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2021年5月27日 (木)

インフレと株価は、直接は関係ないという話。

DIAMOND online、山崎元さん。

インフレと株価は、直接は関係ない

ときどき、インフレと株価の関係について論じた文章を見ます。たとえば、

ものすごーく長い説明のあと、最後の方に書いてある

"標準的な株価評価理論では、グロースであれバリューであれ、インフレ率は株価評価には中立。(中略)  金利上昇と株価調整の最近の偶然の相関に理論を当てはめることは不適切

っていうところが、ものすごーく重要なのではないかと思うのですが、このテキストだけ読んでも中立になる論理がさっぱりわかりませんでした。たまたまですが、その点を、山崎先生は明解に説明してくださっています。記事を私なりにかいつまみますと、

理論株価P=E/(r−g)を展開すると、

 理論株価=今期一株利益/((インフレ率+実質金利+リスクプレミアム)ー(インフレ率+実質成長率))

となり、インフレ率は増えても減っても直接、株価には関係しない。重要なのは、実質金利と実質成長率の関係。

  • 実質金利上昇<実質成長率上昇のとき 株価は上昇
  • 実質金利上昇>実質成長率上昇のとき 株価は下落

また、期待収益率は、名目金利+リスクプレミアム。名目金利は、インフレ率+実質金利であるので、期待インフレ率の上昇分だけ期待収益率は高くなる。

とのことでした。

雑談

この種の科学的な説明は、シロート投資家的には勉強したとしても脳裏に残りにくい上に、メディア等に出てくることがほとんどないため貴重です。個人的には、けっこう、すっきりしました。

「所詮は経済モデル」とか「結局株価はわからないんだから考えてもムダ」とか、そもそも数式がでた時点で「拒絶反応」。手っ取り早く、何をすればいいのよってなる方も多いと思われますが、素朴な疑問についても、記事では、明解に説明されています。

現在の株価に対する期待リターンは今後のインフレ率の予想を反映しているはず。なので、自分自身に大きな変化がなければ、「何もせずに、株式を持ち続けているといいし、それは自分の資産価値のインフレ対策にもなる」

自分自身の変化以外の目先の事象は、気にしない方が吉。バイアンドホールドは、インフレに打ち勝つのであります。過去はそうでしたし、経済学は、現実に起きている事象を論理的に説明し、投資家の行動の裏付けになるものなのであります。

面白かったのは、山崎さんの記事のイントロダクションで語られるご指摘。「日本の財政赤字を考えると、将来、まちがいなくインフレが…」といって投資をすすめる商法は、かれこれ30年経っても、ハイパーインフレどころかデフレにさえなり、お金は紙くずにはならなかった。しょうがないので「老後不安」に頼るようになった。というのは、大きく「うんうん」とうなずいてしまいます。

不安に煽られて変なリスクを取った結果、かえって不安な状態になるのは避けたいですし、逆に、妙にポジティブな野望を語られて、どの世界にもいるぼったくり男爵の餌食になるのも避けたいものであります。

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コメント

財政破綻を決めるのは誰か?

日本はインフレを作るために、日銀を使って色々手を尽くして来たが、どれも失敗に終わった。国の借金を日銀の当座預金にブタ積みして、財政ファイナンスを行なっている。もうテーパリングは出来ない所まで追い込まれてしまった。プライマリーバランスは拡大するばかり。「ワニの顎は外れてしまう」

米国は、財政拡大すれば市場の装置が働き、長期金利が動きブレーキがかかる。FRB内部の議論ではテーパリングの話題が出る。政権も増税を匂わす事により、緩和に対する対抗策を発信する。
米国の状態と日本の状態を、同等に語るには無理があると思う。

今日の日経新聞「大機小機」に良記事が載っていた。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO72301650W1A520C2EN8000/

投稿: オークX32 | 2021年5月27日 (木) 17時12分

>オークX32様
コメントありがとうございます。
なんで、20〜30年前の予言のように、インフレにならないんでしょうね。いつかは国民が愛想を尽かす・・・メディアの願望とは異なり、そう簡単には、尽かさないんじゃないでしょうか。メディアの論者が考えるようなことは、政府は考えているでしょう。

MMTの立場に立つ中野剛志先生によると、民需に期待できず減税もしたくないとするなら、財政支出しかない。しかし、財政支出は、需給ギャップを埋めるに至っていない。つまり財政赤字が少なすぎるからなんだそうです。

とするなら、日本が、もう一度大きな政府を指向しだしたときにこそ、インフレの心配をすればいいのかもしれません。たとえば、莫大な設備投資費用が必要で国家として重要な産業は公社化、公立化する。教育、通信(6G)、バイオや自動化など米国に牛耳られている産業、医療介護関係者や病院の確保、そして安全保障。などなど。対象はいろいろあります。

投稿: NightWalker | 2021年5月27日 (木) 19時13分

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