投信、テーマ型急増や「一物多価」 顧客本位は道半ば という話。
日経田村正之さんの「お金を殖やすツボとドツボ」シリーズをひたすらご紹介するエントリー。第39回のテーマは、こちら。
はじめに
今回のテーマは、「金融庁の様々な報告書でも浮き彫りになっている」「顧客本位の業務運営」について。
(1)テーマ型投信の販売
最近の流行りはなんと言ってもESG。「ESG関連などの名前を付ければよく売れる」模様。たいした工夫もない割高な投信が多いんじゃないの?というご指摘です。ハナちゃん曰く、
”持続可能な社会を目指す大切な取り組みが「はやりもの」になってるなら残念ね。”
(2)インデックス型の「一物多価」問題
昔の高コストなインデックスファンドが売られ続け、確定拠出年金のファンドに至っては、会社が選んだ商品しか買えない。ハナちゃん曰く、
"従業員は気の毒ね。"
(3)投資一任のファンドラップ
コストが高い割に(年3.5%弱のものもある)成績がいまいち(ファンドラップ用投信の成績はバランス型投信の平均に劣る)。ハナちゃん曰く、
"毎年3.5%も引かれたら資産は増えにくいですね。"
以上、「ハナちゃんの言う通り」でした。なお、金融機関毎の売れてる商品は「販売員の業績評価で大きく変わる」との分析。あたりまえですよね。サラリーマンだもん。
雑感
ESG投資に対する私の整理は、
- 持続可能な社会の実現は、長期投資家として望まれる。(GPIFが投資する理由もここにあるはず)
- しかし、ESGを実現できる「具体的かつ合理的な解(投資先)」が私にはよくわからない。
- というか、もはや、ほとんどの会社はESGを意識している気がする。
私の知人の話を聞いても、ここ数年良く聞くキーワードはSDGs。適切な社会の規制、年金マネーの方向性が明らかであれば、ESG××というファンドなんぞに頼らなくても、ほっとけば、総じて見るところの株式会社は、持続可能な社会を実現しつつお金を儲け続けるようになってくれるんじゃないかなと。
もはや薄汚れてしまった私が、ESGって言葉になんとなく感じるのは「美し過ぎる」こと。私、「ゆとり」とか「安心」とか「耳に聞こえのいい言葉」が頭に付いた制度や商品は信用しないことにしています(笑)。
また、記事では、インデックスファンドの一物多価の問題も出ています。これ、金融庁が「伝家の宝刀を抜く」しかないのではないでしょうか。金融機関の自助努力に期待するのはかわいそすぎる気がしてます。金融機関のサラリーマンのみなさんに言い訳を作ってあげないと。
前から言っていますが、たとえば、同一指数のインデックスファンドのスイッチングに限りスイッチング非課税にすること。インデックス投資家って合理的な行動をする人が多いので、運用会社さんのお手を煩わすことなく市場原理で一気に勢力が塗り変わると私は考えます。
コメント
僕の記事、毎度お取り上げいただきありがとうございます。「美しすぎる」同感です。SDGSやESGを高らかにうたいあげられると、「世界人類が平和でありますように」の看板的なあやしさを感じますw
投稿: たむりん | 2021年8月 6日 (金) 03時22分
>たむりん様
コメントありがとうございます!いつも有益な情報発信ありがとうございます。
>あやしさ
まさにそれですね(笑)。
投稿: NightWalker | 2021年8月 6日 (金) 09時13分