アーリーリタイアするにあたって最大の金銭的なデメリットと私が考えていたもの
最近、FIREと銘打たれた特集記事を見かけることが増えました。「早期リタイア」などという晩秋の雰囲気漂う表現より、FIREの方が、かっこいい感じはします。
アーリーリタイアするにあたって最大の金銭的なデメリットと私が考えていたもの
でも、FIRE自体は、別に「かっこいい」わけでも、「かっこ悪い」わけでもなく、単に「人生の選択肢にそんなのもあるよ」くらいなものなのであります。かっこのいい悪いは、それぞれ選び与えられた人生の舞台の上でどう踊るか、なわけで人によって価値基準も違います。
さて、そんなFIREですが、デメリットもいくつかあるなかで「これだけは外せない」とかつて私が考えていたものが、
厚生年金の掛け金をこれ以上積み増しできなくなる
ことです。
厚生年金って、長生き保険としては最強でして、かなり捨てがたい権利なのです。
- 掛け金は所得に応じて支払われるため、多くのサラリーマンの所得が最大化するラスト10年くらいの納付のインパクトが大きい。途中で止めると金額的なダメージが大きくなる。
- 加入年数が25年以上じゃないと遺族年金はもらえない。(遺族年金も含めた世帯としての総額が減ることを意味する場合も)
などなど。
早期リタイアしてつくづく思ったのが、「会社員じゃなくても厚生年金に好きな金額だけ入れれば良かったのに」ということでした。かといって、会社を作るのもたいへんでしたし。
この対策は、大きく2つあります。
その1 一生分のお金をきっちりキープする。
年金問題含めて、FIREときっちり言えるだけのお金を持ち、お金のパワーで乗り切る、と言う方法論です。私の場合は、50代半ばでの早期退職でしたのでハードルは低かったです。
この考え方に立ったときの課題は、実は、お金が不足するではなく「お金が余る問題」。場合によっては、早期リタイアしたのにお金が増え続けちゃう、と言うケースもあるでしょう。お金の使い方が問われます。まあ、「余裕があるに越したことはない」と言うレベルから始まって、残った分は「寄付でもするからいい」というのもひとつの考え方。大げさに言えば人生哲学です。
その2 やっぱり年金を増やすべくあがく。
私が考えているのは、次の2つです。
- 基礎年金部分の繰り下げ(厚生年金は加給年金をもらうため繰り下げない)
- 国民年金の任意加入
あとは、早期リタイア後、半年だけ再就職したときの納付も多少は役に立ったかなあ。早期リタイア後や定年退職後にゆるく働く場合、アルバイトではなく、せっかくなら社会保険完備のところで働いた方がいいよね、と思う次第です。
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「支出を減らし(繰り下げるという選択肢も含め)基礎年金だけで死ぬまで生きる」が可能であれば、いいんですが、年金が効いてくるのって、実は、介護状態になったときなんですよね。自分は「ほっといてくれ」で良くても親族が困ります。子供はもちろんのこと、甥や姪が主介護人になることもありますからね。その時、キャッシュフローの大小は大きな影響があります。
コメント
いつも楽しく拝見させて頂いております
医療従事者の観点からも、要介護状態での年金はとても大切だと実感しております
80、90代で株など数千万円所有している方もいれば、親の年金を当てにしてこどもが生活しているパターンもあり、多種多様な人間模様を感じることが多いです
子どもに迷惑をかけないだけの蓄えはやはり大切だと感じました
投稿: くま | 2021年4月11日 (日) 22時34分
>くま 様
コメントありがとうございます。
私も、母の介護で施設を見て回ったりしたのですが、いきなり「年金で施設利用費は払えますか?」「死にそうになったらどうしますか?」と聞かれて面食らったことがあります。「なんて失礼な」と思う反面、これは核心で、けっこうトラブルがあるのだろうな、と。
介護者の持ち出しを避けるだけの蓄えなり年金はマストですね。
投稿: NightWalker | 2021年4月11日 (日) 22時52分
全く同意します。要介護状態になった時の年金額及び金融資産がライフプランの肝のような気がします。
未来の介護保の姿が読めない状況で準備する予算の設定は非常に難しいですね。
投稿: 年金繰り下げ待機中 | 2021年4月12日 (月) 13時19分
>年金繰り下げ待機中 様
コメントありがとうございます。
どこまで繰り下げて増額するか? 落としどころの1つの目安が、繰り下げ世代になったころの施設にかかる月額経費+マージン。走りながら考えるしかないのかなと。インフレによるマクロ経済スライドによる目減り分や介護費用の増加は、インフレ耐性のある資産(つまり株式クラス)で補うと言う考え方です。
投稿: NightWalker | 2021年4月12日 (月) 13時30分