お金をどのぐらい投資に回しますか?
東証マネ部さん。
記事には、3つ設問があります。「わからない」「答えたくない」という回答を除いて、グラフ化してみます。
Q.自由に使えるお金(可処分所得)のうちどのぐらいの割合を貯蓄や運用に回していますか?
6割くらいのひとが、手取り収入の0〜30%を蓄財に回しているようです。
若いうちは自己投資に回して収入を増やし、収入が増えたら蓄財率を上げるのが理想なのかな。個人的に思う課題は二つ。
- 社会人になってからの自己投資は意外と成功率が低い。
- 収入が増えるとその分、使いがち。
私の場合は、実に平凡、実に普通。貯蓄率は0〜3割がやっぱり限界。収入が増えたら増えたで子どもの教育費やローンに消え、それが終わったら、早期退職勧奨を受けることになってしまい、今に至ります。結果オーライ、生き延びれば勝ち組、と思うことにしてます。
Q. 資産(貯蓄)のうちどのぐらいの割合を投資に回しますか?
6割くらいのひとが、資産の0〜30%をリスク資産に回しているようです。
私、過去に受けたインタビューで「リスク資産比率は全金融資産の半分くらい※です」というと、たいてい「保守的ですね」と言われてましたが、平均的な日本人の水準からすると、そんなことはなかったのかも。
※資産形成、現役時代の話です。
長期投資の最大課題は、やっぱり「自分にとっての適切なリスク」
橘玲さんの資産形成の方程式に尽きるなあ、とあらためて思い返す私でした。
資産形成 = (収入ー支出) + (資産×運用効率)
「収入の半分で暮らし、ひたすらインデックスファンドを買ってストロングホールドする」っていうFI実現の方法論がありますが、この方程式に凝縮されております。魔法はないのであります。
記事にはもうひとつ 「投資に回す比率を決めるときに一番重視するものを教えてください」という設問がありました。「取ってもいいと思えるリスク」が41.8%。当ブログとしての見解と一致です。「達成したい目標額」が20.7%と続いてますが、長期投資を標榜する当ブログとしては、これはオススメできないです。長期投資は続けてなんぼ。許容リスクを超えたせいで挫折してしまっては元も子もありません。
「比率を決めてない」という方が29.7%いらっしゃいました。適切なリスクって、生活環境(家族構成等々)や自分のリスク感性も絡むため、ものすごく難しいんですよね。それがわかるのには10年くらいかかる、というのが私の経験則だったのでした。でも、決める努力はすべきと思います。何ごともできうる限り定量的に把握することが重要なのかなと。
コメント
ブログ、著書を愛読させて頂いております者です。
本ブログで若いうちは自己投資に回すべきだ、
しかし社会人になってからだと効率が悪くなるという文章が気になりました。
私は学生なので時間を無駄にしない様に学生のうちに自己投資に励もうと思うのですが、
night walkerさんはどの様なことに投資すべきだとお考えですか?教えていただけると幸いです。
既に「世界一ラクなお金の増やし方」や「ほったらかし投資術(山崎元著)」を参考に資産形成は始めております。
御回答の程、宜しくお願い致します。
投稿: こー | 2021年9月 9日 (木) 10時08分
>こー様
当ブログ並びに拙著をお読みいただきありがとうございます。学生さんにまで読んでもらえてるなんて、感激です。
>どの様なことに投資すべきか?
それでは、2つほど。
どういう職業に就くか、自分はどんな仕事なら成功しそうか、ということがまずひとつ。
もうひとつは、なかなか成果の出にくいスキルへの自己投資です。テーマ選定のポイントは「一生やっていけそうなくらい好きなこと」「できると儲からなくても人生が楽しくなりそうなこと」です。好きなことなら後悔も少ないでしょうし、40代50代になったとき思わぬ人生の展開を呼んだりもします。
社会人になってからの自己投資は、身もフタもないですが、やっている仕事で成功することに集中投資する方が有利。ですので、時間に余裕のある学生時代にそうではない方向に目を向けるのも大切なのかな、と愚考いたします。
以上、ご参考になれば幸いです。こーさんの学生生活が実り多きものになるよう、及ばずながらお祈り申し上げます。
投稿: NightWalker | 2021年9月 9日 (木) 11時17分