年金の繰り下げは損得で考えても答えは出ない
日経さん。年金の繰下げについての徹底研究記事。考えるポイントが網羅されている貴重な記事になっています。
はじめに
記事では、繰り下げの有無による損益分岐点を、「額面」と 社会保険料などを差し引いた「手取り」で比較しています。
- 額面 :受給開始から11年11ヶ月(何歳まで繰り下げても同じ)
- 手取り:試算の条件下では、受給開始から11年7ヶ月〜15年9ヶ月とばらつく
この損益分岐点以上長生きすれば勝ち。繰り下げた方が多くもらえます。
悩ましいですよね。
それ以外にも、住民税非課税の話や、加給年金受給時の注意、医療保険の高額療養費、高額介護サービス費や特別養護老人ホーム入居の際の自己負担などについても言及されています。年金TIPS、てんこもりです。50代以上は必読。40代以下は自分と親のために必読の良記事です。
年金の繰り下げは損得で考えても答えは出ない
最近思うのは、年金の繰下げは、受給総額の損得は考えても仕方がないということ。坊主丸儲けみたいなことは考えず、年金はあくまで「長生き保険」といろんな意味で割り切ろう、と。なので、シンプルに確保したいキャッシュフローの金額で決めちゃえばいいかなあ、というのが今の私の結論です。
- 介護状態になったらマージン含めて月いくらのキャッシュフローが必要か?みたいな想定で欲しい絶対金額を決める。
- そこまではもらえるように繰り下げるが、それ以上は繰り下げず、手元資金を温存する。
- 老後の余裕資金は、蓄財なり、仕事なり、温存した資金の運用なり、で埋める。
こんな考え方です。
あと、田村さんが記事で書かれているように、住民税非課税というのは重要な視点です。私の母が住民税非課税で、もろもろ負担が軽減されているのを知り、気が付きました。夫に先立たれた専業主婦の妻の場合、遺族年金は所得にならないので、住民税非課税になれる可能性が高いのです。
あれこれ書いてきましたが、こういうのって、その時になってみないと計算できないし、する気も起きないんですよね。
受給時期になったら走りながら考える
でいくしかないのかな、と考える今日この頃です。うちも妻が、65歳になったら考えることにしています。何歳まで働くかわかんないし。
コメント
全く同意します。
損得考えたら繰り下げはできませんよね。
公的年金は一種のトンチン年金ですから。
繰り下げ待機中や受給開始後も諸々のしきい値や料率等の変更はありえますよね。
私の繰り下げ理由 終身であること
マクロスライド=所得代替率の低下をのみこんでのでの繰り下げです。
投稿: 年金繰り下げ待機中 | 2021年4月15日 (木) 14時49分
>年金繰り下げ待機中 様
コメントありがとうございます!
>マクロスライド=所得代替率の低下
年金繰下げを利用すべき本当の理由は、そこにあると考えます。実質年金の目減りが誰の目にも明らかになってからでは、間に合わないかもしれません。
この次のエントリーでそのことを書く予定ですが、見抜かれちゃいましたね(笑)。
投稿: NightWalker | 2021年4月15日 (木) 14時56分
Aの表の①の65歳と70歳なんだけど公的年金控除110万があるから額面ベース=手取りベースにならないのかな?
投稿: クロスパール | 2021年4月16日 (金) 05時41分
>クロスパール 様
コメントありがとうございます。
所得ゼロでも、国保など社会保険料は払わないといけないのでは?
投稿: NightWalker | 2021年4月16日 (金) 12時16分
あ、それも引かれた金額なんですね。
わかりました。
投稿: クロスパール | 2021年4月16日 (金) 16時13分