どうして投資する必要があるの?
どうして投資する必要があるの?というのが今回のお題。
Q.どうして投資する必要があるの?
私の答え:豊かな生活をしたいから。
とってもシンプルです。
- 世界は資本主義でできている。冷戦終結以降、実質的に全世界の共通ルールになった。
- このゲームの勝者のルールは、ピケティの「r>g」。総じて見れば、お金を持っていて、かつリスクを取ったものが勝つ。
- 頼みの綱の「科学技術」だってお金がなければ、じり貧。技術は流出もするし、後進も育たない。実際、デジタル技術、生命科学を大きくお金に換える競争で日本は米国に大きく劣後している。ノーベル賞だってかつての栄光かもしれない。
→ そうだ、投資をしよう
私が投資するモチベーションは以上です。
国が滅ぶかという敗戦で強制的にリスクを取らざるを得なかった諸先輩方が、そのリスクの代償として築いたお金や技術。まだ残ってはいるものの、冷戦終結後から続く国家間の資本主義競争に負けた今の状態のままでは、その貴重な蓄積も枯渇してしまいます。
少子高齢化で消費による経済成長が望めない我が国において、金融所得(金融産業ではない)の増大は、最新技術による生産性の高い(つまり儲かる)企業・産業の育成と並ぶ、国家最重要戦略のひとつではないでしょうか。
私が豊かになると言うことは、国も豊かになると言うことです。逆はありません。もちろん取れる範囲のリスクではありますが、そこからささやかな豊かさが得られると信じてます。
成長の方法論は既にある 欲しいのはその加速策としての減税。
この辺の考え方のバックグラウンドは、金融庁さんのNISAの資料に明確に書かれています。
2.どうしてNISAが導入されたの?
(1)将来への備えとなる資産づくりの促進(家計の安定的な資産形成の支援)
(2)経済成長のために家計の金融資産を有効活用(家計からの成長資金の供給拡大)日本国内において家計が保有する金融資産は1,700兆円に上りますが、そのうち預貯金が占める割合は半数以上と、他国と比べ突出して高くなっています(下グラフ)。
リスクを充分に取ってない日本人が、欧米より貧乏なのはあたりまえだと思うべきではないでしょうか。日本の一首相が望むと望まないとに係わらず「世界は弱肉強食の資本主義でできている」のです。
日本が成長のためにリスクを取る道は2つ。
(1)個人がリスクを取る。
(2)個人からお金を吸い上げて、国家がリスクを取る。
私は、(1)の道に一票を投ずる所存です。
その方法論は既にあります。NISAやiDeCoなり年金改革なり。あとはそれを着実に、時に大胆に、拡充していくだけなんだと考えます。今必要なのは、増税ではなく伸ばす方向に対する減税です。NISAワクをせめて総額で今の倍、総枠を単年投資可能にして高齢者にも配慮するくらいの大胆さが欲しいなあ。
少子化日本。もはや数少ない「成長」の芽が「金融所得」なんですけど。必要なのは課税じゃなくて庶民投資家向け非課税ワクの拡大。
— NightWalker (@nwalkerz) October 10, 2021
>株価が下落していることを巡り(中略)「成長があってこその分配だ。
首相、金融所得課税の強化「当面考えていない」: 日本経済新聞 https://t.co/CrsKozlMWT
コメント
シーゲルの赤本(株式投資の未来)にある、将来米国が老人の国になり金融資産の買い手がいなくなっても新興国の新しい労働者が買ってくれるから、(株式持ってる人は)大丈夫と似た話ですね。老人の国が金融資産を持っていなかったら、仰る通り沈んで行くばかりかと思います。
投稿: 匿名 | 2021年10月11日 (月) 00時23分
>匿名様
コメントありがとうございます。その通りです。
サスティナビリティの観点からは、資源やエネルギーの消費量が減る人口減は悪いことじゃないわけですが、資産運用は、その傷みをどう調整していくのかの道筋の1つではないかと。
投稿: NightWalker | 2021年10月11日 (月) 00時32分
金融所得課税,あっさり翻されましたね。どうせ支持層の大金持ち達から大反対にあったのだろうと思います。nightwalkerさんの言われるように、格差をなくしたいならまず庶民が恩恵を受けられるようなNISA枠の拡大などが先。金融所得課税をぶち上げる前に、なぜそういう発想を持てないのか、助言をしてくれるブレーンもいないのか。
不満はたらたらありますが、庶民は声を上げ続けるしかありませんね。nightwalkerさん、専門家委員会とかに参加してほしいです!
投稿: クロツメクサ | 2021年10月11日 (月) 08時07分
>クロツメクサ 様
コメントありがとうございます。
新自由主義からの脱却にせよ格差是正にせよ、日本は新自由主義とは言えませんし、再分配所得ジニ係数の推移を見ても格差が拡がってもいません(つまりそれなりに再分配は機能していると言うこと)。その一派を一掃したいとか、増税の口実を探りたいといった思惑が透けて見えます。いわば、政争の具としての政策論争。
しかし、幸いなことに国民の大勢はそれがわからないほど愚かでもありません。新内閣の支持率の低さや、翻って野党の支持率の低さに現れています。どっちもダメ(笑)。
日本人の多くが格差があると感じている要因は、おそらく日本人の所得が全体的に減少していることにあります。これを埋めるためには、低〜中所得層の「金融所得」の向上しかないと私は考えます。
「金融所得」こそが資本主義社会における「再分配」と言う掟。今、日本が生き残りのためにすべきことは、国内のなけなしのお金を調整して再分配することではなく、してやられている海外の企業や投資家からお金を奪い返すことですよね。
私も含め、これまで長期投資をしてきた人たちは、今それを実感しているのではないでしょうか。
投稿: NightWalker | 2021年10月11日 (月) 09時48分