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2021年5月 5日 (水)

長期投資家の冬支度 2021

株価のジョーさんより、コメントをいただきました。

”圧倒的な好決算にも関わらず米国株価は無反応。アナリスト達も冬支度の準備をお勧めしますのようなコメントが多くなってきております。インデックス界隈の諸先輩方はどこ吹く風といった感じなのでしょうか?”

長期投資家の冬支度

「冬支度の仕方および氷河期の凌ぎ方。教えてください。」とコメントいただいてます。長期投資家にとっても、投資の春はあり、冬もあります。しかし、いつも書いていることではありますが、やることはただひとつ。

 自分にとって適切なリスクを取り続ける

これに尽きます。長期投資家は、春夏秋冬、やること自体は一緒なのです。株価のジョーさんのお言葉を借りれば、「どこ吹く風」。

とするなら、どの程度のリスクを取るべきなのか。これを考えることが、ある意味、長期投資家の冬支度です。

もし、そのお金を100年といった長期に渡って使うつもりがないのなら、運用資産を100%株式にするのが一番期待リターンが高くなってうれしいかも、です。債券、コモディティなどなど数ある資産クラスの中で、株式の実質リターン(インフレ調整後のリターン)は、ずば抜けて高いからです。(下記シーゲルさんの本のp10)

しかし、人の一生は短い。お金は使ってナンボ。そんな長期投資ができる人は少ないでしょう。

となると、リスクを調整しなければいけません。期待リターンとのトレードオフで、リスクは多すぎても少なすぎてもダメなのです。もうひとつ重要なのは、相場の好不調によって、リスク許容度を変更するべきではないということです。

そして、もし、自分の許容度の範囲を超えていれば、リバランスです。

生活防衛資金含めて欲しいキャッシュの絶対額、長期的な期待収入(若い人ほど多い)、中短期的な支出(子供の学費などまとまったお金をリスク資産だけで運用しない)などに着眼し、自分のリスク許容度を見極める必要があります。

こういう好相場では、運用資産規模がある程度大きくなっているベテラン投資家はリスク過多になっていないかをチェック。まだ、つみたてを始めたばかりの若手の長期投資家の方は、まだまだ人生で取り得るリスクの量は多いので何も考えず淡々と積み立てるのが吉ではないかと考えます。うっかり売ってはいけません。

以上、長期投資家の冬支度のお話でした。

余談 雑談

さて、いただいたコメントには、昨今の相場に関するご指摘がありました。

”圧倒的な好決算にも関わらず米国株価は無反応”

コメントにも書きましたが、好決算がすでに株価に織り込まれている結果と受け止めらなくもありません。4/30の時点でも、S&P500のPERは、実績で39.76、予想で23.07(こちら)。実績と予想にかい離があります。予想通り、企業収益が上がればいいのでしょうけれど、もしもまた得体の知れない何かの要因でひと騒動あれば、いっぺんにすっ飛ぶ可能性だってあります。バブルは崩壊してから初めてバブルだったとわかるのです。

あくまで、自らのリスク許容度と向き合うことが肝要、長期投資家たるもの一時の相場に心を惑わされてはならない、というのが基本原則ではないかと愚考いたします。長ーい目で見ましょう。

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コメント

おはようございます。コメントへの返信エントリー記事ありがとうございます。
数年前からコツコツ積立を開始し、ここ一年の急上昇相場もあってか目標だった割合(株:現金)に最近ようやく到達。
しかし、ここで、下げ相場到来ということは、やっと本格的なリバランスが出来る(しなければならない)ことにさきほど気付きました・・・。
リバランスは、急激な下げ相場の中では、完全な逆張りになるのでなかなか勇気のいることですね。回りが投げ売りしていても、さらに積み増す訳で。現実を目の当たりにすると、これもなかなか自分が試されますね。
「ほったらかし」よりも「リバランス」は、さらにブレない信念を試されている感じがします。最近のフワフワ相場で浮かれていたので、なおさらですね。
自分の決めたこと向き合うこと。これはなかなか難しいですね。頑張ります!
ありがとうございました!

投稿: 株価のジョー | 2021年5月 5日 (水) 07時30分

>株価のジョー様
コメントありがとうございます。
>回りが投げ売りしていても、さらに積み増す
直近でいえば、コロナショックの時に目標比率にリバランスできたかどうか。
何度か暴落を経験すると、リバランスのキモはキャッシュ比率なんだということに気が付くと思います。

投稿: NightWalker | 2021年5月 6日 (木) 00時20分

コロナショック時は、まだ積立時期だったので、暴落しても積立てをやめないことだけは強く意識しました。しかし、もう一歩踏み込んで、その際に一気に目標のアセット割合に持っていけば良かったかなぁとも思います。
積立時期は自動積立で実際には何かをした訳ではないですが、目標のアセット割合に達した後は、リバランス時の意識的な逆バリ(勇気を出してのポチリ)が必要ですね。初心者から中級者への変遷ですかね。笑

投稿: 株価のジョー | 2021年5月 6日 (木) 16時10分

インデックス投資家のベテラン様なのに、何故にキャッシュポジションが高めなのか、少しずつ腹落ちしてきた気がします。
基本ほったらかしですが、暴落時は一気に攻める感じですよね。これは意外でした。
フルインベストだと暴落時は逃げるしかない訳で。ついつい、フルインベストの方が攻めてる感じがありますね。笑
古典など読んでインデックス投資についてもう少し勉強しようかと思えてきました。 
ありがとうございました。

投稿: 株価のジョー | 2021年5月 6日 (木) 16時24分

こんにちは。
仙人さんのおっしゃることは、要するに上がったと言ってあわてて売ったりしない。下がったとしても臨時の買い増しもしない。そのかわり定期的なリバランス時には 上がっていようが下がっていようが淡々と自分で決めたポートフォリオに合わせるように売り買いを行う。ということなんでしょか。
この先あがるか下がるかはタイムマシンにのれなければわかりませんもんね。

投稿: やました | 2021年5月 6日 (木) 22時27分

みなさまコメントありがとうございます。
>株価のジョー様
たしかに、暴落時も暴騰時も「一気に攻める感じ」になりますね。暴落時の攻めるための主力武器がキャッシュなんです。
>やました様
>定期的なリバランス時には
はい、そういうことです。淡々と、です。定期的なリバランスに加え、あとは、相場が急変して、許容レンジを超えたときですね。

投稿: NightWalker | 2021年5月 6日 (木) 23時52分

「定期的なリバランス」っていう言葉のイメージは、「真面目にコツコツ実践していく微調整」だったんですが、「暴落や暴騰時のリバランス」は、「気合の逆張り、利確」になりますね。特に暴落時に「淡々と」やるには相当な覚悟がいるような感じがしますね。どんどん下がっていくものに、がんがん買いを入れる訳ですし。特に「ほったらかし」にし過ぎると、腹落ちしてなくて、それが出来ないかもしれないですね。

投稿: 株価のジョー | 2021年5月 7日 (金) 00時15分

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