介護に必要なお金を考えておく
はじめに
早期リタイアには限りませんが、程度の差あれ人間誰しもいつかは「要介護」の時を迎えます。では、お金はいくら必要なの?というのが冒頭の記事。
”生命保険文化センターが介護経験者に行った調査によると、住宅改造や介護用ベッドの購入など一時的な費用の平均が69万円、1カ月の介護費用は同7.8万円という結果だった。平均の介護期間は54カ月強なので、合計500万円近くに上る。”
ここには平均のワナがあって、必要な介護のレベル、在宅か施設によっても変わりますし、介護期間の長さも大きく違います。在宅では月平均4.6万円、施設では月平均11.8万円、という目安が紹介されていますが、有料老人ホームだと初期費用が大きいですしもっと高くなります。期間も10年以上というケースが結構あります。正直、ピンキリですよね。
記事の最後に、最も重要なことが書かれています。
”親の介護なら「親のお金でする」ことが肝心だ。”
自分の介護費用は自分でなんとかしなさいというあたりまえのことであります。
私の介護費用
介護費用。私の場合は、全部でいくら掛かるの?ではなくキャッシュフローとして考えています。
ここで役に立つのが、FIREのブームのおかげで一部に広まりつつある4%ルール。つまりは定率取崩し。率がいくらが適切かは議論はありますが、目安を考えるときには便利な考え方です。たとえば、記事の在宅介護費用、月5万円分=お金Xを4%ルールでまかなうとするなら1500万円、夫婦2人分と考えて月10万円なら3000万円でまかなえることになります。
- 元気高齢者のうちは、
取り崩したお金Xを余裕資金として使う。 - 在宅介護要になったら
介護が必要な状態になったら元気なときのようにはお金を使わない
そのお金Xを在宅介護費用に割り当てる。 - 施設介護になったら
①有料老人ホームに入る場合:自宅を売却して初期費用に割り当てる。
②年金の一部※+Xを施設介護のキャッシュフローに割り当てる。
※これを見込むため「年金繰り下げ」を活用する。 - 死後、原資である運用資産は遺産となる。
はてさて、どうなるかはわかりませんが、こんなアウトラインで目下検討中の私でした。
介護で一番問題になるのは、お金よりも・・・
以上はお金の話です。ただ、私が介護体験を通じて感じた一番の課題はお金ではなく、主介護人は誰なのか?ということ。
主介護人には大きな負担が掛かります。ちょっとでも認知症の気があったりするときの精神的な負担は、経験者にしかわかりません。一番大変な時期は、要介護レベルで言うと1〜2の時期。認知症が進むと本人ではヘルパーさんとの会話も成立しませんし、もちろんひとりでは生活できず介護者の常態的な見守りが必要です。かと言って施設には入れない(特養は要介護3から入居可能だが、実際は要介護4,5の待ち行列でいっぱい)…。悩みは多い。
誰が主介護人になるか? 私が6年前に早期リタイアを選んだ大きな理由のひとつだったのでした。
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