SBI証券で買える投信のコストとパフォーマンスの関係を見てみた。2021/10
はじめに
年3.34%(税込)と、信託報酬率が今一番高いファンドである「ノムラ・グローバルトレンド」のパフォーマンスを見たら、MSCI ACWIにぼろ負けしてました、という記事です。モーニングスターさんで信託報酬率の高いファンド、上位10位がこちら。
ファンド名 | リターン (3年) 年次換算 |
信託 報酬率 (税込) |
純資産 総額 (百万円) |
---|---|---|---|
ノムラ・グローバルトレンド(円)毎月 | 8.19% | 3.34% | 248 |
ノムラ・グローバルトレンド(資源国)毎月 | 8.58% | 3.34% | 1,470 |
ノムラ・グローバルトレンド(アジア)年2回 | 15.54% | 3.34% | 724 |
ノムラ・グローバルトレンド(資源国)年2回 | 8.59% | 3.34% | 499 |
ノムラ・グローバルトレンド(アジア)毎月 | 15.49% | 3.34% | 526 |
ノムラ・グローバルトレンド(円)年2回 | 8.19% | 3.34% | 1,549 |
日興・アッシュモア・G・マルチストラテジ・F | -1.82% | 3.04% | 2,379 |
国際 オルタナティブ戦略QTX(円H)成長 | -5.31% | 2.74% | 400 |
国際 オルタナティブ戦略QTX(円NH)分配 | -3.66% | 2.74% | 205 |
国際 オルタナティブ戦略QTX(円NH)成長 | -3.67% | 2.74% | 556 |
いずれも、ヘッジファンドでした。国際 オルタナティブ戦略QTXに至っては、この3年はマイナスリターン。
ところで、このノムラ・グローバルトレンド、販売会社は野村證券のみ。しかも、モーニングスターで購入金額500万円未満で検索すると「販売会社なし」という謎っぷり。ほとんど買えそうもないファンドをあげつらってみてもしょうがないですよね。普通に買えるファンドということで、SBI証券の投信パワーサーチで信託報酬率の高いファンドをあれこれスクリーニングしてみました。
SBI証券で買える投信のコストとパフォーマンスの関係を見てみた。
銘柄件数は全部で、2631件。全体を俯瞰してみると、こんな感じ。横軸は信託報酬率です。
信託報酬率が税込年2.5%以上のファンドをリストアップ。ヒットしたのは6本。
ファンド名 | 純資産 (百万円) |
信託 報酬率 (税込) |
騰落率 (3年) |
---|---|---|---|
三菱UFJ国際-J・エクイティ | 6,854 | 3.41% | 55.81% |
日興-日興・アッシュモア・グローイング・マルチストラテジー・ファンド | 2,379 | 3.05% | -3.65% |
ニッセイ-ニッセイ日本ストラテジックオープン | 998 | 2.97% | 22.50% |
キャピタル-CAMベトナムファンド | 6,206 | 2.62% | 43.96% |
新生-アメリカン・ドリーム・ファンド | 5,005 | 2.59% | 44.98% |
ファイブスター-ディープリサーチ・チャイナ・ファンド | 313 | 2.57% | 53.02% |
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これだけ見ると、信託報酬率が中途半端に高いファンドがダメで、うんと高いファンドはいいんじゃないかという気がする人もいるかもしれませんが、そもそも本数が少なく平均の意味合いがない上に、生存バイアス。(ダメなファンドは償還されてしまう)がかかっている可能性もあります。
また、一位のJ・エクイティは、税込の信託報酬率がSBI証券では1.496%~3.41%となっていますが、モーニングスターでは、1.76%。とするなら、信託報酬率3.0%以上のファンドは、日興・アッシュモア・グローイング・マルチストラテジー・ファンド1本となり、3年騰落率は、-3.65%。コストの高いファンドは生き残っているファンドですらやっぱりダメじゃん。となります。
私的まとめ
- コストがうんと高いファンドはネット証券ではそんなに売ってなかった。成績振るわず消えた(繰上償還)か、さすがに申し訳ないと思って売ってないか。
- 税込信託報酬率1.0〜2.0%あたりのコストが中途半端に高い投信がヤバい。”石”が多めの玉石混淆状態。
もちろん、コストが低いファンドの好成績が確約されているわけではなく、リターンは不確実です。しかし、コスト分のパフォーマンス下落は確実に抑えることができるのであります。
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