投信のコストについて整理してみる 2021
モーニングスターさん。投信のコストは信託報酬率以外にもあるので要注意。運用報告書なんかもチェックしてみてね、と言うお話でした。
投信のコストを整理してみる
そういえば、最近、投資をはじめたばかりの方向けに投資信託のコストについての基本事項を確認する記事を書いてなかったなということで久しぶりにまとめてみます。
投信のコストは、次の3つがあります。
(1)購入時にかかるコスト
(2)保有しているだけでかかるコスト
(3)売却時にかかるコスト
(1)については、最近は多くのファンドがノーロードになりました。(3)は、信託財産留保額と呼ばれるものです。売却によってかかる費用をファンドを保有している人が一方的に負担することにならないようにするためのものでもありますから、一概にゼロがいいとは言えません。
個人投資家の長期投資において重要なのは、長期パフォーマンスに大きな影響を及ぼす(3)運用時にかかるコストです。
- ご参考エントリー:コストとリスクがどのように資産をむしばんでいくかを見る。
どんなコストがかかるかは、運用報告書にズバッと書いてあります。例として、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの運用報告書を見てみます。p3の表↓
(1)信託報酬(2)売買委託手数料(3)有価証券取引税(4)その他費用に大きく分かれ、この例の場合、以下のような割合のコスト構造となってます。保有コストは、信託報酬率だけじゃないんですね。
基準価額はウソをつかない
モーニングスターさんの記事には、
”もっとも、この比較は決算時期の異なる3ファンドの「運用報告書」を比較しているため、正しい比較とは言えない。厳密に総費用を比較するのであれば、同じ時期のコストを並べて比較することが公平といえるが、残念ながら、各ファンドの設定時期が異なるため、決算タイミングを揃えて比較することができない。”
とあります。じゃあ、どうすればいいのよ?ってなっちゃうんですけど、私の見解は「年次リターンなどのパフォーマンスを見比べるしかない」です。パフォーマンスには、上記のように明示されたコスト、運用上のブレ等々が全て反映されます。「基準価額はウソをつかない」のであります。
ためしにモーニングスターさんの記事でも取りあげられている有名どころのMSCIコクサイ(配当込み)指数連動ファンド3本の年次リターンを比較してみますと・・・
日付 | ニッセイ 外国株式 インデックス ファンド |
たわら |
eMAXIS Slim 先進国株式 インデックス |
---|---|---|---|
2021年8月 | 36.37% | 36.40% | 36.41% |
2021年7月 | 43.31% | 43.35% | 43.33% |
2021年6月 | 46.02% | 46.08% | 46.01% |
2021年5月 | 45.35% | 45.27% | 45.21% |
2021年4月 | 49.37% | 49.31% | 49.27% |
2021年3月 | 56.64% | 56.61% | 56.55% |
2021年2月 | 24.74% | 24.69% | 24.68% |
2021年1月 | 11.15% | 11.10% | 11.12% |
2020年12月 | 9.03% | 8.98% | 9.01% |
2020年11月 | 9.17% | 9.13% | 9.15% |
2020年10月 | 1.54% | 1.48% | 1.51% |
2020年9月 | 8.57% | 8.53% | 8.56% |
ほとんど差がないですね。ポイントは、同じ指数に連動するファンド同士を比べることです。
なお、個人的には、上記3つのファンドはどれも優秀、と思っております。
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