「ここに長くいても残り少ない人生のムダ」と思ったときの選択肢を増やしておく
日経ARIAさん。
50代にありがちな望まない早期リタイアへの道
会社の発展に伴い、会社の社員に対する価値観が変化。早期退職の募集。全く希望していない部署への異動。しかもそこには評判のパワハラ疑惑上司・・・。
”人事畑を長くやってきたのでスペシャリストに近いと思っていたのに、会社に残る選択をしたら、いきなり単純作業しか与えられないポジションに回されるんだ……”
身につまされます。
ちなみに、私は、50を超えてしばらく経ったころ、とある仕事に回され、数年間対応しているうちに社内での居場所を失い、早期退職勧奨というコースでした。まあ、会社のピラミッド構造を考えるなら、会社員寿命が10年を切った50代の人材は減らしたいわけなので、よくある話ではあります。紫乃ママの
"自分がダメだと思わされるような場所にはあまり長居しないほうがいい。"
というアドバイスには、大きくうなずいてしまいます。でも、もし私が、この相談をされたらどう答えるか。
- 迷っているなら、がんばる必要はないが、残ってふんばれるところまではふんばれ。
- パワハラ上司の問題は、別途解決できる。
迷っている人に早期リタイアはすすめません。
早期リタイアというのは自立です。自立している人には、迷いはありません。「実は、早期リタイアしちゃった」とばかりに事後報告。それどころか、知人には、話すらしない。旧態依然とした労働観を持つ人に説明するのは、いささかめんどうですしね。
「ライフワーク」や「ライクワーク」が、「ライスワーク」になるのは難しい
ただ、本心を言えば、紫乃ママと同じく「そう言う場所に長くいても残り少ない人生のムダ」「次のことは走りながら考えればいい」です。
問題はお金です。この記事は、この核心に触れられていませんが、おそらくは、経済的自由を得たという状態ではないものと思われます。記事には、「ライフワーク・ライスワーク・ライクワーク」のお話が出てきます。
(1)ライスワーク 収入を得るための仕事
(2)ライフワーク 得意なことを生かせそうな場
(3)ライクワーク 好きなこと、好きな人で集まる場。
この3つが揃えば、そりゃ、幸せですが、世の中、そううまくは行きません。若いうちにそう言う場を得たとしても、続くとは限らないのです。ライフワークとライクワークを一致させることは比較的容易とは思いますが、ライスワークまで一致させることは難しい。その難しさは歳を取ればとるほど増していきます。
「ここに長くいても残り少ない人生のムダ」と悟ったときの選択肢を増やしておくためには、やはり、アラフォーくらいから資産形成をしておくこと、長くできそうなライフワークやライスワークを見つけておくことが大切なのです。
座右の銘は「軽はずみ」、「ちゃんと準備のできる人を尊敬する」とおっしゃる紫乃ママ。ここには、たかが人生、楽しく乗りこなす、みたいな能力に裏付けられた自信があるわけで、これがない人には、たとえば早期リタイアのような「軽はずみ」な(だけど楽しい)人生は送るべきではないんでしょうね。
閑話休題。
それにしても、この相談者、人事のプロって言う設定なんですよね。ってことは、早期退職も問題上司もコントロールする側にいるわけです。ホントにプロなのかしら?人事の事務処理のプロだったってことなのかなあ。この辺からして、いろいろあやうい。
やっぱり、早期リタイアはオススメしません(笑)。
コメント
これ私が離婚するときに思った事と一緒で笑ってしまいました。
仕事もある・遊んでくれる友人達もいて・一人で出来る趣味も結構ある
あれ?一人になってもなんの不便もないんじゃない?って
気づいちゃったんですよね。
これが子供もいない専業主婦で外にもあんまり出ない
夫に依存するタイプなら、ギャンブルで、妻に内緒で高額の借金作ちゃうような元夫でも
離婚の選択出来てたかなー微妙かなー。
私にとって離婚は人生の損切でした(笑)
(1)ライスワーク 収入を得るための仕事
(2)ライフワーク 得意なことを生かせそうな場
(3)ライクワーク 好きなこと、好きな人で集まる場。
この三つは人生を豊かに過ごすためにはどんな内容にも当てはまるんですね。
投稿: ももんが | 2021年3月29日 (月) 08時10分
>ももんが様
コメントありがとうございます。
冒頭ご紹介した記事でも、会社との関係を離婚にたとえる一節があります。
>一度は辞めようと思った会社なんだから、半分はもう離婚したようなものでしょ(笑)。前夫との関係より、離婚した後の自分の人生のほうが大事じゃない。
無責任に何の準備もない人に「次行った方がいい」とは言いづらいですが、「次行った方がいい」ですし、私自身そうアドバイスをしてしまったこともあります(笑)。
私の周りにも離婚した方がいいというケース(多くは女性)がけっこうあったりします。やはり自立が大切だなあと思います。結婚やフルタイムワークは分散できません。損切りでも利益確定でもなく、増配増益高配当の長期銘柄であって欲しいですよね(笑)。
投稿: NightWalker | 2021年3月29日 (月) 10時53分