生働くつもりの自営業者の場合、年金が命綱になるケースがある。
投稿: | 2021年11月30日 (火) 00時36分
医療や介護等々の自己負担割合の観点
検討してもサービスを必要とする時期における負担割合や負担区分限度額の想定は困難 原則割合は現役世代に収斂する?
介護保険も3割に収斂?
Die To Zero の観点
統計上は例えば生存確率25%等でプランニングは可能と思われるが個々人の寿命の想定は困難
個人的には種々の限度額より終身年金である公的年金の受給額の増加を優先したい。
公的年金にフルヘッジする必要はないけど。
公的年金の所得代替率は受給開始後どの世代であっても遅かれ早かれ40%まで低下する。積極的には公表していないが。
5年繰り下げして所得代替率57%くらいかなー
投稿: 年金繰り下げ待機中 | 2021年11月30日 (火) 21時40分
令和元年 第9回社会保障審議会年金部会 資料4
20ページから
から生年度別に見た年金受給後の年金額の見通し
が政府見解です。https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000540589.pdf
経済前提や実質賃金等突っ込みどころは満載ですが押さえおくべき資料だと思ってます。
投稿: 年金繰り下げ待機中 | 2021年11月30日 (火) 22時44分
>年金繰り下げ待機中
コメントありがとうございます。
>想定は困難
そうなんですよね。鬼が笑う話です(笑)。おっしゃるように「終身年金である公的年金の受給額の増加を優先」になるとは思います。
投稿: NightWalker | 2021年12月 1日 (水) 00時21分
>医療や介護等々の自己負担割合の観点
→所得に連動するコストの観点(医療や介護等々の自己負担割合など)
少し、表現を変え、意味するところを明確にしました。
投稿: NightWalker | 2021年12月 1日 (水) 09時13分