運用報告書に記載された開示コストだけでインデックスファンドの良し悪しはわかるか?
三菱UFJ国際投信のオンライン・ブロガーミーティングに私も参加しました。QUICK資産運用研究所さんの速報記事が出ています。
はじめに
プログラムは、
- 開会の挨拶 代田秀雄常務
- 第1部 世の中の投資に関するウソ・ホントクイズ!」
- 【Q1】同じ指数への連動を目指す投資信託の良し悪しは、運用報告書に記載されたコスト比較でわかる。
- 【Q2】ETFは銀行で購入することができる。
- 【Q3】非上場の投資信託とETFではすべからくファンドマネジャーの運用業務において大きな差があるか?
- 【Q4】米国株に投資するファンドへの投資を行う場合、米国籍ETFと国内籍投資信託に投資する場合では配当に関わる税制面で実質的な違いはない。
- 【Q5】先ほどの質問(Q4)において投資対象が全世界株式になっても違いはない。
- 第2部 Q&Aセクション
と言う流れでした。
私は、開催直前、家族と他愛もないことを話し込んじゃったりして、うっかり入り損ねました。第1部の最初の質問から参戦。代田常務のお話を聞き損ねてしまいましたが、QUICKさんの記事に、
パッシブ運用が新しく指数に組み入れる銘柄を割高に組み入れてしまい非効率だとした記事を取りあげ、「この一点で非効率と言い切るのはいかがなものか。インデックスファンドは一例ではなく、中長期的に判断していくことが大切」
という代田さんのコメントが紹介されていました。テスラのS&P500組み入れの話かしら。
メディアの記事は、玉石混淆。そういえば、ちょっと前に「インデックスファンドが市場をゆがめている」的な記事がありましたけど、よく読むと、あくまで投信市場におけるインデックスファンドの話。市場全体で見れば、ゆがめるレベルの規模には到底達してないんじゃないのと。世にミスリードな記事はつきもの。特にニッチなテーマでは批判も盛り上がらないので、各人の情報を見極めるチカラが大切なのであります。
運用報告書に記載された開示コストだけでインデックスファンドの良し悪しはわかるか?
今回のQ&A、私は、5問中4問正解でした。Q4は設問の日本語の意味がその場で頭に入ってこなくて、えいっと押したらはずれました(笑)。おしかった。
それぞれ大切かつマニアックな設問だったのですが、特にインデックス投資家として勉強しておくべきだなと感じたのは、設問1「運用報告書に記載された開示コストだけでパフォーマンスの良し悪しはわかるか?」です。答えはノー。
ポイントは、3つ。
- ポイント1 ファンドの良し悪しはパフォーマンスで!!
- ポイント2 いわゆる隠れコストだけでは、パフォーマンスは語れない
- ポイント3 運用の巧拙やファンドスキームなど様々に要因によりパフォーマンスは変化
低信託報酬化が進んだ中では、隠れコスト以外の、タイミングコストや貸株収益などなど、ひと言で言ってしまえば「よく見えない運用の巧拙」の影響が相対的に大きくなっています。
これを見るには、パフォーマンスをみることが重要という説明でした。その他コストってもともと運用報告書でしかわからないので、運用報告書の期間が異なるファンドを比較する材料としては、いまいちなところもありますしね。
ちなみに私がここしばらくやっている「全世界株式型インデックスファンドの比較」シリーズで、信託報酬率をあくまでご参考とし、パフォーマンス(年次リターン)をメインの比較要素に据えている理由がまさしくこれ。プロのお墨付きをもらえて気が勝手にしてちょっとうれしい。
あとあたりまえですけど、比較する場合は、あくまで同じ指数の同じ期間です。MSCI ACWI連動ファンドとFTSE Global All Cap連動ファンドのパフォーマンスを見比べちゃいけません。
以上、大変勉強になるブロガーミーティング。みなさまも機会があればぜひ参加してみてくださいね。
インデックスファンドという、ある意味無味乾燥なファンドの投資家を相手にこんなに熱いミーティングを開催してくれるのは、運用会社多しと言えど三菱UFJ国際投信さんだけ。最後にちらっと「リアルなミーティングの復活も考えたい」とおっしゃっていました。ウィズコロナ時代の到来に備え、ワクチン打って待ってます。
コメント