つみたてNISAが20代30代にじわり浸透中な件
つみたてNISAが20代30代にじわり浸透中な件
口座数を2020年12月末からの増減と2021年3月末の口座数を見てみると
- 一般NISA 0.3%増 1,224 万 5,057 口座
- つみたてNISA 19.6%増 361 万 5,075 口座
- ジュニア NISA 10.6%増 50 万 2,472 口座
絶対的なボリュームでは一般NISAが圧倒的ですが、増加率で見るとつみたてNISAが3ヶ月で約20%増と目立ってます。ジュニアNISAはかけこみ需要かしら。つみたてNISAは、下表のように、20代、30代の割合が増えているのがわかります。若手の資産形成へ、つみたてNISA制度がじわり浸透中というところです。
つみたてNISA 年代別シェア
年代 | 2021/3月末 | 2020/12月末 |
---|---|---|
20代 | 18.4% | 18.1% |
30代 | 28.1% | 27.0% |
40代 | 25.0% | 25.2% |
50代 | 16.9% | 17.3% |
60代 | 8.0% | 8.5% |
70代 | 3.1% | 3.4% |
80代以上 | 0.5% | 0.5% |
20代30代が資産形成に励もうとすると、「若いもんがiDeCoだつみたてNISAだ、ちまちま老後の心配ばかりしているんじゃない」「若いうちは自己投資だ」みたいな声も時折聞こえて参りますが、この種のオヤジブロック、じいじブロックは、基本的にスルーしていいんじゃないでしょうか。
まあ、自己投資って、半分くらいは(あるいはもっと)自己浪費みたいなところがありますからね。そのへんを噛みしめて来たのが真のオトナなのであります(笑)。株式投資も自己投資もほどほどにというところではないでしょうか。
20代が資産形成を始めるべき理由を、2つほどあげてみます。
その1 蓄財習慣を身につける。
やはり収支のコントロール力は大切です。資産形成を通じて「手取り収入の1割〜2割くらいは余裕を持つ」という支出感覚を身に付けておくことは悪い選択ではありません。これ、配偶者選びの時にも重要な観点ではないかと老婆心ながら考える次第。
その2 終身雇用を期待できなくなった。
終身雇用の最大の恩恵のひとつが、退職金(企業年金)。退職金は、若いうちにもらう給料の一部を会社がストックしておき、将来受け取ることです。退職金は老後資金の中核となりますし、所得税の面からも有利なシステムです。
しかし、みなさまご存じのように戦後ニッポンの象徴、終身雇用は崩れつつあります。自己投資が自己浪費に終わっても、老後が近付いて貯金がないと気が付いても、退職金が残った世代とはわけが違うのです。
となれば、自分で退職金分をストックしておく必要があります。
私のように、サラリーマン生活終盤で「はしごを外される」ケースもあります。終身雇用崩壊の過渡期世代であった私の場合、早期割増退職金がありましたが、このやり方が未来も残っている保証はありません。
今の20代30代の方は、これらの状況をちゃんと見ており、明日は我が身と賢く察知していらっしゃるのではないでしょうか。
つみたてNISA制度が若手にじわり浸透している背景には、そんなことがあるのではないかと考える今日この頃でした。
コメント