航路を守れ: バンガードとインデックス革命の物語 ジョン・C・ボーグル
楽しみに待っていた一冊がAmazonから届きました。
"世界を一変させた「インデックス・ファンドの父」が最後に書き残した、苦難の歴史と揺るぎなき信念。(本書の帯より)"
航路を守れ: バンガードとインデックス革命の物語
まだ読み終わってませんが、断言します。本書は、
全バンガードファン、ボーグルファン必読の書
です。
本編前の、冒頭を飾るのは、バフェットさんのこの一言。
"アメリカの投資家に最も貢献した人間の像を立てるとしたら、ジャック(著者の愛称)・ボーグルに決まっている。"
バンガード・ジャパンの方にこの本を紹介され、日本語訳の予定なしと聞いて英語の苦手な私はがっかりしていたのですが、幾ばくかの時を経て幻戯書房さんが出版。 石塚順子さんの翻訳もすばらしく、とても読みやすい一冊に仕上がっています。
本書における「航路を守れ」は、日々の変動に惑わされることなく長期的な成長を重視せよという投資のルールだけではなく、人生もまたしかり、というダブルミーニング。
おおまかな目次は、こんな具合です。
第1部 バンガードの物語
第2部 バンガードのファンド
第3部 投資運用の将来
第4部 思い出
本書は、投資のノウハウ本ではありません。ファンド業界におけるボーグルさんの詳細な自伝であり、本書に充満するその投資哲学を通じて、ボーグルさんの魅力がひしひし伝わってきます。青雲の志あり、権益との闘いありの痛快なサクセスストーリーになっており、ハッピーエンドとわかっているので、安心して読めます。この辺も読みやすい理由かもしれません。個人的に、ラノベでも、主人公がとにかく強い系が好きだし(笑)。
インデックス投資派の私としては、溜飲が下がりまくりです。
バンガードのインデックスファンドは、現代ポートフォリオ理論や効率的市場仮説から生まれたわけではなく(当時、知らなかったそうな)、「偶然と直感」だったそうです。むしろ低コストこそ投資家の利益、という考えから生まれた模様。
数々の政争の末に結実した、ボーグルさんの「投資家本位」は、「オンリーワン」だったんだな、とあらためて感じます。たしかに日本でも、バンガードに匹敵するローコストのインデックスファンドや、バンガードのファンドを間接販売する会社も増えましたが、真にミューチュアル、ファンドが運用サイドのオーナーと言う仕組みを実現した会社は、聞いたことがありません。
ちょっと高いですけど、オススメの一冊です。
<追記>
デザイン協力に、ブログ 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー、水瀬ケンイチさんのお名前がありますよ〜。
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