日銀のETF買い入れがTOPIXのみになる件
日銀さん、3/19のニュース。かなり重要なニュースを見落としてました。
はじめに
今後は、「日銀のETF買い入れがTOPIXのみになる」そうです。
理由は、「より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検(背景説明)」に、以下のように書かれています。
買入対象が連動する指数については、TOPIX、日経225およびJPX日経400としてきたが、後2者に連動するETFは、TOPIXに連動するETFと比べ、買入れにより一部の構成株式の間接保有比率の上昇が進みやすい。この点、これまでTOPIX連動型ETFの買入割合を増やす措置を通じて、こうした影響の抑制に努めてきている。
一部の構成株式の間接保有比率の上昇・・・って、難しい表現ですけど、私なりに解釈するに、「日経225は、時価総額分散に対して少々偏った指数であり、中立の立場である日銀が買うのには不適切だから止めます」ということではないかと。
とはいえ、上記の背景説明にあるように、いきなり、そうなってしまったわけではなく、すでに、日経225の購入ウェイトは減っており、「ETF の買入れの運営について」によると、直近は、こんな感じでした。
以上、私のお勉強コーナーでした。
雑談
これ自体は、個人的には、いいことではないかと考えます。市場は、多少過剰に反応するでしょうけど、日銀は、マーケットに対し、極力、恣意性を持つべきではない、と思うわけです。名だたる先生方が、長期投資はTOPIXを選べと言っているのに、なんで、日銀は、日経平均や、挙げ句の果ては、人材設備なんちゃらというわけのわからないETFまでこさえて買うのか、と。
そう言う意味では、日銀が日本株しか買っていないのも、恣意性があるようには、見えます。「日銀も、ぼくと一緒に、オールカントリー、2559買えば良いのに」とか、ドシロートの私は思うわけですが、さすがに日銀が、お札を刷って海外を買うのは、まずそうな気はします。やれ為替操作だと叩かれ、なんで”あの国”に投資するんだと叩かれ、みたいな。
気になるのは、プライム・スタンダード・グロースの3市場に再編する、2022年4月の東証改革後です。日銀は、プライム市場を買うのか、この後も継続するであろうTOPIXを買うのか、それとも、3市場の時価総額分散みたいなスーパー指数を東証に作らせるのか(グロースは、ファンド運用が難しそうでムリかも)。
要注目です。
コメント
公的機関が買うのなら、ESGに重点を置いても良いのに、と思いました。
普通の投資家は、やや懐疑的な人が多いように感じます。
投稿: 通りすがり | 2021年3月26日 (金) 23時46分
>通りすがり様
コメントありがとうございます。
日銀は無色透明、単にマーケットの防衛線くらいがいいのでは?
ESGは、いったいどういう選別基準が正しいのか?よくわからないので、また、悪い偏重を作り込みかねませんし。お札を刷る強大な機関には不適切ではないかと愚考いたします。
年金運用の方は、継続する企業に投資するべきという運用面と、世界各国と足並みを揃えるという政治的な面で、ESGに取り組まざるを得ないとは思います。
投稿: NightWalker | 2021年3月27日 (土) 00時05分