株式インデックスに積立投資をしたら、どれくらい増えるのか 2021
ニッセイ基礎研究所さん。力作です。
株式インデックスに積立投資をしたら、どれくらい増えるのか
- いろんな株式クラス(ナスダック100、ダウ平均、S&P500 、MSCIコクサイ、MSCI World、MSCI ACWI、MSCI EM、日経平均、TOPIX)
- いろんな期間(4つの金融・経済危機(日本バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマン・ショック、コロナ・ショック)の直前から今まで)
一括投資と積立投資でリターンやリスク等の検証をするレポートです。
以下がレポートの結論です。
- つみたてNISAや確定拠出年金等の税制優遇制度を活用して積立投資を長期間続ける
- 資金に余裕があるなら、あまりタイミングを気にせずに追加で一括投資
- 米国株式、先進国株式など、今後の成長が期待できる株式インデックス投資がお勧め
- 長期間投資することが大切。積立投資は今すぐにでもスタートするのが良い
太字にしたのは私です。詳しくはぜひレポートをご覧下さい。数字がもりだくさんで楽しい(←マニア)。
30年程度の過去の傾向が今後も続くとは限らない
株式インデックスに積立投資をしたら、どれくらい増えるのか?って、投資を始めたばかりの人が最初に気になる古典的テーマですよね。ニッセイ基礎研究所さんの結論も納得です。
ただ、この種の検証を見る場合、長期投資家的に私が注意していることががひとつあります。それは、
30年程度の過去の傾向が今後も続くとは限らない
ということ。
この30年、ナスダック100にバブル崩壊後から今まで毎月2万円ずつ積み立てていたら、積立元本764万円に対してなんと1億2747万円。それにひきかえ我らがTOPIXは1,621万円。これだけ見ると日本はダメダメ、ナスダック最強。
しかし、たとえば、もう少し評価期間のレンジを拡げると、終戦後〜バブル崩壊までの日本株は絶好調でした。毎度おなじみ縦軸対数の日経平均株価1950年〜のグラフ↓
1950〜1990年のニッポン有頂天期を含めると、日経平均のリターンはざっくり年率換算6%くらい。この数十年失われてしまったかに見えた日本株のリスクプレミアムも長期的にはかろうじて残ってます。
やっぱり、日本株にせよ、ナスダックにせよ、わずかな過去の実績だけで未来を占うのは大胆すぎると思う私です。未来は常に不透明。そんな中、小心者の私が辿り着いたのが、潰れそうもなさそうだし潰れてしまっても困る「全世界株式会社」だったのでした。
長期投資における株式の期待リターンが顕現するには50年、100年は欲しい。一方でヒューマン種の人生に許された時間は短い。自分だけハーフエルフ(寿命が長いらしい)にでもならない限り、絶対に勝つとは言い切れない感じです。これこそが長期投資の底知れぬリスクの大きさであり、ゆえにリターンの源泉なのであります。
「長期投資で積立てだから安心」ということはありません。それはおそらく何かのフラグです。
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