eMAXIS Slimオールカントリーならリバランスがいらない・・・わけではない
バランスファンドなど、これ一本型のファンドの褒め言葉として「リバランス不要」というパワーワードを見かけます。eMAXIS Slimオールカントリーも、そういうほめられ方をしている時がありますね。言わんとしていることは、わかります。
リバランスの視点はふたつある
ただし、何度か書いてますが何度でも書いちゃいますと、注意すべきは「リバランスの視点がふたつある」こと。
(A)リスク資産同士のリバランス。
冒頭の表現の意味合いは、こちら。そして、もうひとつが、
(B)リスク資産と低リスク資産のリバランス
です。バランスファンドの場合は、こちらの要素もあるかな。ここで言う低リスク資産は、ファンド以外の資産も含みます。たとえば、
- 無リスク資産(定期預金・個人向け国債)
- 国内債券
- 外国債券ヘッジあり
- 外国債券ヘッジなし
などがあり、下に行けば行くほど、リスクが高くなります。外国債券ヘッジなしを低リスク資産と呼ぶのは微妙かも、というところ。
で、どっちの影響が大きいかというと、
- 全金融資産に占めるリスク資産の割合の大きいひとは、(A)
- 全金融資産に占めるリスク資産の割合の小さいひとは、(B)
ホントにほったらかしはダメ
私、思うに、ほとんどのひとは、(B)の重要度の方が高いのではないかと。リバランスの目的はリスク調整にあるわけですが、現実問題としては、低リスク資産との割合がアセットアロケーションの性格を決定づけることが多いのではないでしょうか。私もそうです。カウチポテトでリスク資産比率は高くありませんし。
私は、デフレから脱却しない限り、低リスク資産は、無リスク資産だけで良いと考える派です。活用しているのは、定期預金とペイオフ対策としての個人向け国債です。いたって平凡。
というわけで、オールカントリーしか買っていなくても、全資産に占めるリスク資産の割合はチェックし、適時リバランスしておきましょう。20代30代で積立てを始めたばかりの時は、それほど資産が大きいわけではなくあんまり気にしなくても大丈夫だと思うんですけど、40代以上で始めた場合、一括でぽんと資金を投入するシチュエーションもあるはずで、その場合は、要チェックです。
資産がある程度の大きさになったら、ほったらかし投資といえどホントにほったらかしはダメなのです。
コメント
毎回、ブログを参考にさせてもらっています。
最近、「SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド」が「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」より、実質コストが低くなっていますが、どう思われますか? 現在、eMAXIS Slimでツミタっていますが、悩んでいます。
投稿: IGAP | 2021年5月 1日 (土) 10時32分
>IGAP 様
コメントありがとうございます。
雪だるまとオールカントリーは指数が違うのでそもそも比較してもしょうがないと考えています。MSCIが好きかFTSEが好きか、ファミリーファンド方式が好きかFoFでもいいか、ではないでしょうか。あとは、純資産総額です。
また、最近は実質コストよりも、「同一指数に連動する」ファンドの間での年次パフォーマンスの差に着眼しています。結局、パフォーマンスにもろもろのコスト(見えないコスト含めて)、運用の巧拙が現れるわけで。
投稿: NightWalker | 2021年5月 1日 (土) 14時13分