「期待リターン」はどうやって決まるのか? 2021
トウシル、山崎元さん。
はじめに
株式投資の基本事項に関する質問に山崎さんが答えるという趣向の記事。質問はこんな感じ↓で満載です。
- 株式を評価する際に、企業が利益を出すことが前提になっているのはなぜか?
- 株式のリターンは、どうしてプラスなのか?
- 経済が成長しないと、株式にはプラスのリターンが無いのでは?
- 経済がマイナス成長でも、株式にリターンは期待できるのか?
- インデックス投資と環境問題の関係について
- 株式投資に高いリターンが期待できるのはなぜか?
- 株式のリスク・プレミアムは、どうやって決まるのか?
- 株式投資に想定する「期待リターン」はどうやって決まるのか?
- 株式投資は、長期で行えば、絶対にリスクに見合って儲かるものなのか?
山崎先生の昔からの主張ですが、経済成長率が低くても株価にはプラスの期待リターンがあるとのこと。「インデックス投資と環境問題の関係について」という質問も興味深いです。私は、環境問題は「行動」が解決し(こっちが大事)、その結果が「インデックス(株価指数)」として現れるに過ぎないと感じる派です。
さて、たくさんの質問から、今回のお題として取りあげるのはこちら↓
株式投資に想定する「期待リターン」はどうやって決まるのか?
山崎さんの答えが絶妙です。
株式投資に想定する期待リターンは「社会的に決まっている」
社会的って何? 空気を読めってことかしら(笑)。
「長年の多数説の水準はリスクフリー金利に5%から6%くらいのリスク・プレミアムを足した水準」が「相場」とのこと。記事中では、「「株式の期待リターンは無リスク金利プラス、リスク・プレミアム5%くらいで考えよう」とまとめてます。今日のひと言。
空気とは5%なり。
当ブログを始めたばかりの頃に熱中していたのが、資産配分をあれこれ変えてポートフォリオ全体のリスクリターンを求めること。その計算の果てに最適解があることを夢見ていました(笑)。パラメータは、各資産の「期待リターン」「標準偏差」「相関係数」の基本三点セット。Excelの表を作って計算してました。その際の私の教科書がこちら↓
そのとき、先の3パラメータを探したわけですが、
- 期待リターン:過去のリターンが今後も続くとは限らない
- 標準偏差:過去のデータは割と役に立つが、どの株式資産クラスも1シグマ=ざっくり20〜30%
- 相関係数:相関は変化するので今後を占いづらい。リスク資産同士の相関は大きく、理想である逆相関の資産は見つからない。唯一言えるのは、リスク資産と債券、特に現金との相関が小さいことくらい。
つまりは、決定打がないことに気が付き、最適ポートフォリオの探索は止め、
- だいたい混ざってればいい
- できたお金が期待リターン
という大幅にアバウトな結論に達した私だったのでした。2番目は、山崎さんの記事の「長期で行えば、絶対にリスクに見合って儲かるものなのか?」ともつながります。長い旅路の果て、できたお金、今あるお金で生きる。そう思うようになったのであります。
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