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2021年10月21日 (木)

年金改革、新案の誤解 給付抑制見直しで会社員は損か

日経田村正之さんの「お金を殖やすツボとドツボ」シリーズをひたすらご紹介するエントリー。第42回のテーマは、こちら。

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年金改革、新案の誤解 給付抑制見直しで会社員は損か

さて、今回のテーマは、年金改革案のお話し。すでに、「厚生労働省の社会保障審議会で昨年末に提示、総裁選の直前にも前厚労大臣が今後の改革案の重要な柱として打ち出していた」内容に対する田村さんの解説記事となっております。ロジックをできうる限り短く私なりにまとめますと、

  • 年金改革の軸はマクロ経済スライドだが、デフレで進捗が思わしくない。
  • 進捗には差があり、基礎年金は大きく悪化しているが、厚生年金は微減の見通しで余裕あり。
  • なので、厚生年金が基礎年金を支えている部分を増やして調整する。
  • マクロ経済スライドの調整期間を、ともに2033年度とすることで実現。
  • 結果、一部高所得世帯を除き、全体としては所得代替率の減少幅を抑えることができる。

というものです。

年金改革には他に「厚生年金の適用拡大」などもあり、個人的には年金改革とは、

 国民年金と厚生年金の段階的一体化

を指向しているのではないだろうかと愚考する次第です。

僭越ながら、年金改革を唱える全政治家にまずは読んでいただきたい記事でした。

結局、年金改革って何なのか。

理解しておくべきは、

  • 年金改革は、既に進んでいる。
  • 何ごとも100点満点の答えはない。

ということ。素人が思いつくようなことはすでに考え尽くされているのではないでしょうか。権丈さん曰く、『国民が国を信じてそれまで払った年金の保険料の拠出記録をチャラにするなんて、「たとえカエサルでもナポレオンでもやらなかった(できなかった)だろう」』なのです。

田村さんの記事の冒頭、ハナちゃんの発言に「話がうますぎて眉唾。」とありますが、まさに年金不信の核心を突いているような。こういう直観を持つこと自体は巷にあふれる詐欺話に対する防衛本能として正しいのですが、ロジカルに判断しないと「別のうますぎる話」にひっかかっちゃいますよと。

年金のベーシックインカム論もチラチラお見かけしますが、個人的には反対です。世の中が七転八倒しそう。これから年金受給者になる私を巻き込まないで(笑)。もし、どうしてもベーシックインカムを実現したいのであれば、高齢者の前に少子化やコドモの格差是正などを背景としたコドモのベーシックインカムの議論を優先すべきじゃないかと。シングルマザー支援にもなるでしょうし。

閑話休題。年金改革の課題は、田村さんのご指摘の通り、

 政府は改正案の理由や意義を繰り返しきちんと説明すべき

という点にあります。年金制度の成り立ちはひと言で語るにはあまりにも複雑。厚労省も、批判ばかりのリベラル系メディアが頼りにならないのなら、金融庁のようにブロガーをうまく使えばいいのに、と思ったり(笑)。

田村さんの記事には、最後に、絶妙のフォローがあります。

”岸田文雄首相は総裁選で河野太郎候補の最低保障年金などの案を批判、ブログで「耳目を集める提案より地道な改革が必要。働く人すべてに厚生年金の世界に入っていただき低年金・無年金の方を少なくしたい」と書いた。首相としての強力な推進が望まれる。”

思わずにんまりした私でした。

 

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